3D関連最新情報トピックス

  3D関連最新情報トピックス(2015年1月〜)


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■今年の3DはVR・HMDとスマホ・ゴーグルが席巻(2015年5月28日)
 ※参考となる日本語記事は スマホde簡易VRゴーグル徹底比較を参照


3Dをめぐる様々な情報を2009年から取り上げている当コラムだが、ハリウッド映画等での3Dの定着と進化とは裏腹に、 家庭用の3D視聴デバイスに関しては3Dテレビの大失敗以降、パッとした製品が無い。もちろん東芝ダイナブックT852のような 「ヘッド・トラッキング+高精細レンチキュラーシートによる裸眼3Dモニター」を搭載したものはあったのだが、 価格の高さと使いにくさから全く売れなかった。T852搭載のモニターは台湾AUO製であり、 T852のグラフィック自体はNDIVIAのステレオドライバーで動いているので、 下手な東芝製ソフトを使わずにフリーのNDIVIA Video Player(Stereoscopic Playerのライセンス版)やフリーのステレオ・スライドショーを使えば、 ほとんどの3Dコンテンツを裸眼で見られるのだが、大メーカーの悪い慣行から、そういった情報はユーザーや購買予備軍には全く知らされなかったので売れるはずは無い。

そんな状況の中、Oculus Riftが火をつけた「広視野角のVR対応HMD」と、 フルHD画質以上に高画質・低価格化したスマホをモニターとして使った簡易なスマホ・ゴーグルの急速な多品種化には目を見張るものがある。
専用機の火付け元のOculus VR社や後を追うソニーやAUOも油断できない。 何故なら、簡易なスマホ・ゴーグルもアプリの進化と普及によってはOculus Riftのような「専用機」が必要なくなるからであり、 スマホの方が価格が圧倒的に安く普及のための敷居が低いからである。 そのことはOculus VR社も認識しており、 サムソンと共同開発した簡易スマホ・ゴーグル「Galaxy S6 及び同edgeを使ったGear VR」はVRの普及自体とスマホ・メーカーの取り込みを狙ったものであり、 それによって興味を抱いた人々を、より高画質で高速・快適にゲームやVR対応コンテンツを楽しめる専用機マーケットに呼び込む布石だと思われる。
そんな専用機マーケットに、あのファッション・ブランドの「Dior」がマジに参戦し、オリジナルのHMDを開発し、 6月から全世界の主なディオール・ショップでファッション・ショーのバックステージなどを360度3D映像で楽しめるキャンペーンを開始するとのことである。
このDiorオリジナルVR・HMDは市販は考えられていないが、今後、 ファッションショーなどを他社のHMDやスマホ・ゴーグルでもその場に居るかのように360度3Dで見られるようなプロモーションを行う布石のように思える。

さて、専用機の実売はOculus Riftについては2016年第一四半期と発表されたが、ソニーやhtcについては製品版が作られるかどうかも未だ定かではない。 その辺はマーケットが専用機を求めているのか、ハードよりもアプリが重要でありスマホ・ゴーグルで十分と感じているかを探っているように思える。

私としては、より高画質な専用機にも興味はあるし欲しいが、3Dテレビの失敗を踏まえれば、重要なのはアプリやコンテンツであり、 それを気軽に超低価格で体験できる簡易スマホ・ゴーグルが普及し、それに向けた様々なコンテンツが増えることの方に当面は期待している。

そこで、現在までに発売されている簡易スマホ・ゴーグルのメリット・デメリットについて比較した記事があったのでお読みいただきたい。
スマホde簡易VRゴーグル徹底比較
スマホ・ゴーグルの最大のデメリットは、ジャイロセンサーを使って写真の送り戻しや動画の再生スタート・一旦停止・早送りなどの操作を行えるフリーのアプリが無く、 操作のためにいちいち外さなければならないことだが、 最近auプラス1から、より簡便かつ指で直接スマホを操作できるスマホ・ビューアー(ゴーグルと呼ぶよりビューアーの方がふさわしいと思う)も発売されている。
周囲が見えてしまうので他のスマホ・ゴーグルに比べて没入感は低くなるが、指で操作できることとスマホの装着が簡単な点は評価できる。 これなどは100年以上昔の3D写真ビューアーのシンプルさに似ており、先祖がえりと言える。
ともあれ、今、確実なVR・HMDの普及を図るのならば、ゴーグル内のスマホを手を使わずに操作できる無料アプリを公開する事が何よりも重要だと思っているし期待している。





■へーベルハウスのキャンペーンでもらえる折畳み式スマホ・ゴーグルが結構使える(2015年5月7日)
 ※参考となる日本語記事は へーベルハウスのキャンペーン案内を参照

ゴールデンウィーク直前からテレビCMを流しているへーベルハウスではスマホを使った3D・VRゴーグル (へーベルハウスでは「3D VIRTUAL SCOPE HH」と称している) による屋上360度VR体験と、そこで使われているものと同じ樹脂シート製の折畳み式スマホ・ゴーグルがもらえるキャンペーンをモデルハウスで行っている。
早速それを入手して、3Dエロス的観点からテストしてみたので以下にご報告したい。 なお、このお手軽なスマホ・ゴーグルがもらえるキャンペーンは5月17日までのようなので、 ダンボール製の「ハコスコ」でもアマゾンで1,000円+送料340円=1,340円することを考えたら、モデルハウスがお近くにある方はいただいて来ることを強くお勧めする。

では視聴テスト。
まず組み立て方については何も説明書はないが、樹脂製のシートを開くように広げるて折り目にしたがって折り、要所を切り込みに差し込んで固定すれば出来上がってしまうが、 スマホをセットする部分だけ内側に折るのか外側に折るのか分からない箇所があった。 画面サイズが4インチ弱のスマホの場合は内側に折った方が安定するのだが、5インチ台のスマホでは内側に折ってしまうと視野が半分ぐらいになってしまうので、 外側に折るように思うのだが、いまだによく分からないが使用には差し支えない。
ともあれ組み立てたゴーグルにお使いのスマホをセットするだけ。
キャンペーンの360度デモ映像を見るには、同梱説明書に書かれた無料アプリ「Motion PANOWALK」をまずダウンロード&インストールして立ち上げると、 キャンペーンで使われている「屋上ジャンプ!」をはじめ海中映像や秋葉原の街中をマリオ・カートに乗って走る360度映像などのリストが表示され、 それをダウンロードして、ジャイロマークとゴーグルマークをONにして再生すると頭を向けた方向の映像が見える。 ただし、これらのデモ映像の画質はお世辞にも良いとは言えず、HMDの最大のメリットである没入感を得られるほどではないが、 360度映像を体験したことが無い人には新鮮な感覚だろう。

より多くのスマホ・ゴーグル用コンテンツを楽しむには、Google PlayにあるCardboard(ハコスコ) 公式アプリを使うことが可能。

さらに、このスマホ・ゴーグルを用いて、3Dエロスや3D映画などの立体映像を見てみよう。
そのためには「フル・アスペクト比率のサイドバイサイド(左目側に左側映像)」(これをフルSBSと言う)で表示される必要がある。つまり、 16:9なり4:3の映像ならばスマホに表示させる映像が左右それぞれが16:9なり4:3でなければならない。 しかし現在インターネット上に無数に存在する3D映像の多くは「ハーフ・アスペクト比率のサイドバイサイド(ハーフSBSと言う)」(16:9なら8:9に、 4:3なら2:3に横幅が半分に圧縮されている)映像だし、 当3Dエロスで配信している過去の「フル・アスペクト比率」のものは裸眼交差法用なので左右が反対であり、 そのままではスマホに標準装備されている静止画・動画再生アプリでは見ることができない。
ちなみに当3Dエロス・ネットは3Dテレビ、3Dモニター、3Dスマホ、ニンテンドー3DS、 スマホ・ゴーグルの各バージョンを配信すべく現在リニューアル準備中であるが、先行して姉妹サイトの『JPEアンコール』で毎週オマケとして1作品分の動画と静止画それぞれのスマホ・ゴーグル版も配信しているので、 それならダウンロードしたファイルをスマホ標準アプリで再生するだけでスマホ・ゴーグルで立体鑑賞できる。
では、3Dエロスや3D映画や海外の3Dアダルトの「ハーフSBS」ムービーを見るにはどうすればよいかというと、 既にいくつかの無料アプリが公開されている。
例えばアンドロイド用のMoboPlayer」(https://play.google.com/store/apps/details?id=com.clov4r.android.nil.noplug&hl=ja)もその1つである。 このアプリで再生すれば、元ムービーがハーフSBSでもスマホ・ゴーグル用にフルSBSにリアルタイム変換表示してくれる。 つまり、3Dエロスの場合ならば3Dテレビ用のハーフSBS(片眼960x2x縦1080p)のムービーファイルを横幅はそのままに縦を540pにリアルタイム変換して表示してくれるのである。
なお、現在「MoboPlayer2」もリリースされているが、「2」にはアスペクト比変更「32:9」のプリセットボタンが無くなり、 自分でいちいちアスペクト比を入力するようになってしまったので、 単にスマホ・ゴーグルをステレオビューアーとして使うことが目的ならば「2」ではなく「MoboPlayer」の方が使いやすい。

なお、静止画(ステレオ写真)についてはまだスマホ・ゴーグル用のアプリは知らないので、マルチ・フォーマット配信が始まる3Dエロス・ネットのリニューアルをお待ちいただきたい。

さて、ここで上海問屋の1,000円ちょっとで買えるスマホ・ゴーグルとの違いについて説明してみたい。
上海問屋のものは安い方でも5.5インチまで対応しているので画面がケラレて端が見えなくなることは無いが、その分少し奥に見えている感じがするのに対して、 へーベルハウスの折畳みゴーグルは接眼レンズの位置と特性のためか映像自体がかなり手前に大きく見えるセッティングであり、 そのため5インチのスマホでも映像の隅がかなりケラレてしまうこととモニター面をかなり拡大して見ているので画素が見えてしまう感じが強い。 また、プラスチックレンズの性能が低いためか、周辺はピントが甘くなり色収差も出る、が、 無料でもらえるアメニティグッズなのだから細かい事で文句を付けるのは野暮であるし、ゴーグルで見る3Dは画面の中心部に集中するので周辺はあまり気にならない。
なお、上海問屋のもへーベルハウスのも共にピント調節ができないので、遠視(老眼)が強い人は焦点が合わない場合がある。
ともあれ、お使いのスマホの解像度がフルハイビジョン画質かそれ以上の解像度ならば、かなり綺麗に立体映像を楽しめるし、 それがタダなのだから、既に3Dテレビや3Dモニターをお持ちの人も1、2個持っていて損は無いスマホ・ゴーグルだと言える。





Oculus VRと共同開発した新Gear VRが日本で発売決定・即日公開(2015年4月8日)
 ※参考となる日本語記事は engadget日本語版 2015年4月8日付け等を参照

3D情報通の人は既にご存知だと思うが、Oculus Rift DK2のディスプレイはサムスンのスマホ用のものであり、Oculus VR社とサムスンは昨年来、 サムスン製スマホとOculus VR社のソフトを用いたスマホHMDゴーグルの開発を進めてきた。
そして昨年暮れには、日本では発売されなかったが米国などではサムスン製スマートフォン前機種 Galaxy Note 4 専用のアクセサリーとしてGear VRを発売していたが(参考記事はコチラ)、 このたびスマホ新機種 Galaxy S6 及び S6 edgeがDOCOMO 及び auから発売されることに併せて、 旧型を改良した「Gear VR Innovator Edition for S6」の日本発売が発表され、 同日、全国のGalaxy SHOPでの展示・体験会が始まり、4月23日から購入予約受付を始める。 価格は24,800円。

既に4月9日現在、早速体験したマニアな人々がツイッターやブログでレポートしているが、ここではいくつかのポイントを挙げてみたい。

まず最初に特筆すべき第1点は、このHMD化されたユニット全体はOculus VR社のソフトで動いているという点である。 言い換えれば、Oculus VR社並びに同社を2000億円以上で企業買収したFace Book社の将来のVRビジネスに向けてのパイロット版とも言えるモデルであること。
VR元年と言われている今年2015年、Oculus Rift、Gear VR、Windows 10とマイクロソフトのHololens等のHMDとVR技術が提示する可能性をいち早く捉えて様々なビジネスや事業に活用できるか否かで、 その企業や事業者の将来の浮き沈みが大きく変わってくる可能性があると思う。

特筆すべき第2点は、現在のOculus Rift DK2の画面解像度が1920x1080なのに対してGear VR Innovator Edition for S6にセットする Galaxy S6 及び S6 edgeの解像度が2560 x 1440(577ppi) と高解像度である点である。 HMDの良さは「没入感」と「3Dテレビのようなクロストーク(ゴーストのような左右画像の混在)が無いこと」であるが、 そこで重要なのは「高解像度」と「遅延が少なくハイフレームレート(コマ数が多い)であること」である。 高解像度については最終的に裸眼と同じレベルに見えるためには36Kとかそれ以上必要とも言われているし、フレームレートについても一般人でも120fps以上、 見慣れた人では240fps以上無ければ違和感を感じるという言われているが、その辺はコストや利便性とのバランスの問題であり、 少なくとも現時点では、Galaxy S6 及び S6 edgeをセットしたGear VR Innovator Edition for S6 が最高の解像度を備えた民生用HMDだと言える。
この点は本来なら日本が牽引すべき分野であったしIGZOをはじめその技術はあったのだが、Oculus Rift DK1が登場した時点で「あれはオモチャ」とあざ笑ってその可能性を見出せなかった日本メーカーのビジネス上の弱さを露呈した結果、 牽引するどころか完全に置いて行かれたとも言えるだろう。

さらに特筆すべき第3点として、発売と同時にサムスンから60タイトル以上の専用コンテンツやライブ配信が始まる点。これにはOculus Rift 向けに日本人が開発したソフトも含まれているし、 360度自由視点でその場に居るかのように見渡せるシルクド・ソレイユの実写映像もあり、 今後はコンサート会場からの360度ライブ配信も予定されているという。
3Dテレビが失敗した原因のひとつがコンテンツ不足であったが、HMD陣営は最初からネットを媒体とした配信や双方向性を前提としているので、 今後再び3Dカメラが双方向性を重視したデバイスとして活かされればコンテンツが尽きることは無いだろう。

もちろんその他にも、格安のスマホHMDゴーグルと違い24,800円だけのことはあって、加速度、ジャイロ、近接センサーに加えて、 ゴーグル右側面はタッチパネルになっておりスマホを内部に装着したままでコントロールができ、別売の無線ゲームコントローラーも使えるらしい。

さて、Gear VR Innovator Edition for S6の価格は24,800円と発表されたが、 問題は本体と言うべきGalaxy S6 及び S6 edgeがDocomoやauでどれくらいの割引実売価格で手に入れられるかが、現在、私個人の最大の関心事である。





■ 上海問屋:超安価なスマホHMDゴーグルの6インチ対応版を発売(2015年3月29日)
 ※参考となる日本語記事は AKIBA PC Hotline 2015年3月29日付けを参照

当コラムでも取り上げ、実際に視聴テストを行った「上海問屋DN-12690」の6インチスマホ対応版「DN-12912」が発売された。価格は1,699円+送料410円。
上海問屋の商品ページはコチラ:
http://www.donya.jp/item/27194.html
楽天からも買えるので、ポイントがある人は楽天から購入した方が安くなる。
http://item.rakuten.co.jp/donya/429865-912912/

今回の6インチ対応版の発売に伴って従来の「DN-12690」は1,299円に値下げされた。

上海問屋のサイトでは、この6インチ対応版をiPhone6Plusでテストしたという。 小さなスマホ(3.5インチ以上)も装着可能としているが、DN-12690のような吸盤が無くスポンジの反発力だけで挟む形なのでズレの心配がある。 あくまでも使用している(もしくは今後使用する予定の)スマホが6インチの場合専用と考えた方が良さそうに思える。
また、従来機同様にピント調節機構が無いので、遠視(老眼)の人にはピントが合わない可能性がある。
デザインはOculus Rift DK2をモロにパクった形状である。

なお、この手のスマホHMDゴーグルはそのままでは立体写真を飛ばし見したりムービーを途中でポーズしたりする操作ができないので、 マニアの中にはゴーグルの下部に人差し指が入る穴を開けて操作を行っている人もいる。 外光の遮光は切れ目を入れた黒いスポンジや布で行う。価格が安く構造が単純だからこそできる改造である。





■ HTCもVR対応の高画質HMDを発表(2015年3月3日)
 ※参考となる日本語記事は Gigazine 2015年3月2日付けを参照

現在のOculus Rift DK2(開発者キット2)の画質を超える片目あたり解像度1200×1080でリフレッシュレートも毎秒90フレームというハイスペックなHMDが台湾のHTCから発表され、 Oculus同様にソフトやデバイス開発者向けに近々出荷が始まるらしい。 その背景にはゲーム開発企業や映画製作・配給企業が付いており、Face Bookを親会社にしたOculus VR社との今後の競争が楽しみである。

そもそも「完全お一人様専用」で「装着した見た目はマヌケ」なHMDが、Oculus Rift DK1発表から極めて短い時間で注目され、 それもゲーム開発企業のみならず、映像制作企業や通信などのコミュニケーション企業からその可能性を大きく注目されていることが重要である。
注目される要因は「従来のHMDでは実現できなかった広い視野」と「低価格」と「アプリケーションの開発環境を公開した」ことが大きいが、 ソニーやオリンパス等、1990年代に既にHMDを商品化していた日本企業は、逆にその点を甘く見ていたのか、完全に遅れてしまっているように思える。
もちろんOculus Riftを19歳で開発したパーマー・ラッキー氏の「接眼レンズの歪みを逆手にとって元映像を歪ませてレンズの最大視野を活かす」という発想は斬新であったし、 Oculus Riftによってほぼ視界全体をカバーするものが極めて安価にできるようになったからこそ、ゲーム企業等が本気で乗り込んで来たわけである。 もちろんベースにはタブレットやスマホの熾烈な市場競争で液晶パネルの高画質化と低価格化が急速に進んだという点も見逃せないが、 それは世界中で同じ状況であったのだから、小型で超高画質なスマホやタブレット用ディスプレイの広視野のHMDや裸眼3Dタブレットへの転用を日本企業が発想できなかったことが現在の劣勢を作ったと思う。
また、3Dテレビ失敗の時は「ハード優先でコンテンツ制作者はほとんど放置されていた」が、 今回のHMDブームは逆にソフトやコンテンツ制作者並びに面白く有益な使い方のアイデアを提言する者達がブームを作りリードしていることである。
そして、3Dテレビの時は、コンテンツの作り手がほとんど3Dの基本や限界を理解しないままに多くの粗悪なコンテンツを作ってしまったが、 今回のHMDやVRについては、なまじ没入感が強いことから3D酔いや過度な視差や逆に立体空間になっていないものなどへの反省や対策が急速に進んでいることも、 ハード屋目線ではなくソフトやコンテンツ制作者目線による開発とフィードバックが生かされていることの現われだと思う。
このようにOculus Riftが火をつけた現在のVR・HMD開発の動向は、単なる新し物好き達の間の流行ということだけではなく、 家電や自動車やIT関連業務など全てのビジネスの今後の開発の進め方自体に大きな示唆を投じたように思える。





■ 超安価なスマホ向け3Dゴーグルを試してみた...コスパは最高!(2015年2月24日)

ドスパラ・上海問屋から約1,600円で売り出されたスマホ用3Dゴーグル「DN-12690」を早速試してみた。

結論から先に言うと、店頭で約1,600円、通販でも送料込みで2,008円という低価格の割には極めてコストパフォーマンスが高く、 クロストーク(3Dテレビや3Dモニターでの左右映像が混じったゴーストのようなもの)が全く無い3D映像を手軽に体験することができ、 3Dや360度自由視点のバーチャルリアリティー映像を試すには現時点で最安・最適なゴーグルだと言える。
特に5インチクラスでフルハイビジョンのスマートフォンを持っている人にはそのスマホ自体の高画質を3Dで活かせるし、 フルハイビジョンではない旧型のスマートフォンでも流行のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)がどのようなものかを味わうことができる。
実際、私は5インチ・フルハイビジョンなスマホを持っていないため、4.3インチ/解像度960×540ドットしかないHTC EVO 3D ISW12HTで試したが、 それでも10年前に米国iCUiTi社(現Vuzix社)が約10万円で売り出した「DV920」よりもはるかに快適に3Dを楽しむことができた。

■「上海問屋DN-12690」の具体的な長所は、
  〃擇比較的に丈夫なプラスチック製である(装着時に重要なポイント)。
  ⊆弩性が高く、ほとんど外光が入り込まない構造なので没入感が強い(HMDではこれが重要)。
  ヘッドベルトも実用性が高く、顔に当たる部分のスポンジパッドと相まってズレにくく両手が使える。
  ぅ廛薀好船奪の接眼レンズも気になるような歪みは少ない。
  ヌ槁調整(視野位置調整)機能がある。
  iPhone等スマホ本体の上部または下部にコネクターのある機種ならイヤホーンやUSB給電コードを繋ぐことができる(外光を防ぐスポンジ付き)。
  Д好泪杣体の動きセンサーを活かしたバーチャルリアリティー映像やゲームを味わえるスマホ用アプリが使用できる。

逆に欠点と思える部分としては、
  ヽ犬粒閉部分のヒンジが弱い感じがある。
  Oculus Riftのように接眼レンズの焦点を選ぶことができない(私の場合はメガネ無しで綺麗に見えたが)。

例えばアマゾンで「スマホ ゴーグル」で検索すると同様な製品がいくつかヒットするが、 価格の割には「iPhone 5 専用」とか「遮光性が悪い」とか「ダンボール製」とか「顔に当たる部分にクッションが無い」とか「常に手で持っていなければならない」 といったものばかりでコストパフォーマンスが良いとは言えない。
それらに対してこの「上海問屋DN-12690」は遮光性が高いことや装着時に両手が使えることに加えて使えるスマホのサイズも3.5インチから5.6インチと幅が広く、もちろんiPhoneでもAndroidでもOKである。

それが、ドスパラ店舗なら約1,600円、上海問屋からの通販でも送料込みで2,008円という価格で買えるということは、 昔からHMD製品を知る私のような者にとっては驚きの低価格とパフォーマンスなのである。 今まで約20年間にわたってソニーやオリンパスをはじめとするHMD製品の購入に多額のお金を費やしてきた私としては、 正直なところ「今までの高いHMDはなんだったんだ」と思えるほどにショックなコストパフォーマンスである。

さて、実際に注文してみると、私の場合は首都圏からの注文なのでネットから発注した翌日には届いたし、秋葉原までの交通費と時間を考えたら送料410円は安い。
なお、秋葉原のドスパラ・パーツ館で直接購入する場合は、現在、入荷してもすぐに売切れてしまうらしい(特に週末)ので、 無駄足にならないように行く前に在庫を確認し予約しておく方が良いだろう。

上海問屋からの通販では、古新聞紙の緩衝材で包まれた結構大きなダンボール箱の宅配便で配達され、 その中に何も装飾されていない白い厚紙パッケージに収められたゴーグル本体と簡単な取扱説明書が入っていた。 取扱説明書は中国語と英語で書かれているが別に読まなくても使い方は誰にでも分かると思えるほどシンプルな構造である。 (裏面は省略したが取扱説明書の表ページはこんな感じで対応するスマホのサイズを確認できる:クリックして拡大)

■スマホのセット時の注意点

スマホのセットで気を付けることは、下の写真のように、スマホ画面に表示させたフルアスペクト比のサイドバイサイド映像の左右中心がゴーグルの左右仕切り壁にピッタリくるように、また斜めに傾かないように注意して吸盤に取り付けることである。 ここで中心がズレてしまうと左目に右目用の映像の一部が見えてしまったりして正しい立体視ができなくなってしまう。 ただし、そんなに正確さを気にしなくとも、取り付け後の「レンズ位置調整」である程度左右の視界を調整することでズレ補正は可能である。

■メガネ使用者の場合

Oculus Riftのようにメガネをかけたまま装着できるほど接眼部は大きくないので、メガネ使用者の場合はメガネを外して使った方が良いだろう。 何故ならメガネをしたままでは隙間から外光が入って見にくくなるし、 ヘッドバンドで頭に装着して両手が使えるようにするとメガネのノーズパッドが圧迫されてとても痛くなってしまう。 私は強度の近視と老眼であるが、メガネ無しで装着しても全く問題なく画面に焦点が合って綺麗に見ることができた。

■立体視できるのはフルアスペクト比な平行法配置の映像のみ。 ただし無料アプリで様々な3Dフォーマットに対応。

他のスマホ用ゴーグルも同じだが、HMDで立体視するには「縦横比がフルアスペクト比率」で「平行法配置(左目は左目用・右目は右目用映像)」のものに限られる。
今回のテストでは、スマホに元々標準装備されている映像プレーヤーソフトを最初に使ったので、3Dエロスが配信している「PC用裸眼交差法配列のサイドバイサイド」や、 平行法配置でも左右の幅を半分にしている「3Dテレビ用ハーフ・サイドバイサイド」ではそのままでは立体視できないので、 テスト用にあらかじめ「フルアスペクト比な平行法配置」に変換したものを使ったが、 既にアンドロイド・アプリには、現在ネット上での3D映像配信の標準フォーマットである「3Dテレビ用ハーフ・サイドバイサイド」や 「ハーフ・トップアンドボトム」を「スマホHMD用フルアスペクト・サイドバイサイド」にリアルタイムに変換表示してくれるものがいくつかある。
例えば、中国製のフリーアプリMoboPlayer」(https://play.google.com/store/apps/details?id=com.clov4r.android.nil.noplug&hl=ja) なら3Dエロスの「3Dテレビ用ハーフ・サイドバイサイド(MP4)」を表示メニューで「16:9」にすればフルアスペクト比の正しい3D映像で見ることができる。

また、360度バーチャルリアリティーな視界を楽しみたいなら、 Cmoar VR Cinema Free」(https://play.google.com/store/apps/details?id=com.Cmoar.CmoarVirtualCinema&hl=ja) を使えば映画館の席に座って見ているように首を動かせば360度、自分の横や後ろの席も劇場の天井までが見られ、また、 視界の中に操作メニューを表示させて一旦停止や早送りなどの操作も行えるので、いちいちHMDを頭から外して蓋を開けて画面を操作する必要も無いが、 この3D・バーチャルリアリティー機能だけはフリー版では2分間の再生時間制限があるのが残念である。
近い将来、ドワンゴ・NTT・カドカワなどがニコファーレや武道館などでのライブ・コンサートやイベントを3D・360度自由視点配信を行う予定であり、 その時にはドワンゴなどから3D・360度配信に対応したフリーアプリが配布されるかもしれない。
Cmoar VR Cinema」正規版はあくまでも3D映画などを映画館で観てる感じに浸りたい人向けのアプリかもしれない。

他にもいくつかのスマホHMD用ビューアーアプリや、無料でバーチャル空間を楽しめるスマホHMD用のサイトなども既にあるので、 とにかく安く3Dなエロや360度バーチャルリアリティー空間を今すぐ試してみたいという人にとっては、 このドスパラ・上海問屋のスマホ用ゴーグルは最高にコストパフォーマンスの高い製品だと言えるだろう。

今までこの手の3D関連製品は、ある程度の製造数を作ったら廃盤になってしまうものも多いが、 ドスパラや上海問屋にはできるだけ長期にわたってこのような「安価で機能がしっかりしたもの」を販売継続してもらいたいものである。

3Dエロスとしても、中国製アプリを使うのはなんか恐いし(上掲の「MoboPlayer」は安全なようであるが)、 有料のアプリは買う気はしないのでスマホ標準装備のプレーヤーで3Dで見たいという人のために、 フルアスペクト・平行法サイドバイサイド配置な横1920または1280ピクセルのMP4ファイルも配信しようと考えている。
また、私自身も、このスマホ用ゴーグルで見るために、5インチクラスのフルハイビジョンなスマホを入手しようと思っている。




■ 実売1,600円の超安価なスマホ向け3Dゴーグル(2015年2月19日)
 ※参考となる日本語記事は AKIBA PC Hotline 2015年2月19日付けを参照

7インチ大のタブレット用モニターパネルを使った"Oculus Rift DK1"が登場してから2年が過ぎたが、 "Oculus Rift DK1およびDK2"がそれ以前のソニー等のHMDに比べて非常に革新的だった点は、 接眼レンズの歪みを逆手にとり、予め表示する画像をレンズ歪みに合わせて歪ませることでそれまでになかった全視界を覆うような広大な視野角を実現したことであり、 各種センサー機能を生かしてVRやARをそれまでなかった3万円台という低価格で実現したことにある。 また、"Oculus Rift"は、DK(Developer's Kit)という名称のとおり、 開発環境をオープンにしてユーザーが自由に様々なアプリやデバイスを開発したり面白い使い方を提案できるようにしたことにある。
その結果、アプリ開発のプロやアマチュアをはじめ、大手のゲームメーカーや建築会社、大学や医療機関などが世界中で競うようにアプリやデバイスの開発を進め、 そんな動きがあったからこそ、2000億円以上という莫大な費用でFaceBookOculus VR社を買収したのである。

そんなOculus流のレンズ歪みを利用したものではないが、 実はOculusよりも早くから海外ではスマホを使った3Dビューアーがいくつも開発・販売されていたし、 当コラムでも適宜それらを紹介してきた。
例えば右の写真の「POPPY 3D」はi-Phone専用ではあるが3Dビューアー機能だけでなく、 先端部分を180度回転させると3Dカメラにもなる優れものだが日本円で5,000円ほどとやや高額。
また、ダンボールで出来た組み立て式の「ハコスコ」は1,000円という低価格で3Dや360度映像を楽しむことが出来き、結構な数が売れているらしいが、 やはり造りがイマイチだし常に片手か両手で支えていなければならない。
他にも現在アマゾンで購入できるものがあるが結構な価格のものばかりである。

そんな中でまた1つ新顔のスマホ用ビューアー「上海問屋DN-12690」が登場した。
それも実売1600円という低価格ながらも「ハコスコ」のようなダンボール製ではなく丈夫な樹脂製であり、使う人の眼幅に合わせて両眼のレンズ位置を微調整でき、 Oculus Rift同様に両手が使えるようにヘッドバンドも付いている。
既に初回の入荷時に購入して試した人からの報告では、問題なくフツーに3Dビューアーとして使えるとのことである。
ただし、現在の一般的なスマホの解像度の制限上、どうしてもドットが見えてしまうようであるが(Oculus Rift DK2でもドットが見えてしまう)、 ほんの10年前には10万円以上したHMDの解像度が片眼640x480だったのだから、横1280pのスマホなら当時10万円のHMDと同等画質、 フルハイのスマホならそれ以上の画質で3Dを楽しめるのだからコストパフォーマンスは非常に高い。
秋葉原のドスパラ・パーツ館3Fで直接購入可能であり、また、「上海問屋」から1,599円+送料410円=2,009円で通販で買える。 (上海問屋の商品ページ:http://www.donya.jp/item/27006.html
さて現在、当3Dエロスでは、
・「3Dテレビ版1080pハーフSBS(サイドバイサイド)」
・「3DPC版1080pデュアルストリーミングWMV」
・「裸眼3Dスマホ版720pハーフSBS」
・「ニンテンドー3DS版400x240p3D−AVI」
・「旧作のPC版フルアスペクト比の裸眼交差法SBS」
を配信しているが、このような安価に3Dを体験できるものが発売されたのだから、 新たに「各種スマホ3Dビューアー版720pフルアスペクト比の平行法SBS(コーデックはMP4)」 も加えて配信する予定である。
なお、同時配信の3D写真集は、どのスマホでも「3DPC版フルアスペクト比の交差法SBS(圧縮はJPEG)」が表示できるはずであるが、 そのままでは左右が逆になってしまうので、写真集もスマホ3Dビューアー版を配信する。

また、この手のスマホ用ビューアーは内部にスマホを一度セットすると操作はいちいち蓋を開けて行わなければならないが、 立体写真を次々とスライドショーで見るには各スマホの写真ビューアーソフトのスライドショー機能で連続して見ることができる他、 お使いのスマホがアンドロイドの場合は3D用のフリーソフト3DSteroid」 (https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.suto.stereoroid&hl=ja)で元写真が平行法でも交差法でも 3Dテレビ用のハーフSBSでもスマホ用の「フルアスペクト比の平行法」に変換して見ることができ、さらには、 スマホカメラで2枚ずらし撮影したものを立体写真にすることもできる(ただし動いている被写体の撮影では立体化できないので、あくまでも風景や食べ物などの静物写真限定である)。




"Hololens"を開発したマイクロソフト社の天才「アレックス・キップマン」とクリエイター目線の重要性(2015年2月4日)
 ※参考となる日本語記事は GIZMODO 2015年2月3日配信記事を参照

『1月にマイクロソフトが発表した中で1番衝撃的だったもの。それはVR(Virtual Reality)ゴーグルHololensですよね。3Dのホログラムを、まるで実際に目の前にあるかのようにつかんだり、触ったりできるというこのヘッドセット。いかに簡単に従来のコンピューターでは成し得なかった仮想的なものを作ることができるかを世に知らしめました。 その開発者がアレックス・キップマンです。』

上記は「GIZMODO」による記事の冒頭部分である。
アレックス・キップマンの生い立ちやマイクロソフト社での彼のキャリアなどは上掲のGIZMODOの記事を読んでいただきたいが、 私が注目したのは、彼が『人生の大半をテクノロジーを作ることに費やしているキップマンですが、意外にもテクノロジーよりもアートに関する会議の方が好きで、 「Burning Man」(アメリカで最大規模のアートフェス)に参加することによってたくさんのインスピレーションを得ているとも明かしています。』 という部分。
(バーニングマン・フェスティバルについては当3Dエロスで2006年のサイト開設当初から紹介しており、 3Dブームのはるか以前からフェスの膨大な映像記録を3Dで残し公開しており、当サイトからリンクもしている。)

本稿で私が指摘したいのは、私がここ10年の日本メーカーによる3D製品の開発に対して以前から苦言しているように 『エンジニア目線優先による製品開発ではなくクリエイター目線を重視せよ』ということである。
私はソフトウェアやIT全般に関しては全くの門外漢なのでそれについて言う資格は無いが、 こと3Dに関してはマニアというか3Dバカであるので、ここでは3D関連製品について限定して例示して述べたい。

まず、2010年の幻の3Dブームの当初、アクティブ・シャッターメガネ(液晶シャッターメガネ)によるフレーム・シーケンシャル方式の3Dテレビについては、 そもそも1980年代には既にあったものだし、90年代にはノン・インターレースで120Hz以上までリフレッシュレートを上げられた パソコン用CRTモニターと30ドルほどで買える汎用液晶シャッターメガネで3Dゲームを作る人も遊んでいた人も世界中にいたのだが、 それまでほとんど3Dに関係してこなかった某メーカーが、ハイビジョン化だけでは低価格化が急激に進む液晶テレビとの競争にプラズマ方式は生き残れなくなったので、 何かテレビに付加価値を付けて高く売りたいというエンジニアと経営陣目線によるものだったと思わざるを得ない。
もちろん、薄型テレビ(特に液晶テレビ)が3D対応によってパネルの応答速度の高速化や全体的な画質の向上が図られた事は良い面ではあったが、 既に3Dマニアはアクティブ・メガネとフレームシーケンシャル方式ではどうしても左右に時間的ズレが生じて空間が歪むという欠点を知っていたし、 1986年の「ディズニーランドのキャプテンEO」を既に見ているクリエイターやコンシューマーにとっては、 21世紀には「キャプテンEOを超えるもの」を欲していたのである。 あくまでも「たられば」になってしまうが、2007年頃にソニーが有沢製作所の技術で製品化しようとしていたパッシブ・メガネ(偏光メガネ)方式による3Dテレビを、 同サイズの2Dテレビ価格のプラス3万円程度で実現していれば、その後の3D対応テレビ市場も、 3Dコンテンツを作るクリエイターも今とは違っていたと思う。エンジニアは「偏光メガネ方式による解像度の劣化を防ぐこと」に知恵と技術を働かせるべきだったと思う(その後、パッシブ方式でもフルHD画質を実現する技術ができたが時既に遅しだった)。
同様のことは「3Dカメラ」にも言える。3Dを知っている者から言えば、2つのレンズで両眼視差による立体映像を作るには被写体までの距離と左右のレンズ間の距離の重要性は知っていなければならないし、 それを大衆向け製品で実現するには、物理的方法(レンズ間距離の可変や多眼レンズ化)によるか、正確なデプスマップを生成してソフトウェアで適切な左右視差を生み出す方式を生み出さなければいけなかったと思うが、 ソニーの「レンズのボケを利用した1本レンズでの3Dカメラ」やミノックス社の「縦4眼レンズカメラ」などは単にエンジニアが「俺ならこんなの出来るぜ」程度の発想によるもので、真の3Dとは掛け離れたものである。 また、最も大事なコンテンツの普及に関しても、フルHDなブルーレイ・メディアに焼くにはパナソニックやソニーによるオーサリングの囲い込みという壁があり、 高額なオーサリング費用が必要で、多くのクリエイターが3D作品を作り流通させられる環境ではなかった。 また、幻のブームに乗ろうとした怪しいメーカーや自称発明家らが酷い商品を出し、一般コンシューマーの3Dに対する悪評を増徴させる原因にもなってしまった。
そのよな問題を、海外ではそれこそ80年代からエンジニアとクリエイターの共同体で解決しようという試みが重ねられてきたし、 最近では日本でも猪子寿之氏による「チームラボ」をはじめとしたエンジニアとクリエイターとの共同体による試みもあるが、 チームラボについては逆にマスコミから過大評価されていると私には見える(彼らの作品はテクノロジー的な独自性はないしアート的にも陳腐だと思う)。
対して、ここ2年間にOculus Riftをめぐる日本のクリエイターと、 彼らの求めるものを実現させようとするエンジニアの働きは賞賛すべきだと思う。
そんなOculus Riftクラスタの人々の活動に対して「下劣だ」とか「その才能を多くの人々に役立つように使えよ」といった意見はあるが、 「高尚で多くの人々の役に立つもの」は企業が実践すればよいのであって、このようなクリエイター目線は潰すべきではなく、育てるべきものだと私は思う。
ただし、税金の投入(=新たな利権作り)などによる政策意図が入り込んではダメになると私は思うし、 現在、国やマスコミが煽っているテレビの4K、8K化を見ると、クリエイターやコンシューマー目線を無視した過ちを再び繰り返しそうに思えてならない。




■ Windows 10は3DAR・VRをサポート...(2015年2月2日)■
 ※参考となる日本語記事は IT Media PC USER 2015年1月23日配信記事を参照


私は米Microsoftによる現地時間2015年1月21日、ワシントン州からの「Windows 10」の発表会をネット配信でリアルタイムに見ていたが、 その中には3Dマニアにとっては驚くべき発表があった。
もちろん、一般的には「Windows 7/8.1のユーザーには無償」ということや、デスクトップ、ノートPC、タブレット、 ウィンドウズフォーン、XBOX、ウィンドウズサーバーまでを有機的に繋ぎ機能するOSになることも非常に有意義な改革ではあるが、 3Dマニアにとって最大の驚きは、従来はNDIVIAなどのグラフィックボードメーカーやソフトウェア会社が提供してた3DをOSレベルでサポートするに終わらず、 自ら進んで3DとARとVRを普及させるためのシステムとサービスとデバイスを市場に出すということである。
やはりOculus Riftが起こしたインパクトは大きかったと思うが、日本企業は3Dテレビの失敗のトラウマで完全にこの分野で遅れてしまっているように思える。
もちろん、キヤノンもソニーもエプソンもオリンパスも昔からHMDやAR・VRのノウハウは蓄積してきてはいるが、それを十分には活かして来なかったし、 市場性の高いOS自体を作ることはできなかったから過去のノウハウを活かせないのも仕方ないかもしれない。
特に3DAR・VRでは、現実の視界とバーチャルな映像を遅延無く正確に合成表示するには、各種センサーの能力に加えてOS自体に依存する要素が高いと思われる。 マイクロソフトによる「ホロレンズ」のデモ映像や説明を読むと、ほとんど遅延無く現実の視界にバーチャル映像が合成されている。 膨らまして想像すれば、例えば部屋の中の家具の間からリアルに現れるゾンビをやっつけたり、部屋の中に現れたAV女優のダンスやオナニーを見たりすることが可能になるらしい。 もちろんビジネスや医療・教育などでの活用においてもOculus Riftの最大のライバルになるものと思われる。
以前の記事でホログラフィームービーの実用化にはまだまだ時間が掛かると書いたし、 実際、空中投影されたフルカラー高画質な3D映像をどの角度からも裸眼で見られるような技術の完成には今後何十年も掛かるはずだが、 HMDで全視界を覆ってしまえばその中でのホログラムの実用化は簡単なのである。
ただし、没入感や質感をより高めるには、「小さなディスプレイサイズでも超高画質でなければならない」し「120fps程度のハイフレームレート」が必要であり、 特に「超小型でも超高画質なディスプレイ」はまだまだ中韓台よりも日本の技術が活かせる分野だと思うし、 日本ではもう売れないテレビの4K化や8K化よりもこの分野に力を入れて欲しいものである。
次のステップとしては、やはりフルボディースキャンされたAVモデルやアイドルをユーザー自身の部屋の中に表示させて自由に動かし、 前から後ろから上から下から、遠くから近くから自由な位置から見ることができるサービスの登場だろう。




■ Newニンテンドー3DSは良いらしい...(2015年2月2日)■
 ※参考となる日本語記事は livedoor NEWS 2015年1月18日配信記事を参照


フェイストラッキングが搭載されたNewニンテンドー3DSを私はまだ購入しておらず(テストしまくる時間が無いので)、 「3Dエロス・フォー・ニンテンドー3DS」のチェックは前モデルの3DSと3DS-LLで行っているが、 総じてNewニンテンドー3DSの評価は良く、特に海外から届くレビューは高評価である。

しかし、日本人ユーザーの多くは今も「3Dいらね」と思っている。
もちろん3D映画や3Dエロを十分楽しむには画面サイズも小さく(LLでも5インチ)、解像度も今時のスタンダードと比べたら低い。 しかし、3Dビューアーとして考えれば、実売価格が15,900円(New 3DS)からLLでも2万円しないハンディなゲーム機でフェイストラッキングも備えたことは凄いことだし、 それがマイナーなメーカーではなくて既に非常に巨大なユーザーを持っているニンテンドーが実現したことの意味は非常に大きいと思う。 たとえ世界で50%ほどしかきちんと3Dで空間認識ができる人が居ないとしても(2010年以降の状況を見ていると、特に日本人には正しく3Dに見えていない人が異常に多いような印象がある)、 民生用の偏光方式3Dモニターの製造販売を行うメーカーが無くなってしまった現在では、3Dを残すということにおいてのニンテンドー3DSの功績は非常に大きい。
願わくばYouTube上にまともな3D映像が増えてそれをNewニンテンドー3DSで楽しむ人が増えることで3D映像の作り手がさらに質の良い3D映像を増産し、 また、今後のOSアップデイトでサイドバイサイドな3DによるMP4ムービーの再生やサイドバイサイドなJPG静止画の表示、 ファイル名の自由化が行われれば、ゲーム機としてでなく立派な3Dプレーヤーとしての価値も高まるのだが...




■ ホログラフィームービーは東京オリンピックには間に合わない...(2015年2月2日)■


ホログラフィーまたはホログラムといえば、多くの人がイメージするのがスターウォーズに出てきたレイア姫のメッセージ映像ようなものだろう。 あるいはその後のSFによく登場する空中に映像が浮かび上がったモニターだろう。 これらは横から見れば横向きの映像が、後ろから見れば後ろから見た映像が、上から、あるいは下から見ればそれぞれ実際に物を見るのと同じようにその角度の映像が立体で見えるものである。
ホログラフィーの原理自体はハンガリー出身のイギリス人物理学者"Gabor Denes"が1947年に発明し、 1971年には彼はこの発明でノーベル物理学賞も受賞している。
彼のホログラフィー理論に基づき、光源にレーザーを使って撮影した静止画及び短い動画は既に40年ほど昔の1970年代にはアート作品として多くの作品が制作・販売されており、 日本でも銀座・泰明小学校の向かいにあった画廊「月光荘」には常設の展示と販売コーナーがあったほどであり、 展示コーナーの中心に置かれた円筒形のフォログラムフィルムの中で白い服の女性が立ったりしゃがんだりする姿を360度自由な位置から見られる作品は圧巻だった。
また、2012年の夏に川崎の東芝科学館で開催された『3Dイノベーション展』にはホログラム作品が多数展示され、 正面からは全く見えない袋の中身が上から覗くと見えるといった大判の実写ホログラム作品などもあった。 しかしこれらのホログラムは「フィルム」(平面であったり円筒形であったり)という「枠」に縛られたものであるが故に普及せず、普及しないが故にその後大きな進歩は無かった。

もちろん、何も無い空中に映像を結像する「真のホログラム」の研究は行われているし、昨年夏に科学未来館で実証実験が行われた 「レーザーで空気をプラズマ化して発光させる」ことで空中にドット絵や文字を表示させたが、たったそれだけでも非常に多くの電力を必要とし、 空気がプラズマ化する時のパチパチ音が凄く、綺麗なフルカラー映像や動画を表示させるにはメチャクチャ凄い力技が必要だろう。
その他にも「触れることができない宙に浮いたコインやサイコロ」のオブジェのような湾曲ミラーの原理を使ったものや、 大きなフルネルレンズを使ったものなどが試作されてはいるが、どれも野外の広いスペースで大きな立体映像を表示することはできない。

さて、2020年開催の東京オリンピックまで5年となり、にわかに「世界に先駆けて開会式やイベントでホログラムを使え」という声が出ている(チームラボ・猪子氏など)が、 彼らはホログラムをほとんど理解していないようだ。
彼らが言うホログラムは、単にハーフミラーや透過スクリーンや水蒸気のスクリーンに2D映像を映しただけのもので、 既に初音ミク・ライブやパフューム・ライブで使われているようなものらしい。 それは立体映像ではなく、横から見ると平坦なものだし、後ろから見たら正面からの映像を左右反転しただけのものであり、 ホログラフィーやホログラムを名乗る資格の無い、ナンちゃってなものばかりである。

両眼視差による立体映像の研究と実践は一説ではイタリア・ルネッサンス期のレオナルド・ダ・ヴィンチに始まると言われているし、 写真の発明以前に既に立体視を楽しむ3Dカードは貴族に普及していたし、映画が発明された時には同時平行で3D映画も試行錯誤されていたが、 平面ディスプレイや映画館の大きなスクリーンで高画質でまともな3D映像が見られるようになったのはつい最近のことであるから、 20世紀の発明であるホログラムがフルカラーかつ高画質な動画で実用化されるまでにはまだまだ相当な時間を要すると思われる。

今年中に大天才が現れて真のホログラム・システムの試作を完成させなければ、少なくとも2020年の東京オリンピックには間に合いそうにないだろう。




■ バック・トゥー・ザ・フューチャー2が描いた2015年、裸眼3Dモニター復活なるか...(2015年1月4日)■
 ※参考となる日本語記事は AV Watch 1月2日配信記事を参照


今年は1989年公開の大ヒット映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」で主人公マーティが時空を超えて向かった2015年であり、 映画の中の「未来の技術」と現実の今との比較などが様々なメディアに取り上げられている。
ま、重力を無視して空中に浮上して走るホバーボードは、1989年当時も全く論理的な原理もなかったものなので、 それがわずか35年間でいきなり安価で誰でも買えるものとして製品化されるはずも無かったが、 映画の中の2015年の街中でマーティが『ジョーズ19』の飛び出す3D看板映像に驚くシーンは、このコラムで既に2011年10月10日付け記事で紹介したように、 日本のNiCTが2011年に200インチのフルHD画質で実現してCEATEC JAPAN 2011で公開している(詳細はコチラを参照)し、 その後大阪のグランフロント大阪内の知的創造拠点「ナレッジキャピタル」(3階)に移設されて現在でも見られると思う(未確認)。
NiCTのデモ映像はアニメや自動車や恐竜などもあるのだが、このサメが飛び出すシーンは、 NiCTの技術者が映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」が想定した2015年よりも早く日本の技術で実現して見せつけてやろうという強い意気込みが結実したものだと思うし、 明らかに映画のあのシーンを意識したものだと思う。
しかし残念ながら2010年に発売された各社のフレームシーケンシャル+アクティブメガネ方式の3Dテレビがコンテンツの少なさも相まって大コケしたばかりか、 日本では3D自体に対する悪評が蔓延し、日本の大メーカーの3D開発担当部門を萎縮させ、あたかも「3Dは無かったものに」という空気が広まってしまった。
その間にもハリウッドでは3D映画製作のノウハウが急速に蓄積され、アニメも実写も非常に優れた3D映画が大量に作られ大ヒットしているし、 そんな3D映画を家庭でも気楽に楽しめるものとして後発のLGが投じた円偏光メガネ式の3Dテレビはソニーやパナソニックにも波及したが、 時すでに遅く、アンチ3Dが蔓延した市場を盛り返すことは出来なかった。

そんな3Dテレビに反比例するかのごとく、Oculus Rift に代表される 「広い視野角でパソコンやネットとの相性の良いHMD」がにわかに脚光を浴び、そもそも「お一人様」専用コンテンツが好きなヲタクたちにも浸透し始めているわけであり、 3DVRやインタラクティブ性を生かしたゲームやコンテンツを見るには最適なものではあるが、 単に3D映画や3Dエロを見るだけのためにいちいち大きなHMDを付けるというのは私のような3Dマニアでも面倒なのである。
もちろん、従来の「居間に集まって皆で見る」という呪縛に取り付かれた古い考えの大きくて高額なテレビでは若い人には受け入れられないし、 「テレビ放送」自体が今のままでは若い人だけでなく頼みの綱の中高齢者層にも見られなくなっていくのは明らかだ。

ドルビー3Dテレビのようなメガネ不要の2Dと3D共存のテレビと放送技術は既に昨年完成しているのだから、 放送業界とハード業界がヤル気になれば膨大なハリウッド製3D映画コンテンツや、 中高齢者層が望んでいるような歴史・文化・観光・科学・スポーツ・音楽などを楽しめる2D3Dコンパチ放送はできるはずなのだが、 方式をめぐる特許と利権問題に加えて、 現在の日本の各テレビ局(NHKと一部の民放を除く)には2Dですらまともなクォリティのオリジナル番組を制作する力も頭脳も無くなってしまったのが現状であり、 私を含めて多くのコンシューマーは「デカくて高いテレビなんてもう要らないからネットを見るモニターにテレビ番組も見れる機能があれば良い」と考えていると思う。
もちろん各メーカーもそれには気付いていてネットと繋がるスマートテレビと4Kを売りにしてはいるが、 ネットへの接続はマニアでなくとも何年も前から世界中で多くの人がテレビをPCに直接接続したりWiFiでネットに繋がるデバイスで行っているし、 お一人様サイズの42インチクラスまでだと4Kも2Kも違いが分からないし、もっと厳しく言えば、 ほとんどの放送局の番組はフルHDでさえまともに生かしていない手抜きな番組しか無いし、 それが4Kのスマートテレビになったからといって4Kを活かし切った、4Kでなければ見る価値の無いほどの番組になるとは思えない。

前振りが非常に長くなってしまったが、3D逆境の時代にあっても大小を問わず、地道に裸眼3Dモニターの研究開発を継続している企業もある。 全メーカーレベルでは「3Dはなかったことに」な空気が強いが、 ニンテンドーは画面が小さいながらもnew 3DS(LL)でフェーストラッキング機能による3D画質の向上を安価なゲーム機で実現し、 医療、特に内視鏡外科手術の高度化に伴って重たく邪魔なHMDではなく 裸眼で正確な立体感・距離感を把握できるモニターの必要性が高まっているし、 3Dプリンターの普及に伴いCADデータからの仕上がりを裸眼3Dモニターで見たいニーズも増えるだろうし、 住宅建築分野でも高画質で低クロストークな裸眼3Dモニターによる顧客へのプレゼンもニーズは高いと思う。

そんな中、東芝が従来の裸眼3Dモニターを大幅に性能アップし、2重に見えてしまうクロストークを大幅に少なくした15インチで4Kパネル の裸眼3Dモニターを今週6日からラスベガスで開催される「2015 International CES」 に参考出品すると発表した。
私は従来機のDynabook Qosmio T852(裸眼3Dパネルとフェーストラッキング技術は台湾のAUO製であり東芝オリジナルではなく、 ソフトもNDIVIAのステレオドライバーで動いている)を持っており、T852でも十分裸眼3Dを楽しめる画質だと感じているが、 今回発表された4Kとなった裸眼3Dパネルがどれくらい改良されたものなのか非常に興味がある。
しかしながら、今のところ東芝はこれを民生機として販売することはせず、医療関係や企業のデザイン部門などへのBtoBで販売するつもりらしい。

バック・トゥー・ザ・フューチャー Part2が描いた2015年は、 映画とは違ってOculus Rift を中心としたHMDが3Dを席巻し、 ライブ会場で360度全周囲を見渡せる「そこに居るかのような」ネット配信が正式に始まるだろうが、 それをちょっと傍観者的にノンビリ気軽に裸眼で360度自由に視点を移動させながら見たい (コントロールはマウスでもリーフのような手先の動きを読み取るモーション・コントローラーでも良い)というニーズはかなりあると思う。 そのためにも、東芝のような高画質でクロストークが劇的に少ない裸眼3Dモニターが民生版も普及して欲しいと願っている。 ただし、過去のT851・T852のような全く使わない邪魔なアプリてんこ盛りで遅くて重くなってしまうのでは全く意味が無いし、 下手糞な東芝オリジナル3Dアプリなどは載せずに、ユーザー有志が自由に3D鑑賞ソフトを制作・提供できるような開発環境にし、 できる限り安価な価格で販売して欲しいものである。




■ 昨年2014年の3Dは "Oculus Rift" 中心のVR・HMD躍進の1年だったが...(2015年1月4日)■



Oculus Rift やそれを追う他社の類似品(ソニー・モーフィアス、サムスンのGear VR、ちょっと方向性は違うがエプソンの新型モベリオやさらにはダンボール紙製のハコスコ等等)並びにVR技術の進歩を除くと、 このコラムで取り上げるべき3D業界の革新的な新技術や新サービスの動きはほぼ無かった2014年であった。
Oculus Rift や他のHMDの昨年1年間の動きについては「もぐらゲームズ」が記事としてうまくまとめているのでコチラを参照されたい)
本コラムの昨年の記事を見ても14本中11本がOculus Rift とその他のHMD関連だった。
逆に言えばそれだけOculus Rift のインパクトが巨大だったとも言える。
HMDという特殊なスタイルのため、街中やカフェで見かけるものではないので気付きにくいが、 Oculus Rift はまだ「Developer's Kit(開発者キット)」の段階であるにもかかわらず、 私の印象では既にソニーが2011年から発売している従来型の狭視界のHMD「HMZ Tシリーズ」3機種全体の総売上台数よりも多いのではないだろうかと思えるくらいに 大学や企業の開発部門に導入されている気がする。
もちろんその躍進の最も大きな原因は、Oculus VR社の創設者である当時19歳のパーマー・ラッキー君の 「.織屮譽奪箸安くて高解像度になってきたからそれを使えばソニーの1/3以下のコストでHMDを作れる」 「眼球から超近い位置にモニターを置いてそれを接眼レンズで見ると映像が極端に歪んじゃうけど、だったら映像自体をレンズの歪みに合わせて歪ませちゃえばいいじゃん」 という発想であると思う。
,離▲ぅ妊△魯薀奪ー君以前にも多くの3Dマニアが気付いて製品まで仕上げていたが、 △痢崟楷礇譽鵐困帽腓錣擦同覗自体を歪ませて表示させる」アイデアは、HMDにおいては私が知る限りそれまでは無かった(映画では50年以上も昔から存在する技術ではあるが)。
自作派3Dマニアや大メーカーの開発者数名に聞いた範囲ではあるが「Oculus Riftの映像自体を歪ませるという発想にはヤラレた」と皆答えていた。
さらには「製品を作るお金が無いからキック・スターターで出資を募ろう」「い海譴鬚匹使うか、そのためのソフトは、使いたい人が使いたいものを彼らが作れるようにした方がいいからプログラム開発環境をオープンにしよう」 としたところだと思う。
それによって世界中のマニアやクリエイターや企業内開発者達が様々な使い方やそのためのソフトウェアやコンテンツを爆発的な勢いで作り出し、 その広がりがフェイスブック社の目に留まり、パーマー君のOculus VR 社創設からわずか2年弱で2000億円以上にのぼる巨額買収が実現したのだと思う。
これは大メーカーではなかなか出来ないことである。 過去の大メーカーの製品ではハード自体はとても良いのに使用目的が限定的でソフトがダメダメなものが非常に多かったし、 そもそもメーカー側が最終ユーザーの使い方を限定してしまうこと自体が時代遅れであることに気付いている企業は今も少ない。
ようやくオリンパスはレンズマウントのような形体のフォーサーズレンズ用「オープンプラットフォームカメラ」の製品化に向けて国内外からテスターを募集し、 自由な使い方の提案からソフトの開発までをユーザーに委ねるという試みを始めたが、まだまだ小規模・限定的な試みであり知る人は少ない。
このオリンパスのプラットフォームカメラなどはOculus Rift のようなHMD用の超高画質なヘッドマウントカメラとしての利用を考えれば、 よりリアル感の高い3D映像を制作したりVRに使うことができそうに思うし、ステレオベースを自由にスライドして変化可能な超高画質なステレオカメラを作ることもできそうに思う(左右の完全シンクロ機能が必須だが)。

横道に逸れたが、このようなOculus Rift を中心としたVR・HMDの著しい進化と一般の人々への認知の広がりに対しては、 3Dマニアとして非常に嬉しく思っているが、2015年の始めに当たりひとつ苦言を述べたい。
それは、Oculus Rift があまりにインパクトが大きかったため、 いきなりHMD用の映像コンテンツを制作する人や入力デバイスとしてのヘッドマウントカメラを作る人が増えたが、 彼らの殆どは「3Dの基本を知らない」という大きな問題を抱えている。
具体的には「〔詰もしくは狂った視差設定・空間設定」「∈険Δ留覗のズレ(縦・横・傾き・時間軸)」である。
3Dの先人達が、写真が発明される以前から200年以上にわたって蓄積してきた「3Dの基本」を理解せずに間違ったコンテンツやカメラデバイスを作ってしまうことは、 VR・HMDの今後の可能性を自らダメにしてしまう危険性があることを自覚してもらいたいと強く願っている。

また、ハードウェア的には、HMDによるリアリティーを高めるには経験上「より高い解像度」と「より速いフレームレート」が極めて重要である。 現在各社の片目当たりの解像度は最高のものでもフルHDの半分しかなくドットが見えてしまっている。 これでは本当の意味での没入感・その場にいる錯覚までには至らない。少なくとも片目当たり2K(両目で4K)、できれば両目で8Kの解像度というか、 ドットが見えないような工夫が欲しい。
フレームレートも非常に重要であり、体感的には1秒240コマぐらいまでフレームレートが高くなれば激しく頭を動かしても酔うことは少なくなるし リアリティーも非常に高くなる。
ま、7インチ程度の小さなモニターで8K画質を作ったり、それを240fpsで動かすには現在のPCの能力自体をかなり高めないと無理だと思うが、 まずは4K+90fpsで使えるようなものにして製品版を出して欲しいと強く願っている。




(コラム中、意見の部分はあくまでもWebmaster 藤山土門の個人的見解です)  

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