3D関連最新情報

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■ New ニンテンドー3DでようやくYouTube 3Dを裸眼3Dで見られるようになった(2014年10月14日)■

残念ながら私はまだ手に入れていないが、予約していた人たちには約束どおり10月10日から「New ニンテンドー3DS(及びLL)」が届きはじめ、 バージョンアップされた新しいブラウザでYouTube上の3D動画を裸眼立体視できるようになったことが地味に話題になっている。
例えば「ゲハ民族の為のNew 3DSでみるYoutube 3D動画集」(http://uch.viewerd.com/ghard/1413097163/)
かつては当3Dエロスも、2008年頃にドイツのAdult4D.com(現在は閉鎖)と共に性器や乳首が見えないようなカットに編集したものをアップしたことがあるが、 Adult4Dは削除されず、当3Dエロスは頭の固い日本人らしき者の削除要請で消されてしまった経緯がある。
さて、3D好きにとっては、2010年からの裸眼3Dスマートホンが既にYouTube3Dに対応していて裸眼3Dで見られたことは知っているが、 4インチに満たない当時のスマホのモニター画面サイズではやはり小さく、眼が疲れるものであった。
とはいえ、裸眼3Dで見られる数少ないデバイスなので、当3Dエロスは現在もなお裸眼3Dスマホで見られるハーフ・サイドバイサイドのmp4ファイルを配信している。
今までも3Dマニアな人々は、3Dスマホやフジフィルムの3Dデジカメ、あるいはより高画質な3Dカメラで撮影・編集したものをYouTubeにたくさんアップしているが、 中華系のバカが粗悪な2D3D変換したインチキな3D動画を大量にアップしたために「yt3d」の検索タグには酷いものばかり引っかかってしまう時期があったが、 現在は淘汰されているようだ。
また、既に削除されたようだが、中国で国民的アイドルになった日本のAV女優・蒼井そらも出演している中華製3Dエロ映画「セックス・アンド・ゼン」がハーフ・サイドバイサイドで全編がアップされていたこともあり、 今後もそのようなゲリラ的アップが行われるかもしれない。
さて、3Dテレビが話題となった2010年以前から、YouTubeは「中の人」であるYouTubePeteさん(Peter Bradshaw氏)が業務の空き時間を使って様々な3D機器に対応するように、 アナグリフ、横インターレース(偏光3Dモニター向け)、縦インターレース(Rock Vision 3D等の裸眼3Dモニター向け)、フルアスペクト比率の裸眼交差法や平行法などの3D表示モードを組み込んできたが、 現在は単にハーフ・サイドバイサイド表示のみになってしまっている。
これは、2010年以降、様々な3D表示方式が登場したが結局インターネット上では横並びのハーフ・サイドバイサイドが実質的なデファクト・スタンダードになってしまったからだろう。 (ハーフ・サイドバイサイドはほとんどの3Dテレビや3Dモニターでハード側の3Dボタンで立体視ができるからである)
しかし、少し前のYouTubeは3Dでアップされたものを2Dで見たい人のための「2Dモード」もあったが現在のYouTubeには3Dモードのオプション自体がなくなってしまったので2Dで見ることはできないし、 アップする側からもわざわざ2D版と3D版の2つをアップする面倒さから苦情が出ている。 今後再びYouTubeに3Dモードの選択オプションが復活するかどうかは分からないが、New ニンテンドー3DSがハーフ・サイドバイサイドなYouTube映像を簡単に裸眼立体視できるようになったことは、 ハリウッドの3D映画だけでなく、今後Oculus RiftなどのHMD向けのコンテンツのPR手段としても有効だと思う。

さて、本家3Dエロス・コムでは現在の「単品購入」でのニンテンドー3DS版作品を、定期メンバー向けの「3Dエロス・ウィークリー」でマルチ配信するように準備中であるが、 実際問題として再編集にかなり手間が掛かる(特に1ファイルを9分59秒に収めなければならないことから、自動で9分59秒で途中でぶった切ることは私としてはやりたくないので、結局頭から再編集している)のでなかなか実行できていないが、 再編集が出来上がったものから徐々にアップしていく予定である。

【補足情報】(2014.10.14)
本日「IT Life Hack」に情報が出ましたのでリンクします >>> 新たなる3D立体視普及の糸口となるか? Newニンテンドー3DSの3D動画再生機能【デジ通】
これによると「3D方式」で元画像が「サイドバイサイド(SBS)」「トップアンドボトム(あるいはオーバー・アンダー)」「アナグリフ」に対応し、それぞれ左右を入れ替えられるようです。





■ Oculus Rift で3Dエロスなどの既存3Dコンテンツを見る方法(2014年10月1日)■

2010年の幻の3Dブームの反動が大き過ぎたため、当時参入したメーカーも、それ以前から地道に3D製品を製造販売していた企業も、 次々とコンシューマー市場から撤退してしまったため、 2014年現在、手軽に3Dコンテンツを楽しめる偏光方式の3D対応モニターが無くなってしまったことはマニアには非常に痛い状況である。
そのためオークションなどでは、例えば新品最安値が1万円台だった三菱のDiamondcrysta RDT233WX-3Dなどが中古無保証で4万円ほどになっているし、 それも滅多に出てこなくなってしまった。
もちろん現在もnDIVIA 3D VISION対応のPCモニターと液晶シャッターメガネはまだ買えるが、パチパチメガネで2時間の3D映画やアダルトを見るのは疲れる。
3Dブームの周期が10年だとしたら、2020年の東京オリンピックの頃に来るかもしれない次のブームで再び3D視聴デバイス(おそらく3D品質を向上させてかつ普及価格になった4K解像度の裸眼3D対応モニターやスマートテレビ) がコンシューマー市場に登場するまでの間は、いつでも買えるものはOculus RiftなどのHMDとニンテンドーNew 3DS(LL)しか無い状況が続くことになる。
もちろん既に3Dテレビや3Dモニターを持っている人は壊れるまでそれらを使うかもしれないが、「寝転がった体勢で見たい」人や、 面白そうだからこれから初めての3D視聴デバイスとしてOculus Riftを選ぶという人もいるだろう。
そこで問題なのは、折角HMDを買ったけどゲームや2Dベースのキャラには飽きたとか、やはり生身の女性のハダカやエッチな姿を見たいという人が多いだろうと思われるが、 そんな既存の3D実写コンテンツやハリウッド映画をOculus Rift で見られる再生ソフトは非常に限られている。
もちろん今後は、有志によってOculus Rift対応の再生ソフトが色々と生まれてくるとは思うが、 汎用性の高いプレーヤーソフトとしてはドイツの3dtv.atが昔からリリースしている定番の3D再生ソフト"Stereoscopic Player"を超えるものは無い。
Stereoscopic Playerは前のバージョンでもOculus Rift DK1登場後いち早く「再生デバイス」にOculus Riftを加えてはいたが、 解像度が高くなったDK2には対応していなかった。が、2014年9月21日にリリースされたバージョン2.3.1で最新のOculus Rift SDK version 0.4.2.に対応し、 既存のサイドバイサイド映像や3Dブルーレイや立体写真をOculus Rift DK2で見ることができるようになった。

そもそも最初のStereoscopic Playerがリリースされたのは今回の3Dブームが起こるはるか前というか前回の小ブームの後の2003年のことである。
当時、世界中のゲーマーの中でもとりわけ3D好きな人々は、滅び去り行くCRTモニターと当時の液晶シャッターメガネで3Dゲームを楽しんでいたし、 日本でもI.O.DATAから優秀な液晶シャッターメガネ「Play 3D PC」が発売されていた。 そして数は少ないがアダルトを含めてパソコンで3Dムービーや立体写真を観られるサイドバイサイド形式やオーバー・アンド・アンダー(上下配置)形式のCDコンテンツも発売されていたので、 それらを見る再生ソフトもいくつか存在してはいたが、Stereoscopic Playerのソフト開発者は他社の開発者よりも1段も2段も上を行く3Dマニアらしく、 3D再生ソフトとして欲しい機能をどんどん追加し、新しい3Dデバイスやメディアにもいち早く対応してバージョンアップを重ねてきたものである。

右の一覧が、現在のStereoscopic Player バージョン2.3.1が対応している出力ステレオ形式とデバイスの一覧であり、 現在入手可能なほぼ全ての3D表示デバイスのステレオ形式をカバーしている。

もちろんこれらはあくまでも「既存のステレオ3Dコンテンツを見るため」のもので、Oculus Riftも従来の3Dモニターなどに代わるものとして見られるようにするものであり、 バーチャルリアリティーとして360度自由に視点を動かして上から下から前から後ろから自由視点で見たり、頭の動きに追従して視点を変えられるものではないが、 おそらくOculus Rift製品版やソニー・モーフィアス製品版が発売されたら、Stereoscopic Playerの作者はその機能を付け加えるか、 あるいは別のVR専用視聴ソフトを開発するだろうと思われる。

さて、3Dマニアな人ならご存知と思うが、このStereoscopic Playerは2007年に発売された初めて10万円を切った「Zalman 3D モニター」にも同梱されていた。 また、2009年に発売されたPCモニター用の後付け3D液晶シャッターメガネキット「NDIVIA 3D VISION」に同梱され、 現在もNDIVIA製のグラフィックカード搭載のデスクトップPCやノートPCユーザーなら無料でダウンロードして使うことができる 「NDIVIA Movie Player」はStereoscopic PlayerのNDIVIA向けOEM版である。
また、Stereoscopic Playerの日本語化に当たっては、 日本が世界に誇る立体写真制作フリーソフト「ステレオフォトメーカー」で有名なむっちゃん氏が協力しており、日本語ランゲージパックで日本語で使用できる。

そんなStereoscopic Playerは、あまりに多くの機能を重ねてきたため、逆に初心者にはサブメニューでの設定項目が多くて戸惑ってしまうことも多いが、 基本的には「入力ステレオ形式」「アスペクト比率」「出力ステレオ形式」「出力デバイス」の4つを設定すればOKなので、 慣れてしまえば他の3D再生プレーヤーよりも使いやすく、柔軟性が高く、高画質でもあることを実感できると思う。
そして、無料版でも再生時間5分間制限(5分ごとに区切って続きを再生すれば丸々1本を再生できる)やブルーレイ再生は有料版でといった制約はあるものの、ネット上の多くのサイドバイサイド映像、 もちろん当3Dエロスの3D映像をOculus Rift DK1やDK2で観ることができるのである。
その具体的な使用方法は、当3Dエロスの「鑑賞方法」のページで説明しているので、Oculus Riftを購入した人はそれを参考にして、 まずはStereoscopic Playerの無料版で3Dエロスの世界に入り込んで日本人モデルのエッチな姿をそのすぐ傍で覗き観る感覚を味わっていただきたい。

"Stereoscopic Player" 無料版の入手先: http://www.3dtv.at/Index_en.aspx





■ Oculus Rift やソニー・モーフィアスは市民権を得られるか?(2014年10月1日)■
 ※参考となる日本語記事は 日経テクノロジー・オンラインを参照

東京ゲームショー2014でOculus Riftやモーフィアスが注目されたことで、日本でもバーチャルリアリティ(VR)なHMDが、 3Dを含めた単なる「映像表示装置」としてだけでなく、過去のVRブームとは別次元の大きな可能性のある映像表示デバイスとして各分野で取り上げられている。 その様相は、まだ実際に体験できるものがOculus とモーフィアスしかなく (サムスンのGear VRや他社のスマホを使った簡易なものは位置センサーの精度等の問題から新しいVR時代を牽引するには力不足でマイナス・イメージしか与えないのではと感じているのでここでは除外する)、 それすら未だ正式に市場に出る時期が表明されていないにも関わらず、かつての2010年3Dブームの時に日本と韓国の大手メーカーが総力戦で仕掛けた時に比べても、 その取り上げられ方や持ち上げられ方は少し異常とも思われるほどに思える。

もちろん2010年からわずか2年間ほどの虚構の3Dテレビブームの時には「.▲ティブシャッターメガネ方式の古臭さ・面倒臭さ」 (その後に偏光方式の良さが理解されるが3D自体のマイナスイメージが大きくなりすぎて挽回には至らず終息)、 「▲魯螢Ε奪桧奮阿裡械張灰鵐謄鵐沈作者(アマチュアの人々)へのハードとソフト面でのフォローアップが無さすぎたこと」 (3Dカメラ自体は実売価格の割にはかなり良かったが、アマチュアが気軽に使い始められる安くてまともな3D編集ソフトが無かった)、 「それなのに価格がバカ高いこと」といった4年前の状況とは全く違う。
もちろんHMDというデバイス自体は過去にもあったわけだが上記,両豺腓箸鰐世蕕に違う「目からウロコなアイデア」が活かされているし、 △鉢については真逆の方向で進んでいる(もちろんVRコンテンツ制作ソフトや編集ソフトはまだまだ敷居が高いが)。

また、3Dテレビの重くてウザいアクティブシャッターメガネに対してあれだけ批判的だった「一般人」も、現在のところバカでかいOculus Rift や モーフィアス・ゴーグルに対しては不思議と批判的な意見は少なく、逆にあの大きさがいかにも「バーチャル世界に入るためのギア」っぽさがウケているし、 20世紀の「リビングで家族そろって見るテレビ」から21世紀第2ディケイドである現在の 「映像やゲームはお一人様で楽しむもので人との繋がりが欲しければネットに接続すれば良いだけ」という意識の変化も大きい。
しかし、本当にHMDはこれからの映像表示デバイスの大きな割合を占める存在になるのだろうか?という懸念も私は抱いている。
やはり「それを装着する大変さ」だ。
それはOculus VR社に代表される現在のHMD陣営は分かっているから、「装着する煩わしさを差し引いても使いたくなるコンテンツと使い方の提案」を最重要視し、 そのための開発キットとしてのリリースであり、ソフト会社との提携であり、フェイスブックのようなSNSとの連携である。
既にその試みはOculus Rift DK1のリリースからわずかの間に形になってきたし、これから加速度的にさらに増えていくと思う。 その点においてはソニー・モーフィアスは大きな遅れてしまっているが、プレステというプラットフォームとソニーの映像コンテンツを活かせば一般人にはある程度食い込めると思うし、 さらにライブ・コンサートやライブ・イベントなどの運営と配信のノウハウを活かすことでVRなHMDの利用価値を高めることと普及と他分野への波及を促進させることも可能だろうし、 それを私は期待している。それなくしてVR・HMDが市民権を得ることは無いだろう。

さて、余談ではあるが、HMDはその装着の面倒臭さに加えて装着中は身の回りの外部環境と遮断されてしまうことのマイナス面も大きい。 かつてのウォークマンなどにはボタンを押すことで外部の環境音が聞こえる機能があったが、 HMDも将来は内蔵させたステレオカメラを実写合成VRコンテンツ以外の使用時でも任意に外部をチョイ見できる機能が必要だと思うから、 Oculus もモーフィアスも、製品版では是非とも純正でステレオカメラを組み込むか安価なオプションでアドオンできるようにして欲しいものである。






■ New ニンテンドー3DSのために配信します!(2014年9月25日)■
 ※参考となる日本語記事は 電撃オンラインを参照

東京ゲームショー2014ではOculus Riftに代表されるバーチャルリアリティなHMDが、ゲームの新しい楽しみ方のみならず、 様々な分野への活用の可能性を示しましたが、「価格」「手軽さ」の点では、やはり3Dデバイスとして世界最大数の普及実績を誇るニンテンドー3DSを外すことはできない。
そして既報のとおり、10月には「裸眼3D視を改善」したニュー3DS(及びLL)が発売される。
筆者はまだ現物を見ていないので、3Dマニアとして今まで30年以上も数多くの3D表示デバイスを見てきた眼からの評価は、 10月に実際にニュー3DS・LLを入手してからになりますが、ゲーム関係者のリポートを読むと、かなり良くなっているようで期待が膨らむ。

旧3DSも、我々3Dマニアからすれば、「あの価格で裸眼3Dを実現し」「世界で4000万台以上売れた」ということは大きな喜びであるが、 その裸眼3D表示の実力は同時期の裸眼3Dスマホと同程度で、マニア以外は実際には3Dボリュームを切って見ている人が多く、 折角の裸眼3Dなのに勿体無いな、と感じていた。
それが「フェーストラッキング」技術によって顔の位置を追尾して常に最適な3D表示をする、それも、 リポートによればゲームのような動きの激しい使用時でも十分に違和感無く顔の動きに追従するというのは凄い進化だと思う。

実は私は2年前から、東芝などに裸眼3Dパネルを供給している台湾AUO社の裸眼3D用フェイストラッキング技術の基幹特許を持っている企業と秘密裏に単体の裸眼3Dモニターとしての製品化を協議してきたが、 タイムラグを殆ど感じさせないフェイストラッキングを行うには結構高性能なCPUが必要で、 PCにUSB接続してそのCPU能力を借りるか専用チップを載せる(OSはLinuxでも可能だが)必要があり、コスト的に15インチで10万円ぐらいになってしまうため、 現在の日本では売れないので製品化を断念した経緯がある。
そのことを思うと、16,000円(LLは18,800円)でフェイストラッキング機能を実現したニュー3DSは本当に凄い。

ただし、「ゲーム機としてではなく裸眼3Dモニターとして3Dコンテンツを簡単に楽しむ」ための障害であるニンテンドー独自の3D-AVIフォーマット、 厳しいファイル名制限、1ファイル10分間制限、静止画アルバムの枚数制限はそのままだと思われる。 この点がスマホ並みにサイドバイサイドやMP4にも対応し、自由なファイル名で扱えるようになれば最高だと思う3Dマニアは多いはずだが、 絶対数が少ないので大きな声にはならないのが残念である。

ともあれ、当3Dエロス本家では、現在試験的に1作品だけニンテンドー3DS用ファイルの単品ダウンロードによる配信を行っているが、 実際にダウンロード購入されたお客様からのご希望もあり、変換が終わった作品からメンバー向けマルチ・フォーマット配信に加えていこうと考えている。
ニュー3DSの購入をご検討されている方々は、是非とも画面が大きなLLをお買いになって、3Dエロスをご覧いただきたいと願っている。





■ 日本ゲーム大賞 2014 / Oculus Riftも受賞...今後の課題(2014年9月21日)■
 ※参考となる日本語記事は 日本ゲーム大賞のプレスリリース、他を参照

今年の東京ゲームショーではOculus Riftに代表されるバーチャルリアリティ(VR)対応のヘッドマウントディスプレイ(HMD)が話題の中心であった。
一般客が入れないプレスデイでのテレビ各局によるVR・HMDの取材とその夕刻からのニュース番組での放送の結果、一目見たいという人が異常に増えてしまい、 一般公開初日から順番待ちが凄く、最終日の日曜日ははOculus Riftもソニーのモーフィアスも午前中でほぼ整理券が1日のキャパを超えてしまい、 サムスンは運営が酷過ぎて整理券すら発行せずに運がよい人しかデモに立ち会えず、せっかく幕張メッセまで行ったのに体験できない人が続出という状況となった。

そして本日(9月21日)、日本ゲーム大賞 2014 のフューチャー部門12作品が発表され、ハードウェアとしては異例の選定の理由コメント付きでOculus Riftが受賞した。(プレスリリースを参照

また、同日、統合開発環境を内蔵し複数のプラットホームに対応するゲームエンジンとしてプロからアマチュアまで多くのゲーム・クリエイターに使われているUnityがOculus VRと戦略的提携し、 無料版UnityでもOculus Riftが使えるようにすることが発表された。(ファミ通.comを参照

当3DエロスがOculus Riftを紹介したのは昨年の5月21日付け本コラム(当時は開発者キットDK1)。 以降、Oculusをめぐる情報やビジネスの可能性、さらには対応したエロサイトなどの情報を伝えてきたが、 あれからわずかの期間にフェイスブックによる2000億円にのぼる買収劇も経て、 3Dやバーチャルリアリティに疎い日本でもこれだけ話題になるまでに大きくなったことは非常に感慨深いし大いに喜びたい。

今後、日本を含めた世界中の大企業からベンチャー、アマチュアまでを含めて、さらなるVRの技術やハードやソフトの開発が進み、ゲームばかりでなく、 あらゆるライブ、シミュレーション、医療や教育での利用・活用が広がっていく可能性が大きい。

しかしその反面、HMDを含めた3Dやバーチャルリアリティが過去に幾度と無く登場し話題となっては消えていったことを知っている我々3Dマニアは、 現在のVR・HMDをめぐる熱気がまだまだ危うい一過性のブームに過ぎないのではないかという危惧も抱いている。

もちろん現在のVR・HMDは、ここ数年の液晶技術の飛躍的な高画質化と低価格化、CPU・GPU・トラッキングセンサーの高速化、並びに、 囲い込みではなくオープンなソフトウェア開発環境による幅広い人々によるソフトの開発よって過去のVR・HMDとは別次元のものに進化しているし、 今後さらに高画質化・ハイフレームレート化(1秒間に表示するコマ数の増加)と激しい頭の動きにもタイムラグを感じさせずに追従するトラッキング技術の向上、 面白いソフトの制作が進むものと思われるが、 VR・HMDが本当に根付くためには乗り越えなければならない大きなキャズム(新技術を初期市場からメインストリーム市場への浸透を妨げる深い溝)がある。

それは『装着の面倒臭さ』『装着した状態のカッコ悪さ』である。

広視野を確保したHMDは、昔は宇宙服のヘルメットよりも大きく重いものであったのがここまで小さく軽くなったとはいえ、 後期3Dテレビの軽い偏光メガネでさえ面倒と感じている多くの人々にとっては、さらに大きく不恰好なこのようなHMDを装着するのはハードルが高いし、 複数の人間が例えば家庭や教室で同時にこれを装着している姿を想像して「カッコ悪い」「異常な光景だ」と感じる人は多いだろう。

そんなデメリットを乗り越えても「見たい」というインセンティブを喚起させる魅力的なコンテンツの拡散や利用方法の提案を、 現在の熱が醒めない間に早急に行うことが必要不可欠であろう。
それなくしては、2010年からの3Dテレビの二の舞になってしまう恐れが大きいと思う。

また、例えばディズニーランドや博覧会などでの偏光3Dメガネは単価が7セントと安く使い捨てが可能だが、HMDの場合はそうはいかないので、 アミューズメント施設等で不特定多数の人が使う場合は衛生面からも、 主要メカ部分以外の直接肌に触れる部分(ヘッドバンドを含む)は簡単に取り外して廃棄(もしくは消毒)し、 迅速に入れ替えできるような仕組みとデザインでなくてはならないだろう。 (顔に触れる部分のみなら既に不織布で取替え可能なシールを作って使っている人も居る)

さてここで、もうひとつ私見を述べたいと思う。
今回の東京ゲームショーについては、テレビ局の中には、火付け役であるOculus Riftを全く取り上げず、日本のソニー・モーフィアスと韓国サムスンのGear VRだけを放送し、 あたかもVR・HMD分野は日本と韓国が先行しているかのような誤った印象を与えるものもあったことは問題だと思う(テレビ朝日)。
また、Oculus Riftを取り上げた他のテレビ局の場合も、ハードウェアとしてのその広視野・没入感・VR性のみを報道し、 それが19歳の大学生(当時)が開発したものであり、オープンなSDKとクラウドファンディングを活用した資金調達と広報戦略によって2年弱という極めて短期間に世界的な企業に育てたことを全く報道しなかったことも問題である。
十代の若者でも、資本金が無くても、国の壁を越えてわずか2年弱で2000億円を超える価値の企業と今後何百兆円にも広がる可能性のある世界的なマーケットと、 教育や医療を含めて世界中の人々に役立つモノを作り出せるんだということも報道するべきだろう、それが報道の使命だと、私は思うのである。





■ フェイストラッキング機能で裸眼3Dを見やすくした「New ニンテンドー3DS・3DSLL」 (2014年9月1日)■
 ※参考となる日本語記事は ニンテンドーのホームページ、他を参照

このところの3Dと言えば、Oculus Rift DK2に代表されるHMDによる没入型3DとアマゾンFire Phoneに代表されるナンチャッテ3Dばかりで、 面倒な手順要らずに実際に飛び出して見える偏光インタリーブ式PCモニターは製造販売が無くなり、視差バリア方式の裸眼3Dスマホもなくなり、 従来からの3Dマニアには寂しい状況の中、世界で最も普及している裸眼3Dモニターでもあるニンテンドー3DS並びに3DSLLが基本性能をアップさせ、 さらに、今まで日本では高額な裸眼3D機能を搭載した東芝製ノートPCぐらいにしか無かった「フェイストラッキング機能」により、 見てる人の頭が動いても常に最適な裸眼3D表示を行う機能を搭載したニューモデルが2014年10月に発売される。
モンハンなり顔シューティングなり、3Dゲームのプレイ中は手元も動いてしまうし無意識に頭も動いてしまうから、 このフェイストラッキング機能は極めて重要だが、顔(眼)の位置をリアルタイムに追尾し、 それに合わせて表示画素を1ピクセル単位で瞬時に変化させていくには高速なCPUが必要であるし、 フェイストラッキング自体のソフトも高速かつ正確さが要求され、 東芝裸眼3DノートPCに搭載されていた同機能などはそれだけで高度なCPU能力と多くの特許技術(台湾のAUO社のものだが)を要したわけだが、 ニンテンドーがそれを小さく安価なゲーム機で実現していることは結構凄いことだと思う。
また、New ニンテンドー3DSでは、3Dには不利な小さかった画面を1.25倍に大きくしたと言う。 もちろん、それでも3Dマニアには小さいし、LLでも小さい。
私の感覚では、裸眼3Dモニターは最低でも7インチは欲しい。 7インチあると、寿司とかスィーツとか女性器やフェラされている男性器を周囲のスペースを含めてほぼ原寸大で表示できるので、ゲームでも3Dエロでも、 そのような「原寸大」シーンをパート・パートに入れることで脳が錯覚し、作品全体を通じてのリアル感が半端なく強まるからである。
できれば10〜12インチ程度のタブレットPCでそれを実現した製品が登場して欲しいとずっと願っている。
2011年頃の展示会では台湾AUOは、後に東芝裸眼3DノートPCに搭載されることとなったフェイストラッキング機能内蔵の15インチのデモ機に加えてiPadを意識した10インチも展示していたし、 今回のNewニンテンドー3DSがあの小さな躯体と限られた能力のCPUでフェイストラッキングによる裸眼3Dを実現したのだから、 是非ともどこかがAndoroidで動き、解像度がフルHDな10〜12インチの裸眼3Dタブレットを発売して欲しいと願っている。

ともあれ、日本では3Dが忘れ去られようとしている現在、クリエイターが育たずにアメリカとは3D映画の技術的・質的差がどんどん開いて遅れてしまっている中、 これからの3Dクリエイターを育てる環境づくりのためにも、馬鹿だとか無駄だとか言われ続けてもニンテンドーには継続的に頑張ってもらいたいと強く願っているし応援もしたい。 そのため、3Dエロスは旧作に加えて今後の新作もニンテンドー3DS版をリリースしていこうと思っている。





■ アマゾン「Fire Phone」はナンチャッテ3Dだった (2014年6月19日)■
 ※参考となる日本語記事は Gigazine」の記事を参照

日本時間の2014年6月19日(米国シアトルの現地時間で6月18日)、アマゾンが前々から噂の新らしいスマートフォンを発表した。その名は『Fire Phone』。

3Dマニアには噂段階から興味が尽きないその裸眼3D機能についてアマゾンは『ダイナミック・パースペクティブ』と称した方式を採用した。

これは2007年暮れに、当時カーネギーメロン大学の学生だった中国系米国人・Johhny Chung Lee氏 (卒業後彼はマイクロソフト社でKinectの開発に携わった後、2011年に退社してGoogle社に入った)がニンテンドーWiiのカメラとリモコンを使ってヘッドトラッキングを行い、 その位置に応じた角度の映像を表示させる方法そのものである。(当時YouTubeに彼が投稿した映像はコチラ

同じようなものは、顔認識とトラッキングは無いにせよ傾きセンサーを使ったiPhoneやiPad用アプリがあった。

アマゾン「Fire Phone」は複数のカメラと新しいアルゴリズムによる顔認識とヘッドトラッキングによって、従来の方式よりも精度が高く効果の大きな「立体っぽさ」を実現しているという。

この方式の利点としては、
  1. 3Dメガネなどは不要で立体っぽく見える。
  2. 2視差や多視差のステレオ3Dとは違ってどの角度からも破綻せず綺麗な映像で見える。
  3. 片目が不自由な人でも問題なく立体っぽく見える。
  4. 同様に従来の2視差や多視差のステレオ3Dを上手く見られない人、不快感を感じる人にも無理なく立体っぽさを感じてもらえる。
  5. 2視差や多視差よりも表示するコンテンツを軽く、かつ、自動生成することもできる。
しかしそれはあくまでも2Dであり、多くの3Dマニアから見れば、2007年当時からそれは「ナンチャッテ3D」なのである。
GIFアニメーションによる「プルプル3D」よりも実際の空間再現性は低いのである。
リアルなステレオ3Dによる立体視によって人は2Dから得られる情報量の4〜5倍程の情報を得られ、 被写体の「質感」や「空気感」「しずる感」を感じ取ることができるが、 今回のアマゾンの「ダイナミック・パースペクティブ」はあくまでも2Dの絵の角度を変えて表示しているだけなので、 そこから得られる情報量は2Dのそれと同じである。連続的に角度を変えて見た時に初めてその角度から得られる映像情報部分が付加されるだけである。

とはいえ、私はこの「ダイナミック・パースペクティブ」方式のスマホをダメだとは評価しない。
あくまでもスマホなのだから小さな画面にリアルなステレオ3Dを求めても費用対効果や利便性を考えるとマイナスな要素の方が大きいし、 ナンチャッテ3Dであっても、アマゾンの商品やコンテンツをより詳しく分かりやすく見られれば、それはそれで十分な価値があると言えるし、 これによって3Dに興味を抱き、よりリアルなステレオ3Dの世界に踏み込む人が増えればそれで良いと思う。

【補足】
今回のアマゾン「Fire Phone」は、あくまでもこのスマホを、 扱い商品1億点を超えるアマゾンのショーケースにすることと、 実世界(街で見かけたり耳にした「アレ、いいな」)のモノをFirefly機能によって即座に認識してアマゾンのショーケースに繋げることが最大の開発テーマなわけで、 それ自体は他社のスマホでもできないことはないので、その点では「ダイナミック・パースペクティブ」は他社との差別化のための技術であり、 3Dマニアをしびれさせるものではないように思われます。





■ 「画面から出てこない嫁を引っ張り出す」アマゾンが裸眼3Dスマホを今秋発売予定 (2014年4月17日)■
 ※参考となる日本語記事は Gigazine」の記事を参照

さて、現在3D分野はOculus Riftを筆頭に、広視野角のHMDとバーチャル・リアリティー(VR)や拡張現実(オーギュメント・リアリティー:AR)の組み合わせによる新しい使い方が、 数年前に「3D元年」と騒がれた時以上に若い人を含めて盛り上がりを見せているが、 そもそも3Dテレビやニンテンドー3DSなどの従来の平面ディスプレイで見る3Dと、HMDで見る3Dとは、全く別物と言えるほど違う。
それを2ちゃんねる風に言い表せば、

■画面から嫁が出てこないので引っ張り出す
のが従来の3Dテレビやニンテンドー3DSなど平面ディスプレイ上の3D。

■画面から嫁が出てこないので俺があっちの世界に入る
のがOculus Riftなどの広視野角HMDの3D。

である。
どちらが良いかなんて質問は愚問である。
このコラムの3月22日付け『広視野HMD+モーションセンサー+VR+ARで本格普及が加速する3D』で書いたように、 それぞれに長所と短所があり、価格、利便性、目的とシチュエーションによって好みを選ぶなり、両方を使い分ければ良いだけのことで、 平面ディスプレイの3Dはもうオワコンと切り捨ててしまうのは、2010年に沸いて出た3Dで儲けようとした魑魅魍魎や詐欺師やにわか3Dマニア達であり、 HMDばかりに光が当たる現在でも、平面ディスプレイでの3Dの可能性を捨てずに心血を注いで頑張っているエンジニアはたくさん居るのである。

では、何故3Dテレビはわずか2年で消えてしまったのか、また、ニンテンドー3DSや3Dスマホは何故「3D機能」をオフにして使っている人が大多数なのか、 その原因から私見を述べようと思う。

■3Dテレビ失敗の原因
1.価格がメチャ高い
2.その高い価格に見合う放送コンテンツがほとんど無い
3.3Dメガネがウザイ
4.寝転がって見られない

■ニンテンドー3DSや3Dスマホの3D機能をオフってしまう原因
1.そもそも3.8インチでは画面が小さくて3Dが見にくいし迫力がない
2.顔を傾けたりすると3Dが壊れる

そう、3Dテレビやニンテンドー3DSや3Dスマホの3D技術はこのコラムで何度も書いてきたように、実は20世紀の技術であり、 一般の人が知らないだけで当時から製品はあったものである。 それが多少画質が良くなっただけで上記のような根本的な欠点が改良されないままに21世紀にリメイクされただけのものであり、 溢れるほどのコンテンツでも無い限りは、あくまでもマニア達のためのもので、そもそも一般に普及するはずが無かったのである。

そんな状況の中、 あのアマゾンがアンドロイドをカスタマイズしたOSによる「裸眼3Dスマホ」を今秋にも発売すると報道され、 そのビジネス的な意味についての考察記事『アマゾンが「立体スマホ」を開発中!?"3D界初"の成功事例になれるか?』をダイアモンド社が報じている。
現時点では信憑性のある情報はあまり無いが、上記に掲げたような従来方式の平面ディスプレイによる3Dの欠点は、 以下の改善策によって解決が図られているらしい。

■アマゾンの裸眼3Dスマホのポイント
1.立体方式は「視線追尾方式」による裸眼3Dで、見る位置が多少ずれても3Dが壊れない(東芝ダイナブック・コズミオT852と同じ方式)
2.サイズは4.7インチであり、一般的なスマホより大画面(ほぼニンテンドー3DS/LLと同じ画面サイズ)
3.価格は噂では「無料配布」もあり得る(通信費がいくらになるかは不明だが)
4.コンテンツはアマゾンが扱う商材の全て(つまり無数)
さらに、
5.スマホの画面を触らなくてもリーフのような赤外線モーションセンサーによってジェスチャーコントロールが出来る

もちろんストア扱いのものを含めて全ての商材が3D、それもVR技術を活かした「360度自由に回して見られる」ような3Dカタログになるには、 相応しい3Dカメラ(フジフィルムのW3ではアマゾンが扱っている商材のほとんどを占めている中・小型の商材撮影にはステレオベースが広すぎて合わないし画質も良くないので別のカメラが必要)とVR化するソフトが必要だが、 おそらくアマゾン自体が扱う商材については既に上記の撮影と編集を簡単に行えるシステムが準備されており、3Dカタログ化されたものが順次アップされていくものと思われる。

2Dならば既に10年ぐらい前から「自動車」や「デジカメ」は360度自由に動かして見られるVR電子カタログが一般化しているし、 大メーカーの製品でなくても回転台に乗せて回しながら撮影してVR電子カタログ化してくれる業者もある (例えば東京品川の「Photosimile.jp」社など http://www.photosimile.jp/contents/sample/?gclid=CL6EwaaQ5L0CFcFhpQodWnQA0w

それを立体(ステレオ3D)にしたものも既に2006年に3Dエロスを開設した当初からリンクしているフランスの「MILKED」は行っている。
右の映像をクリックして開くサイドバイサイドな3D画像(交差法)は、 その上でマウスを左右に動かすと垂直軸方向のみだが自由に回転させて後姿や横向きの姿を立体で見ることが出来る。
これはフラッシュ・ムービーとJavaによる簡単な仕組みである。(他のサンプルはコチラのページの中段を参照)
基本的にアマゾンの場合は「斜め下から覗き見したい」というスケベなニーズには応えないと思うし、 おそらく衣類のVR裸眼3Dカタログでは、このようなモデルさんの着衣データにボーンとモーションを組み込んで左の写真(CG)のように動かし、 ファッションショーでキャットウォークをモデルさんがウィーキングするような「実際に着た感じ」を再現して、 それを前から横から後ろからの任意の角度で、ズームしたりして見られるようにすれば十分だと思う。

衣類は分かりやすい例だが、食べ物、分譲マンションや一戸建て、旅行、もちろん家電やカメラや自動車など、 様々な商材で裸眼3Dは商品の訴求力をアップできると思う。
特にランジェリーは、お金が余っているピーチジョンあたりから可愛いモデルさんで3Dカタログ化して男どもを楽しませて欲しいものである。

さて、ここで1つ問題を指摘しておきたい。
それは、アマゾンの裸眼3Dスマホが4.7インチでもやはり裸眼3Dには画面が小さく迫力に欠けることである。 できれば画面サイズが8.9インチでフルHDを超える解像度(2560x1600)のNEW - Kindle Fire HDX 8.9で裸眼3Dを実現して欲しいものである。 そうなれば、アマゾンの商材を見歩くのはもちろん楽しいし、3D映画や3Dアダルトなどのコンテンツもかなり楽しめるし、 ネットワークでの3Dゲームの楽しみも大きく広がると思う。
そして何よりも、大きくて装着する手間が必要なHMDと比較して、小型のタブレット1つでサクっと気軽にいつでも3Dを楽しめることは嬉しいし、 「画面から出てこない嫁の世界に入る」ものと「嫁をこちらに引き出す」ものの両方が我々の前にあり、選択可能なことが望ましいと思う。





■ Oculus Riftなぜ"日本優先出荷"に? (2014年4月17日)■
 ※参考となる日本語記事は ねとらば」の記事を参照

フェイスブックによる2000億円という巨額な企業買収で一般人にも知名度が上がった渦中のOculus VR社の若き創設者"Palmer Luckey"君が、 4月7日〜8日に行われたUnityの開発者セミナー「Unite Japan 2014」の基調講演を行い、 その中で『日本に優先的に出荷する』と公言した。
その詳細は上掲リンク先の「ねとらば」によるリポート記事をお読みいただけばお分かりのとおり、Oculus Riftを使ったアプリ等の開発においては、 欧米に比べて日本が圧倒的に数も多く、そして内容も馬鹿っぽいけど非常に面白く可能性に溢れているからである。
例えば左の写真は筑波大学が開発した「初音ミクとバーチャルに添い寝できるアプリ」であり、 傍から見れば単に飲み会で悪酔いした女性がダウンしているようにしか見えないが、 この本人がOculus Riftを介して見ている視界には横に初音ミクがリアルに寝ているかのように見えているのである。 視聴者が体の位置や顔の向きを変えて見れば、そこに寝ている初音ミクを自由な位置から眺めることができるのである。 そして将来は初音ミクをアイドルやAV女優の3Dフルボディースキャンデータに置き換えることだって可能なのである。
また右下の写真は乗馬マシン(それ自体が日本的発想のお馬鹿チックな製品ではある)を使いOculus Riftによって本当に乗馬をしているかのように顔を向けた方向の景色が見え、 爽快な感じになれるアプリである。
海外にもOculus Riftを使ったエクササイズ系のアプリは開発されているが、総じて直球でヒネリの無いものが多いし、 日本では初音ミクや仮想アイドルと握手ができるアプリに対して欧米で圧倒的に多いのはリアルに人を撃ち殺すシューティングゲームだったりする。

さてこのコラムでは、そんな日本のOculus Rift向けアプリ制作の盛り上がりや欧米との違いについて繰り返しのような意見を述べるつもりはない。
ここでの主眼は、20年も前からグラストロンを製品化し、 現在はプレイステーションと言う世界的に普及しているプラットホームを有し、 ブランドも確立されているのにソニーのHMD「HMZ-Tシリーズ」が何故Oculus Riftのような脚光を浴びず、話題にならないかという問題について私見を述べたいと思う。

そこで言えるのは、まず「真面目すぎる」点。
現在日本でOculus Riftを使ったお馬鹿なアプリを作っている人の多くはオッチャン達である(若い人も居るが)。 それもちょっとオタクでちょっとスケベな人々である。 もちろんソニーの中の人にも同様の人は居るだろうが、ソニーの看板を背負っている以上、公にはそんな面は出せないのである。 ニンテンドーも立場は同じで、実際にはエロゲーに近い内容のものが結構売れていたりしても、スケベがメインのソフトには加担できないのである。
だが、そこでまずユーザーのニーズとの大きなギャップが生まれてしまう。
もちろんスケベなものに限定しなくても、そんな大企業としての立ち位置からは、たとえ「お馬鹿なアプリや使用法」がそのデバイスの可能性を大きく広げるかもしれないとは思ってもにわかには加担できないのである。
また、Oculus Rift DK1がリリースされた1年前、最初に日本から公開されたアプリは3DCGで描かれた女子のパンツが見えちゃうようなものであったが、 それに対して一般の人からも「日本の恥だ」的なお堅い意見もあったりした。 どうも日本ではオモテとウラの使い分けと言うか、自己制御が正義みたいな考えを他人に押し付けようとする人が多い。 そのくせ、例えばAKBをはじめとするアイドル達が「見せパン」をフツーにしてしまうと、多勢に流されて異を唱える人は居ない。
そんな「表向きの顔」に縛られているところにニーズとのギャップがあると思える。

次に大きいのは「価格意識」。
まだまだ日本の大企業には、バブル時代やその後も日本製なら高くてもそこそこ売れると言う幻想から抜け切れていないところがある。 それに拍車をかけるように「デフレ脱却」とか「シニア層の財布をあてにする」とかで消費税以上の便乗値上げもまかり通っているが、 HMDや新しいゲームなどにアダプトする層は、ネットで情報を取って色々と比較し、自分達と同じフィールドのブロガーやユーザー記事からの情報で判断し、 最終的には価格を比較して買う。そんな状況下では、同じような機能のものに対して価格が倍もするものは選びはしないだろう。 まして、ちょいエロを含めて面白さの可能性が最初から制限されてしまっているような物に対しては冷たくなる。
芸術的価値としての機械式腕時計などと違って、パソコンやスマホやデジカメを含めたIT家電は2年で全く前時代のものなってしまうことをユーザーは痛いほど知っているのであるから、 そんな短期消費財的なIT家電に対しての価格意識は非常に厳しいのである。

最後の大きな要素は「革新性」である。
かつては日本のお家芸であった革新性だが、ことHMDに関して言えば、過去に20年もの時間があり、 その不便さや視野の狭さが指摘されていたにもかかわらず、ソニーもオリンパスも最近のエプソンも、その点の改善策を講じてこなかった。 過去の自分達の製品の枠を一度ぶっ壊して「自分が本当に欲しいHMDとはどういうものか」を考えてこなかったことは、Oculusに大きく水をあけられてしまった原因のひとつだと思う。

以上のような問題点は、HMDに限らず他の製品にも言えることだと思う。
今後日本企業が、このまま世界の様々なメーカーに優れたパーツを供給するだけの「部品屋」になって満足するのか、 あるいは再び「優れた最終製品とサービスを生み出す日本企業」として復活するのかは、その辺に掛かっているように思う。





■ 日本でも高画質でエロい3Dフルボディー・スキャンデータ発売予定 (2014年4月10日)■
 ※参考となる日本語記事は PLAY GIRLS」のホームページを参照

このコラムでは既にイギリスの「Infinite-Realities」社による高画質な3Dフルボディー・スキャンデータの制作と販売が行われていることについて説明したが、 どちらかというと使われている女性モデルが日本人の眼からはセクシーじゃなかった(マッチョな男性モデルの方に力点が置かれているかのようにさえ思える)。
また、VR対応ではないが、「Oculus Real Porn」社のモデルはパンク過ぎて、こちらも日本人の好みにはマッチしない。
そこに登場したのが、この日本人AVモデルによる日本国内制作の「PLAY GIRLS」プロジェクトであり、その第1弾は「波多野結衣」である。

イギリス「Infinite-Realities」社の場合は、 全周囲からモデルに向けた数十台の一眼デジカメで一度に撮影するのに対して、今回、PG Production×イリュージョンが行ったモデリング方法は、 デモムービーを見る限りでは1台の一眼デジカメで様々な方向から撮影し、そのデータから手作業で3Dモデリングしていく手法のようである。 この方法では、何十台ものカメラも広い撮影スタジオも不要だが、正確なデプスは撮影時には取得できないため、 3DゲームなどでCG制作経験豊かな人による「職人芸」でモデリングしていくのであろう。 また、デモ映像を見る限りでは、実写の肌の質感、しずる感がだいぶ無くなっていてCGのようなテクスチャーになってしまっているのが残念である。
なお、当然に日本国内では「性器」部分は再現されない。 ま、一部のヘンタイ的なマニアなら独自に性器のデータを作って合体してしまうかもしれないが、それは日本国内では著作権上も肖像権上も刑法上も違法である。

この「PLAY GIRLS」による波多野結衣の3Dフルボディー・スキャンデータは、 当然に「Oculus Rift」対応であり、視聴者はリアルな波多野結衣の体を、前から、 後ろから、上から、下から、斜めから、自由な視点で、近寄ったり、全身を見渡したりできる。
しかしMMDのようにユーザーがデータにボーンを組み込んで自由なポーズにしたり、モーションをつけて動かしたりできるのかどうかは、 ホームページを見ても分からない(おそらくユーザーによるそのようなカスタマイズを許すのは先の話ではないだろうか)。
ともあれ、Oculus Riftの登場で、今後のAVは、まずイメージVや着エロから、このような3Dフルボディー・スキャンによるものが一定のマーケットを占めていくだろう。 当面は「リアル・フィギュア」のようなものだが、やがては「自由ポーズ」と「動き」を付けられるようになって、 「自分だけのオナニーアイテム」として存在意義を確立していくだろうし、 さらには視聴者自身のアバターを作ってモデルさんのデータと自由にカラマせて擬似セックスやオリジナルAVを作って遊べるようにもなるだろう。
現行のAVは、そのほとんどは一度見てオナニーしたらオシマイだが、 自分で自由にポーズを作り、動かして何度も楽しめる3Dフルボディー・スキャンデータが一気にAVの主流になる可能性だって大きい。
その時、AVモデルたちは一度スキャンされたらお払い箱なのか、年齢ごとにその成長そのものを「付加価値」としてデータに組み入れて商品価値を高められるか、 あるいは現行AVのような「傍観者として見る」ものと3Dデータとが共存するマーケットになるか(私的にはそれが一番望ましいと思う)、 今後数年で方向性が見えてくるように思う。
また、このような新しいAVが、少子化を加速するものではなく、逆にシミュレーション・ツールとして、リアルなセックスに結びついていくことを願う。

【補足情報】2014.04.10
ちなみに実写女性ヌードを3Dで垂直軸を中心に自由に回転させて見ることが出来るVRコンテンツが既に2000年頃には日本で商品化されていたが、 当時はそれをフルカラーの3Dで見るには「裸眼交差法」か液晶シャッターメガネとCRTモニターの組み合わせしかなかったため、 話題にならずに消えてしまったが、この分野は決して新しいものではないのである。

【補足情報】2014.04.11
2月5日付けのこのコラムで報じた堀江貴文(ホリエモン)の「コズミック論だん」と「裏コズミック論だん!!?自由に遊ぼうOculus 講座!??」 で俎上に載ったアシスタント・寺田有希さんの3Dスキャンデータが公言どおり、 寺田有希さんのサイトで1,500円で販売されている。
画質的にはまだまだ低画質だがunityで動かすボーンがあらかじめ組み込まれているので、unityをかじった人なら自由に動かすことが出来る。
このデータは商用利用も可能で、彼女を使ったゲームやアプリを自由に作り販売することができる。ただし、エロはダメ。
また、具体例として、彼女のサイトにはこのデータを用いた簡単なゲームも公開されている。

着衣のアイドルならば、今回のデータ販売のような利用制限の元に、様々なコスチュームのバージョンを製品化できるので、 「1回3Dフルボディー・スキャンしたらモデルは用済み」にはならずに継続的なビジネスが可能だと思う。
しかし、基本がヌードなアダルト・モデルの場合は、3Dフルボディー・スキャンされた後も継続的にモデルとして仕事を成立させるためのビジネス・モデルを、 事業者たちが真面目に考えてあげないと、かつての音楽業界におけるデジタル・サンプリング音源の普及によって多くのスタジオミュージシャンが職を失って、 優れた才能とテクニックを持った若いミュージシャンが登場しなくなり、結果、音楽業界全体が低迷してしまっている現状の二の舞になってしまう。
それは長い目で見れば、音楽業界同様に、新たな魅力を持った新人グラビア&AVモデルが登場するための夢や可能性を奪い、 グラビアやAV業界にとって大きなマイナスになってしまうだろう。





■ フェイスブック、Oculus VR社を総額20億ドルで買収 (2014年3月26日)■
 ※参考となる日本語記事は INSIDE for All Gamers」のホームページを参照

このコラムでは3月21日に閉幕した『GDC 2014』で発表されたOculus Rift DK2と既存の平面3Dディスプレイの根本的な「存在意義の違い」などを書いたばかりだが、 日本時間の3月26日(米国時間の3月25日)、あのフェイスブックがOculus VR社をなんと20億ドル(2000億円)で買収することが明らかになり、 Oculus VR社のブログでも公式に発表("Oculus Joins Facebook")された。
詳しい買収内容や条件は上掲のリンク先記事を参照されたい。

カリフォルニア州立大学でジャーナリズムを専攻する学生"Palmer Luckey"君がOculus Riftの原型を考案したのは若干19歳当時であり、 それを具体化するためにOculus VR社を創設し、キックスターターで資金調達を開始してからわずか2年でOculus VR社を2000億円で買わせるまでに企業価値を高めた、 あるいは有名にしたこと自体は、いかにもアメリカン・ドリームだが、Oculus Riftを有名にした立役者は、 今までOculus Riftをサポートしてきた世界中のゲームやアプリ開発者たちであり、そんな彼らからは今、 Oculus VR社がフェイスブックの傘下となることに対して強い反感も出ている。

ここではOculus VR社がフェイスブックに買収されることの是非について個人的意見を述べるつもりは一切無い。
しかし、SNS時代の寵児として急成長したフェイスブックが、様々な批判とユーザー数の急激な減少から、広告メディアとしての生き残りをかけて、 次のプラットフォームとしてVRやARとそのデバイスに賭けていることだけは、 まだ製品版も無い「開発者キット」だけのOculusに投じた今回の2000億円という膨大な買収価格を見ても分かる。

私が問題視しているのはアメリカでの買収劇のことではなく、VRやAR、そのための視聴デバイスであるHMD、コントロールに必要なモーションセンサー、 ウェアラブル入出力デバイス等とそのアプリケーション開発に対する日本の動きの鈍さと「価格意識」の低さである。

もちろんいくつかの大学や企業や個人が、世界に誇れるような独創的で先進的なアプリを開発してはいるが、国や業界からの評価はいまだに「キワモノ」扱いのままのような気がする。

このコラムの3月22日付けの「広視野HMD+モーションセンサー+VR+ARで本格普及が加速する3D」で若干触れたように、 日本のテレビ業界などにはこれからのVR・ARによる情報配信やコミュニケーションの可能性に対する認識が非常に希薄である。
具体的には2月下旬に行われた日本の3D分野の業界・学界が集まる団体の総会においても、HMDを使った事例紹介はほんの一部にしかなかった。
その背景には、『民生用のHMDとそのアプリなんてものはソニーのグラストロンをはじめ日本が最初に製品化してきたものだし、 すぐにもアメリカ製なんかより数倍良い製品を作り出せる』というような気持ちがあるのではないかと思えてならない。

それはかつて「ウォークマン」を生み出した日本が、インターネットやSNSの急速な成長に伴う「音楽はデジタルで発信・共有するもの」への変化を見過ごし、 気が付いたら世界標準から置き去りになってシェアを失ってしまったこととダブって見える。 そもそも「グラストロン」や「アイトレック」などはその後の安価な中華製パクリHMDの方が世界では有名なくらいで、 全くと言ってよいほどに知られてはいないし、これからのVR・ARに必須な視聴デバイスはOculus Riftだと思われているのだから、もっと謙虚に、 1からOculusuを超える製品とアプリを開発する必要があると思う。

幸いにも今回、ソニーは『Project Morpheus(プロジェクト モーフィアス)』を発表し、 従来の大型スクリーンの代わり的な「HMZ Tシリーズ」とは別の広視野でモーション・センサー対応によりAR・VRに特化したHMDとゲームやアプリの開発を公表したことは嬉しいし、 いままでこの分野ではあまり大きく表に出てこなかったキヤノン、エプソンなどの企業の研究者のモチベーションが上がって、高品質かつ価格もOculusに十分対抗できて、 下手な囲い込みが無く汎用性が高い製品が生まれてくることに期待したい。

また、VR・ARを活かした映像配信に関しては、このコラムの2月5日付け『日本でもオキュラス関連メジャービジネスがもうすぐ立ち上がる?』 で書いたニコ動のドワンゴとNTTが開発した『全天周映像向けインタラクティブ配信技術』が絶対に必要になるが、 こちらもコンセプトをパクられて別な方式で具体化と全世界でのデファクト・スタンダード化が進められてしまう可能性だって強いのであるから、 ドワンゴとNTTはニコファーレからの実験に成功したことに慢心せずに、それこそ24時間3交代制ぐらいの勢いでシステムのさらなる開発と低コストでの運用プランを具体化し、 完璧でなくともよいから、ソニーのProject Morpheusも仲間に入れて、どんどん実験配信を世界に向けて行い、視聴者の声を受けて日々改良して、 世界標準を勝ち取って欲しいものである。

日本のクリエーターにはトヨタのインターネット専用CM「SAI DRIVE-GO -ROUND」(http://www.toyotown.jp/drive-go-round/)のような、 全周囲VR映像の中に時間の流れも込めたドラマ性の高い優れた大人の作品を作れる力があるのだから (制作は"PARTY Inc."と"バスキュール"。 映像監督は、コーネリアスのミュージックビデオや、KDDI auのTVCFを制作したクリエーターの辻川幸一郎氏とのこと)、 クールジャパン予算の1%程度あればセンスの良いクリエーターを使って2年間ぐらいは世界に向けたVR・ARな実験配信をニコファーレや各イベント会場から行い、 ノウハウ蓄積と世界標準になれる配信フォーマットの開発を行えるのではないかと私は思うのである。





■ 広視野HMD+モーションセンサー+VR+ARで本格普及が加速する3D (2014年3月22日)■



メガネ式の3Dテレビにしろ裸眼3Dのニンテンドー3DSや3Dスマートフォンにしろ、あるいは映画館で見る3Dにしろ、 平面ディスプレイやスクリーンによる3Dは、「ステレオ・ウィンドウと呼ばれている窓枠から覗いている3D」である。 具体的には3Dテレビもニンテンドー3DSも映画館のスクリーンも、モニターやスクリーンの縁が「ステレオ・ウィンドウ」であり、 その枠に囲まれた内側の部分でのみ3D映像が成立し見られるのである。
現実世界と同様に、窓枠の内側から物体が飛び出して見えるようにすることは可能だが、あくまでも窓枠とそれを設置した「壁」 (3Dテレビやモニターの枠を延長拡大した面)を破壊して飛び出させることは出来ない。できないと言うよりもやってはいけないことなのだ。 それをやってしまうと非常に醜い3Dになってしまう。 現実世界でも窓枠や壁をぶち壊して人間や物や自動車や飛行機が飛び込んできたら、それは事故だし、 窓枠や壁を壊さずにすり抜けてきたとしたらそれは幽霊だろうから、その時点でリアリティは一気に失われてしまう。 だから、上掲の3Dモニターのイメージ図のような表現は非常に多く使われてはいるが、 平面ディスプレイによる3Dの場合は絶対にこのような見え方はしないのである。
このステレオ・ウィンドウによる限界・縛りを克服するために、ステレオ・ウィンドウの内側にさらに人工的にもう1つ 「フローティング・ウィンドウ」と呼ばれるステレオ・ウィンドウを作り(つまりスクリーン面を一回り小さくする)、 本来のステレオ・ウィンドウとの間で「枠をはみ出した3D効果」を我々3Dマニアは昔から用いてきた(最近のハリウッド作品の場合の顕著な例では 『ライフ・オブ・パイ』の一部でトビウオが画面周囲の黒枠部分をはみ出して飛ぶシーンがあった)。 あるいはスクリーンの周辺部分(特に左右)を黒くボカしたり、 周辺箇所に被る映像(風景でも人物でも)の色目や輝度を暗くしたりして境界が分かりにくくしているが、あくまでも一時的な回避策に過ぎない。

3Dの基本に無知な初心者がこのステレオ・ウィンドウという基本的な制限を無視して3D映像を作ってしまった場合は 「ステレオ・ウィンドウが壊れた下手糞な3Dだ」と酷評される。 初期の「3Dキャットウォーク・ポイズン」や「3D・Sモデルシリーズ」がまさにこれで、 背景の壁や床がモニター面より手前に来てしまったりして極めて醜い3Dだった。
じゃ、窓をバカでかくしていけば視野の範囲に「窓枠」が見えなくなるのではないか、という発想がIMAXの大画面であるが、 IMAXでもやはりスクリーンの縁がステレオ・ウィンドウであり、あくまでも劇場の壁に大きく開いた窓から覗いているに過ぎない。 そこでの視聴者は、あくまでも窓枠に囲まれた世界を覗き見している傍観者なのである。

それに対して、フツーの人間の視野角と同じ程度の広視野と高画質化が進む現在のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)は、 視聴者の顔や体の動きと位置を検知するセンサー技術とバーチャル・リアリティー(VR)技術およびオーギュメント・リアリティ(AR)技術と組み合わさったことで、 全周囲、360度途切れなく自由視点で見られようになったことから、もはや「ステレオ・ウィンドウ」という概念・縛りそのものが無くなってしまったと言える。
平面ディスプレイ上の3Dが「ステレオ・ウィンドウ」という枠から逃れることが出来ず、視聴者はあくまでも傍観者の立場であるのに対して、 HMDにはそんな枠は存在しないし、極論すれば、HMDは視聴者を、その映像空間の中の当事者に変えてしまうことが出来るのである。 今後さらにHMDの解像度が高くなって、現在はフルハイビジョンでも見えてしまうドットが完全に見えなくなってしまえば、 「その空間の中に自分が居る=当事者感」は限りなく高まり、リアル体験に近づくだろう。

さて、私は、ここでHMDのみを賞賛するつもりは無い。

もちろん、HMDなら、例えばゲームでは視聴者はそのゲームの空間に入り込んで戦場やレースコースや化け物が出てくる古城で戦う感覚を360度自由に動き回り自由な視点でリアルに疑似体験することが出来るし、 コンサートや競技会場からの中継ならば実際にその会場に居る観客の一群の中で見ている実感を得られるし、 エロならばその女優や男優に本当に恋してしまうほどの当事者感を得られるかもしれない。
しかしその代償として、HMDは現実世界と同様に肉体的にも精神的にも疲れるし、ストレスも溜まる。 見た目は一人でプレイしているようでもネットワーク型ゲームや同時中継やビジネスでの利用が増えれば増えるほど、 各視聴者は物理的な空間が離れているだけで、現実世界で顔を突き合わせているのと同じ環境に置かれることになるからである。 たとえ自分の分身のアバターを自分とは全く別のビジュアルや性別や性格にしたとしても、それはそれでその人格を維持するのに疲れるのである。
そして何よりも、「大きなHMDを装着すること」や「HMDでバーチャルな世界に入るぞ」と構える必要がある。

それに対して、今年シャープあたりから発売されると噂されているドルビー3D方式の裸眼3Dテレビは、 あくまでも「枠の中の立体空間」を覗き見するものである。今までのメガネ式3Dテレビや3D映画館からメガネが不要になっただけで、 傍観者として窓枠から覗き見していることに変わりは無い。 それだから逆に、どんなに辛辣で悲惨なニュースや映画やゲームでも、どんなに美しい3D映画でも、めちゃくちゃエロい女優がセックスするAVでも、 あくまでも「枠の向こうの世界」の外部情報として、客観的に、一定の距離を置いた傍観者として気楽に見ることができるのである。
また、HMDのように「装着する」必要も無いし、スイッチをポンとつければすぐに見られるし、 お風呂上りにタオルで頭を拭きながらビール片手に見ることもできるし、 スマホでメールをチェックしながらでも電話しながらでもメモを取りながらでも気楽に「ながら見」ができるのである。 このような日常的な利便性も映像情報デバイスとしては捨てがたいのである。
しかしその程度の映像情報デバイスなら安い2Dモニターや旧来のテレビでもいいのではないか、という意見もあるだろう。
確かにそのとおりだと私も思う。

要は「面倒さを差し引いてもそれを見たい・楽しみたいコンテンツがあるか」と「(高い)お金を払った分の満足感はあるか」が、 今後の3D視聴のデバイスの勝者を決める大きなファクターになるように思える。

コンテンツについては、従来の平面ディスプレイ上の3Dは、 前述のとおりステレオ・ウィンドウの縛りがあることやVR・ARとの親和性の点でHMDよりはるかに劣っているため、 巨大なマーケットを既に持っていたハリウッドの映画産業界は例外的に、劇場でもブルレイでも積極的にラインナップを増やし、 現在では見切れないほどの数の3Dコンテンツが量産されたし今後もアニメやSFやアクション系の劇場大作は3Dで制作されるだろうが、 それ以外では、映像とコミュニケーションの革命を目指したい若い感性(年齢のことではない)のクリエーターの参入はゲーム業界をはじめ残念ながら極めて少なかった。
それに対して、広視野角でVR・ARとの親和性が高く、旧来の放送の枠に囚われる必要も無く、アプリ開発環境がオープンなOculus Riftに対しては、 ゲーム業界を筆頭に、プロもアマチュアも問わず、若い感性と革新性を持った非常に多くの人々が賛同し、資金を提供し、 従来に無いコンテンツやアプリを作りつつある。

また、価格についても、Oculus RiftがVR・ARエンターテイメントという新しいマーケットに投げ掛けた「普及させるための3万円台」という価格設定は、 今後の裸眼3Dテレビに対しても、ソニー等のHMDのマーケティング戦略に対しても、 ゲームやアプリ開発者のモチベーションにとっても極めて大きな刺激と意味を持っていると思う。

裸眼3Dテレビがどんなに日常的な利便性が高くても、4Kパネルをベースにさらにレンチキュラーなどのフィルターを特殊な技術で貼り、 映像エンジンも特殊なものを必要とする裸眼3Dテレビの価格は1インチ当たり1万円以上 (50インチで50万円以上)となるだろうから、そこから得られるバリューがユーザーのコスト意識を満足させられるかと言うと、 2010年のメガネ式3Dテレビと同じような結果になるのではないかと私は危惧しているが、テレビ産業界にはその危機感は薄い。

早ければ今年の年末に、遅くとも2015年には「製品版」が発売されるOculus Riftの最終価格は、現在既に非常に多くの購入数が見込まれるため、 1台当たりの製造コストは現在よりもかなり低くなると思われるので、おそらくDK1の300ドル、DK2の350ドルよりも低価格になるだろうと思う。
そうなれば、装着する面倒くささを差し引いても、3DゲームやVR・ARを積極的に楽しみたいと考えている潜在ユーザー層にとっては、 50万円以上と高価格でそれなりの広さの設置スペースが必要な裸眼3Dテレビと、3万円以下のOculus Riftでは、 2015年以降の3Dを牽引するデバイスの勝者は既に見えているように思う。
さらにOculus Rift製品版発売時期に合わせてVR・AR技術とOculus Riftの広視野角を最大に活かしたゲームや、 360度前から後ろから上から下から自由な角度で立体で見られて自由なポーズを付けられるアイドルやグラビアモデルの3Dフルボディスキャンデータが発売され、 女子向けにはジャニーズ系アイドルのコンサートを360度自由視点で楽しんだりステージに上がって一緒に踊ったり出来るコンテンツが発売されれば、 そんな女子たちのお小遣いでも、お金の無い若者でも数日バイトすれば買えてしまうOculus Riftが圧勝するように思う。

さて、高額な裸眼3Dテレビやモニターは、Oculus Riftのような純粋に3DやVR・ARの世界を楽しむために特化したデバイスが低価格で登場した今となっては、 当面はサイネージや街頭テレビのような形でしか普及しないのではないだろうか。その1インチ当たりの実売価格が現在の液晶テレビと同価格になってはじめて、 一般に普及し始めるのではないだろうか。
(私個人としては、撮影時に3Dカメラを繋いでリアルタイムに視差調整やデプスを確認できる20インチクラスの 「撮影用裸眼3Dモニター」で10万円以下なら今すぐにも1台は欲しいのだが...)

ともあれ、現在、ハリウッド以外では低迷している3Dコンテンツ・3Dアプリ制作が、Oculus RiftやProject Morpheusなり裸眼3Dテレビなりの普及によって、 再び盛り上がることを期待したい。






■ フルHD+大幅に機能強化されても価格は350ドルな "Oculus Rift DK2" 発表・ソニーも追随 (2014年3月22日)■
 ※参考となる日本語記事は GAME Watch」のホームページを参照

サンフランシスコ現地時間で3月17日から21日まで開催された世界最大のゲーム開発者向けカンファレンス『GDC 2014』で、 待望のOculus Riftアプリ開発者向けキット第2弾(DK2)が発表され、Oculus VR社のサイトから350ドルで販売が始まった。
また、デスクトップなゲームプラットホームとして世界最大の普及数を誇るプレイステーションを擁するソニー(SCE)も、 今後のVRゲームの急速な普及・発展を見越してPS4に繋がる新たなHMDを含む新プロジェクト『Project Morpheus(プロジェクト モーフィアス)』を発表した。
ここでは、現地から逐次レポートを公開している人々による情報や既に公開されたプレスリリースに基づき、 Oculus Rift DK2 のスペックと、過去のVR・AR用HMDについて紹介することとしたい。

(写真:左はOculus Rift DK2 本体、右は流石にスマートなソニーProject Morpheus用広視野HMD)

■フルハイビジョン+6軸ヘッドトラッキング+大幅な遅延低減にもかかわらず価格は350ドルの "Oculus Rift DK2"

発表と販売が始まった"Oculus Rift DK2"の詳細については冒頭リンク先『GAME Watch』の記事を参照されたいが、 ザクっとまとめると、
〕機ELパネル・解像度1,920×1,080ピクセル、最高75Hzの高リフレッシュレートに対応と大幅に進化 ⇒ 没入感が飛躍的に向上
付属カメラによる赤外線トラッキングにより上下左右前後の平行移動を含む6軸(6DOF)ヘッドトラッキングに進化 ⇒ VR・ARの幅が飛躍的に広がる
ヘッドトラッキングの加速度センサーが1,000Hz駆動に引き上げられ遅延低減も実現する ⇒ 違和感と3D酔いを大幅に低減
いさばるコントロールボックスが無くなり、HMD単独使用の場合はUSBバスパワーで駆動する ⇒ 手間がひとつ減った
USB接続の「眼線ステレオカメラ」の追加装着なども予定したコネクターや取り回しになった ⇒ ARゲームや中継に威力を発揮する
そしてOculus Riftの最大の売りである「広い視野角」はDK1同様に左右90度・対角110度の広さを確保している。

この性能でありながら350ドルという低価格は、ほんの7年ほど前までの低スペックなのに20万円近くしたHMDを知る私にとっては信じがたいものである。
おそらく実売価格が6万円前後する最近のHMZ-T1からT3に至るソニーのHMDを知る人々にとっても驚異的だと思う。
そして、1996年発売のソニー「グラストロン」をはじめ従来のHMDのほとんどが「大きなモニターの代わり」的な方向性だったのに対して、 Oculus Riftは最初から明確にVR・ARのための視聴デバイスとしての方向性を打ち出し、DK2ではそれをさらに高めている。 それをDK1発表からわずか1年でここまで進化させ、さらに今後1年以内に発売を予定する製品版でさらに良くすると明言している。

さて、ここで改めてVR・ARのためのHMDをいくつか振り返ってみようと思う。
上記で述べたように、1996年発売のソニー「グラストロン」や1998年発売のオリンパス「アイトレック」はVR・AR用というべきものではなかった。 あくまでも大型モニターの代わり的な位置付けだったように思う。
VR・AR用途のためのHMDと言えばやはり軍事用途の物がアメリカ、ドイツ、旧ソ連などで1980年代後半から開発が進められていたし、 2000年の頃には200万円と高額だが米軍が使っているものを民間人が購入することもできた。
日本人にとってはやはり1995年発売の「ニンテンドー・バーチャルボーイ」が馴染み深い。
バーチャルボーイは、大型モニターの代わりではなく、あくまでもバーチャル・リアリティーな3Dゲームを楽しむためのHMDであり、 その意味からすれば、世界で最初の量産型VR用HMDだったと言えると思う。 もちろん残念ながら当時の「黒バックに赤い線画の明暗のみによる表示」という表示スペックや、子供用ゲーム機としての低いマシンスペック、 そして何よりも「投じた時代がバーチャルボーイに追いつけなかった」ことからビジネス的には失敗だったが、 初代ファミコンや3DSと同じくらいに先駆的なものだったと言える思う。
その後は各国とも「軍事用途」としての開発が進み、特に「無人機の遠隔操縦」や「特殊部隊員の訓練」用途のものがメインだったようである。
次に民生用VR・AR用途のHMDが日本でも大きくお披露目されたのは、 2005年ごろからVRやARといった言葉が徐々に使われるようになったことに合わせて2006年から2007年頃にキヤノンが自社開発のHMDとVRソフトでデモを行った時である。
私が見たそれは、眼線ステレオカメラ付きのHMD(というよりも大きなヘルメット)を被ってデモ会場を見渡すと、 その空間にCGアニメーションで描かれた大量のマグロやサメや鯛などの魚が泳ぎまわっているというものだった。 その魚たちは、会場の柱などに貼られたマーカーに従って、柱にぶつかったりすり抜けたりしないようにきちんと避けて泳いでいた。
そしてそれは、このコラムの2009年4月17日付け記事「IOC(国際オリンピック委員会)評価委員会が現地調査のため来日/キャノン製リアルタイム3D合成ゴーグルで会場予定地をプレゼン」 で紹介したように飛躍的に小型化・ワイヤレス化されて実際に用いられ、さらに現在は「キヤノンMR(Mixed Reality:複合現実感)システム」用のHMDとして開発が続けられている。

しかし、当時も現在においても、VR・AR用HMDがビジネス的に成功・普及しなかった原因は、「没入感」に必須な「高い解像度」「広い視野角」「低い遅延」と 「VR・ARを生かしきるソフト技術」が、ニーズ・レベルに達していないのにベラボーに高額だったためだと思う。
AR合成するためのソフトや技術は2010年ごろにはアマチュアレベルでもどんどん進化して、マーカーも見せずにAR合成が出来るようになった (現在のニンテンドー3DSではまだマーカーを使っているが)。
そしてタブレットやスマホの急速な普及と高画質化・超低価格化により、そのモニターパネルを流用することで安価に高画質なHMDを作れるようになり、 従来は量産型金型の製造に数千万円、プロトタイプ用の一品物の製作にも数十万円から数百万円掛かったボディーの製造が3Dプリンターで超低コスト・少量生産出来るようになり、 さらにそこに「パネルに表示させた映像を眼球から超至近距離でも広い角度で隅までピントが合って見られるようにするには超凸な接眼レンズが必要だが超凸なレンズで見ると映像は糸巻き状に大きく歪んでしまう。 だったら元の映像自体を接眼レンズの歪みに合わせてあらかじめ樽型に歪ませて表示させ、それを超凸接眼レンズで見れば元の正しい縦横比の映像に戻るはず」 というアイデアをひらめき、実現したのが当時19歳だったOculus VR社創業者のPalmer Luckey氏である。
なんでこんな簡単なアイデアを今まで大メーカーが思いつかなかったのだろうか?
映画の世界では横に広がったシネラマやパノラマ映画を35mmのフィルムで記録・上映するために、 アナモルフィック・レンズという特殊なレンズを用いた光学処理で圧縮・伸張することが大昔から行われていたのに、 その知恵を日本人が活かせずにアメリカの青年に持っていかれたのは残念だが、 仮にOculus Rift同様のアイデアを日本の大企業のエンジニアが先に開発したとしても、 この手のニッチな商品は数が売れないから単価を高くしないと社内的にOKが出ないことが多いため、 Oculus Rift DK1のような3万円を切る価格では発売されなかっただろうし、HMZ-Tシリーズのように価格が高ければ現在のように多くのOculusサポーターがアプリを開発したり、 何台も買って一人でも多くの人に実際に見てもらうことでその価値を知ってもらうような啓蒙・宣伝活動には繋がらなかっただろうと思う。
それを考えると、この方式をアメリカの10代の若者と彼が起業したベンチャー企業が具体化し、インターネットを使って資金を集めると同時に啓蒙・宣伝してくれる 「信者」と呼べるサポーターを増やしていったことは、結果的に非常に良かったことだと私は思う。





■ やはり出てきた「簡単フルボディースキャンとモーション化」システム (2014年2月18日)■

本コラムでは、Oculus Riftのような全周囲バーチャルリアリティーを体感できる視聴デバイス向けのコンテンツとして、360度、前から後ろから上から下から自由な向きから見られて、 かつ、自由にポーズを動かせる実写コンテンツ(特にヌードの女性)の制作を目標にしていることを表明している。 そして、動かすことはまだ出来ていないが、イギリスのInfinite Realities社は既に超高画質なフルボディー3Dスキャンを実現していることも説明してきた。
おそらくInfinite Realities社に日本人グラビアモデルなりAVモデルを連れて行ってフルボディー3Dスキャンして作成した3Dデータに、 日本のMMD技術を組み合わせれば、今この時点でも「360度自由な視点で見られる踊るグラビアモデル・AVモデル」コンテンツが出来ると思っている。
しかしイギリスのInfinite Realities社のスキャン・システムは非常に力技な大掛かりなシステムであり、 当3Dエロスや弱小なグラビア・コンテンツ制作会社、AV制作会社ではコスト的に手を出せるものではない。
そこで、私の夢は、「秋葉原あたりの小さなスタジオやラブホテルで、静止画も撮影できる1台のステレオデジタルムービーカメラ (フジフィルム、ビクター、パナソニック製等)で、モデルさんを「正面」「背面」「右側面」「左側面」「頭から」「足元から」の6枚撮り、 その撮影データからソフトウェアで「完全で高画質な3Dモデリング・データ」が作れないかということである。
2Dでは既に成熟した多視点画像からのパノラマ合成技術や部分部分のステッチング技術に、 左右視差から緻密なデプス情報を拾って3Dモデリングに仕上げることなんて、その分野に強いエンジニアなら1日で作ってしまいそうな気もするが、 なかな見つからなかった。
そんな時に見つけたのが、この南カリフォルニア大学で開発を進めている「Fast Avatar Capture」システムである。
詳細は不明だが、YouTubeにアップされた説明(http://youtu.be/wzmI6v2LkJA)を見ると、 「部屋の四隅にカメラが設置されている」「被写体は90度ずつ向きを変えて4回キャプチャーする」 「その4回のキャプチャーで得られたデータがPCで数分で3Dモデリング化される」「出来上がった3Dモデルにモーションが組み込まれる」 「自由に動かすことが出来る」というもののようである。
見た限りではキャプチャーされた画質はまだ高画質ではなく、ゲームやセカンド・ライフなどの仮想空間で自分の代わりに活動するレベルでいいじゃん的なもので、 現在のフルハイビジョン画質以上を求めるマーケットには、かなりの高画質化と滑らかで複雑なモーションを表現できるようにする必要があると思う。
とはいえ、これを「全裸の可愛い女性」と「高画質なデジタル一眼カメラ」の組み合わせでトライすることを想像してみて欲しい。 新しい時代、特に、エロの革命が私にはすぐそこに見えるのだが...





■ 日本ではイマイチだったが欧米ではいきなり注目された『キャプテンハーロック』 (2014年2月18日)■
 ※参考記事は 映画.com」2月9日から

昨年11月30日付けの本コラムで、『キャプテンハーロック』が国際3D協会ルミエール・ジャパン・アワード2013(主催は国際3D協会日本部会)でグランプリを受賞し、 涙しながらの監督スピーチについて報じたが、残念ながら日本国内での凱旋上演は1回限りだったようだし、ようやく2月21日に発売されるブルレイも、 3D版が収録されるのは「完全初回限定生産 特別装飾版Blu-ray 3枚組」9,800円(アマゾンでは現在7,511円)のみである。
しかし2014年2月に入った情報では、フランスでは昨年12月25日に237スクリーンで公開され、日本映画として歴代1位のオープニング成績を記録しその後も興行成績を伸ばしているらしい。 また、正式招待作品となったベネチア国際映画祭のイタリアでは1月1日に260スクリーンで公開され、オープニング成績トップ3に入った後も興行成績を伸ばし、ここでも日本映画歴代第1位となる快挙を達成したという。
そしてさらに、米ロサンゼルスで1月28日に行われた「第5回 国際3D協会 3D CREATIVE ARTS AWARDS」で「INTERNATIONAL FEATURE - ANIMATED(外国アニメーション映画部門)」で最優秀賞を受賞。 昨年11月の「国際3D協会ルミエール・ジャパン・アワード」でのグランプリ受賞に続き、優れた3Dコンテンツとしての作品性や映像クオリティが海外でも高い評価を獲得したという。
さて日本では、キャプテンハーロック世代は宇宙戦艦ヤマトや銀河鉄道999等を含めて(60歳代世代なら「男おいどん」を含めて)、 松本零士の世界観に強く共感したものだが、40歳代より若い世代にはピンと来ないのかもしれない。 しかし欧米のアニメファンは、松本零士的な壮大なスケールのスペース・オペラや海賊や騎士道的なものが昔から大好きだし、 宮崎アニメだけが日本を代表する劇場アニメではなく色々な豊かなバリエーションを持っていることを、 そして3Dでも一部のクリエーターは頑張っていることを、キャプテンハーロックを通じて少しでも知ってもらえたら嬉しいし、 日本国内においても若い世代がOculus Riftのような没入間のハンパないデバイスであのスケール感と優れた3D表現に接してマニアになって欲しいのもである。





■ 日本でもオキュラス関連メジャービジネスがもうすぐ立ち上がる? (2014年2月5日)■
 ※参考記事は Internet Watchから

前スレで紹介したとおり、海外では既にオキュラス向けのアダルトなコンテンツ配信ビジネスが始まっているが、日本では技術的にもっと凄いことが始まろうとしている。
その1つが、昨年7月に業務資本提携したニコニコ動画のドワンゴとNTTが、ライブ会場の360度映像を、他の製品よりも圧倒的に視野角が広く安価なオキュラスを想定したヘッドマウントディスプレイ(HMD)に配信する 「全天周映像向けインタラクティブ配信技術」を用いたサービスである。
具体的なイメージは、ドワンゴのイベント会場「ニコファーレ」で行われているライブなどを、視聴者はまるで会場に居るかのように、360度自由に顔を向けた方向の映像を見られるというものである。 これが実現すれば、300人しか入れないようなコンサート会場でも、10万人でも100万人でも1000万人でも、まるでそのコンサート会場の真ん中や最前列の一番良い位置で見ているような疑似体験を味わえるのである。
さて、従来の方法では、360度全周囲の映像情報は膨大であり、それをリアルタイムに遅延無く全部送ることはよほどの力技を使わなければ不可能だったが、 NTTは「HMD装着者が顔を向けた方向の映像だけを選択的に高画質配信する」といった送り手側と見る側との双方向インタラクティブな配信方法によりそれを実現した。
この技術を使えばコンサートに限らず、花道のあるような歌舞伎の舞台や、演劇なども会場に居るような感覚で見ることができる。
また、既に実験で成果が出ているが、360度全天周映像の中に居ると人間は「時間もその映像に同化」してしまうので、 映像が録画された過去のものであってもあたかもリアルタイムのように錯覚して見ることができる。
つまり、時空がその場所にワープした感覚になる。このことは映像の歴史にとっても非常に大きなエポックだと思う。従来のテレビや映画は、いくら高画質で大スクリーンであっても、 目に見えているものはあくまでも固定された枠の中の録画されたものという覚めた意識のもとで見られていたが、全天周映像はその枠をとっぱずして「その時・その場」にいる感覚で見られるのである。
このことはCDやDVDが売れない現在のコンテンツ配信側・製作者側にとってもビジネス的に大きな革命をもたらすだろう。 つまり今までのライブコンサート収入は会場収容人数で制約されていたが、これからは本当にライブ会場に入って「肉眼で見れるプレミアム料金」と、 それを家などで受信して擬似体験する安価だが人数無制限の「バーチャル・リアリティ(VR)受信視聴料」の2通りで運営できるだろう。 もちろんその録画データを二次活用したブルレイなども従来のライブ・コンサート収録盤よりもプレミアム価格でも売れるだろう。

また、アダルト・チャットにも革命が起きるだろう。例えば全天周映像配信および録画のための女性の部屋をかたどったスタジオから行えば、 オキュラスで見ている視聴者はまるでその女性の部屋の中で女の子とイチャイチャしている感覚になれるし、あるいは女性側の部屋をグリーンバックにして配信し、 あなたの部屋の実映像と3D合成すれば、女の子があなたの部屋に来てイチャイチャしている感覚になれるだろう。
もちろん日本では法律の制限があるが、どうせならグアムなりハワイあたりに小さな部屋スタジオを作り、 チャットレディーは例えば1週間交代でギャラを払うような仕組みで日本から呼んでアメリカの法律の下で行えば無修正で配信できるし、 女の子もヘタや風俗より安全だし観光もできるし、十分ビジネスになると思う。

もう1つのビジネスは、ゲームはもちろんだが、新たにアイドルやグラビアモデルの「フルボディー3Dスキャンデータ販売」が日本でも始まると思う。
その推進者として今最も有力なのはホリエモンである。
つい先日、1月28日にニコ生で配信された堀江貴文の「コズミック論だん」と「裏コズミック論だん!!?自由に遊ぼうOculus 講座!??」では、現在彼はオキュラスにハマっており、 その可能性を十分評価しており、オキュラスをプラットホームにしたフルボディー3Dスキャンデータの販売ビジネスを匂わせる発言をしていた。また、来場者数:16111人/コメント数:3011の内、 番組のアシスタントの寺田有希の3Dデータが欲しい、5000円で買うといったコメントが多数投稿され、ホリエモンのやる気をさらに盛り上げたようだったので、意外に早く実現するかもしれない。

ただ問題も残っている。

その第1は、既に本コラムで紹介しているとおり、現在の「開発者向けオキュラス・リフト」(いわば試作品)を 「有機ELフルハイビジョン+前後も認識するヘッドトラッキング」など基本性能を大幅に進化させた製品版の発売時期がまだ決まっていないこと。
もちろん現在のバージョンでもソニーのHMDの数十倍も臨場感や没入感は強くて3万円台と安いのだが、コンテンツを含めて採算ラインを維持できる数を売るためには、 いまどきはフルハイビジョン画質は最低必要条件になると思われるからである。 おそらく遅くとも2015年には製品版が発売されるであろうから、それまでにフルボディー3Dスキャンのノウハウと実験を進め、 2014年中に高画質なサンプルを公開できるようなスケジュールで進めればオキュラス製品版の発売に合わせられるのでは、と思う。

もう1つの問題は、上記にも関わるが、「高画質なフルボディー3Dスキャンデータの作成を小規模なシステムでも可能にする技術の開発」である。
1つ前の本コラムで紹介したイギリスの「Infinite Realities」の撮影・データ化システムは、 そのホームページ(http://ir-ltd.net/)を見れば分かるように非常に大掛かりで調整やセッティングも大変そうである。
ホリエモンが資金を出すなり彼の知名度でクラウド・ファンディングで資金調達すれば今現時点でも十分実現可能だと思うが、実際のオペレーションを考えると、このような「物量作戦・力技」ではなくて、 もっと頭を使った小さなシステムとソフトウェアで「Infinite Realities」社と同等もしくはそれを超える画質・品質の フルボディー3Dスキャンデータを作れるのではないか、一般的なハウススタジオやホテルの部屋に持ち込めるようなスキャンシステムが作れるのではないか、 優秀な誰かが、既存の安価な民生用ステレオ3Dカメラ(ソニー、ビクター、パナソニック、フジフィルム)で、 前から後ろから上から下からの4枚の撮影データからデプス情報解析技術やシームレスな3Dモデリング技術を活用して完璧なフルボディー3Dスキャンデータを生成するシステムを開発するのではないかと、 私は期待している。
それができあがれば、そのシステムで簡単かつ安く制作できたフルボディー3DスキャンデータにMMDの技術を埋め込んで「なめらかに、自由に動かす」こともすぐにできるようになるだろう。

そうなると、今までのアイドルやグラビア・モデルの商品価値も大きく変わってくるだろう。なぜなら、ユーザーが好きなポーズをさせたり、好きな動きやダンスをさせたりできるようになるからだ。
リアルな世界でテレビのバラエティー番組やドラマや映画に演技者として出演できる人でなければ生き残れなくなるかもしれない。 単なる見た目だけで演技もコメント能力も無い人は、一度フルボディー3Dスキャンされただけで用済みになってしまう可能性もあるのだ。 かつてスタジオ・ミュージシャンたちがサンプリング音源技術の普及に伴って職場を失ってしまったのと同じように。
しかしアイドルやグラビア・モデルの場合は「年齢による変化、つまり少女から大人の女性に成長し、さらには熟女に至るその各過程のデータもそれぞれ商品価値がある」ので、 スタジオミュージシャンのサンプリング音源のようにはならないかもしれないし、また、そうならないようなビジネスモデルにしなくてはいけないと思う。
幸いにも日本には法規制があるため「全裸」は無理だろうし、アイドルの場合は衣服最小レベルがビキニの水着バージョンから始まってさまざまな衣装・コスチュームごとに製品化が可能だろう。 もちろんAV業界からは性器の部分をノッペリなデータに修正した全裸バージョンが発売されて、海外からはそれに組み合わせる「性器データ」が発売され、 少なくとも「静止画」に関して従来のような仕事は壊滅的に減ってしまうかもしれない。 アイドル系も不正にビキニを削除して乳首データやオマンコとアナルのデータを加えた海賊版が出るかもしれないので、それへの対応を今から講じておく必要があるだろう。

また、このような超リアルなVRコンテンツは、「少子化をさらに進めてしまう」と社会的に批判される可能性も大きいので、それに打ち勝つ理論展開で商品意義を強調していく必要があるだろう。 例えば、従来の2Dコンテンツと違って質感再現性も高いVRコンテンツはリアル社会でのリアルなセックスへのシミュレーション効果が高いことや、 女子高生のパンツの隠し撮りやレイプなどの性犯罪を大きく減らし、エイズなどの性感染症も劇的に減らす効果が期待できることなどをPRする必要があるだろう。
そもそも現在の少子化は経済問題が一番大きく、次いで晩婚化や恋愛・結婚できない男女の増加が原因なので、 あたかもAVや風俗産業が減ればその代わりとして結婚や家庭内セックスで出生率が増えるだろうといった考え方自体が国民を馬鹿にしている。 いつの時代も経済的に子供を養育できる環境があれば生む人は生むし、環境が整っていても生みたくない人は生まないし、結婚したくない人はしないのです。 しかし人間には男女共に性欲が確実にあるため、オナニー(風俗産業は単にオナニー行為の拡大版にすぎない)とそれをサポートするシステムは、 社会を健全に保つためには男女共に必要であると私は思う。





■ やはり海外ではオキュラス関連ビジネスはエロから (2014年2月5日)■
 ※参考記事は 「Infinite-Realities」並びに「OculusRealPorn」のサイトから

さて2014年1月を終えた時点でのエンターテイメント向けの3D(ステレオ3Dあるいはs3Dとも呼ばれるようになった)は、ヘッドマウント・ディスプレイ(HMD)型のオキュラス・リフト(Oculus RIFT)一択の状況を呈している。 裸眼3Dテレビやモニターはというと、2010年からの従来型メガネ式3Dテレビのマーケティングで非常に痛い思いをした「価格競争」を避けるために、 サイネージ、工業デザイン、医療など向けのプレミアムでカスタム・オーダーな高価格製品の方向に向いてしまい、一般ユーザー向けの低価格製品はなかなか具体化が進んでいない。
また、コンテンツを作る要の「3Dカメラ」も、自動車の「自動運転や自動停止機能に必要不可欠なモノ」としては進化が続いているが、コンシューマー向けの3Dカメラは、 今までマニアから散々言われてきた「可変ステレオベース(アダプターでも可)」や「ハイ・フレームレート(1秒240コマとか)」や 「Wi-Fiリモート・モニタリング」といった3D映像制作にとって、より3Dを効果的にする機能並びに合理的に撮影を進めるための機能(既製品へのオプションによる追加やファームアップによる対応でも良いから)が全く考慮されないし、 コンシューマー向け3Dカメラ自体がオワコン扱いで新製品も無く、既存製品は製造終了となっているのが現状である。 ただし一度は絶滅危惧種であったインスタント・フィルムカメラのチェキがアジア圏で爆発的に販売好調で復活したフジフィルムは、 コンシューマー向けデジタル3Dカメラの先駆といえるFine Pix Real 3D W3 の希望小売価格を安くしたマイナーチェンジモデルを 「世界で唯一のスタンダードなデジタル3Dカメラ」として製造販売している姿勢は頼もしいが、あくまでも業界の流れの中では例外である。

既存の3Dデバイスにとってはそんな厳しい環境ではあるが、「お一人様用と割り切った潔さ」「他のデバイスの追随を許さないハンパない没入感」で世界中にシンパを増やしているオキュラス・リフト(Oculus RIFT)対応、 あるいは専用コンテンツとしてのアダルトを売りにしたサイトが登場している。
本来はこの分野でも当3Dエロスが「世界初」を狙いたかったが、流石に360度自由視点で立体視可能で画質も良く質感が高い3Dスキャンを実現する撮影・編集システムを導入する資金力が無い。
そのため、現在、「少ない台数の3Dカメラでありながら高画質な3Dスキャンデータを作り出すソフトウェア」が開発されることを待っている状態である。

さて、ここで紹介する2つのサイトは共にオキュラス対応を目玉にしているが大きく異なっている。
まず左上に掲げた「Infinite-Realities」は、何十台ものデジタル一眼カメラで高画質にフルボディー3Dスキャンデータ化したものを販売しており、 オキュラスで見れば手に取ったフィギュアを360度自由な角度から眺めるのと同じように見られるのである。例えばスカートを履いた立ちポーズなら下から覗いてパンツが見えるし、 ヌードの立ちポーズなら下から覗けばオマンコが見られるし、近くに寄ってアップで見ることもできる。
ただし、まだMMDのようなモーションを組み込むことはこのサイトでは実現しておらず(実験レベルでは既に日本では成功している)、静止画である。

右上に掲げた「OculusReal Porn」は、その名のとおり、 オキュラスで見ることを前提に映像編集された無修正動画サイトであり、再生にはフリーソフトの「VR Player」(入手先:http://vrplayer.codeplex.com/)を用いて、 「擬似的に120度の視野とヘッドトラッキング」を実現するらしいが、元映像はあくまでも2視差の単純なステレオ・サイドバイサイドなので、後ろから見たり下から覗いたりはできない。
この方式であれば、今すぐにでも3Dエロスでも可能だが、それはオキュラスを用いた真の3D体験とは程遠いと私は考えているし、単にオキュラスで見るだけなら、 既に定番のステレオムービー・プレーヤーソフトの「Stereoscopic Player」が対応しているらしく(私はまだ試していないが)、 3Dエロスの既存の作品を見られるらしい。

では、3Dエロスが本当に実現したいことは何かというと、
●フルボディー3DスキャンしたモデルさんのデータをMMDなどの技術を使ってユーザーが自由に動かしたり躍らせたりできるようにすること
●さらにそれが、AR合成されて、あなたの部屋の中に現れて見えるようにすること
なのです。





■ 75億円超の調達資金で有機ELフルHDに進化したOculus RIFT "Crystal Cove" (2014年1月15日)■
 ※参考記事は 「C-Net Japan」並びに「週アス+」から

新年を迎えるとすぐに米国ラスベガスで開催される世界最大のIT&家電の祭典『CES』(正式名称は"International Consumer Electronics Show")は常に時代のトレンドを映すとともに、 その一歩先を見せてくれる魔法の鏡のような国際見本市だが、近年、ITや家電ジャーナリストだけでなく、マニアな民間人も世界中から訪れるようになった。
さて、そんなCESで昨年デビューし大きな関心を集めた初代「Oculus RIFT 開発者向けキット」については本コラムでもいち早く紹介しているが、 あれから1年、2012年に始まったキックスターターでの資金調達はあっという間に目標を達成し、さらに多くの投資ファンドやメーカー等が資金を投資した結果、 現在なんと7500万ドル(1ドル=100円として75億円)もの資金が集まったという。 わずか21歳の創始者の会社が開発した一見「オモチャっぽいしオタクすぎる」大きな3Dヘッドマウントディスプレイに対してである。
それも3Dテレビの世界的な失敗(失敗の原因は古い方式の3Dをあたかも新時代のものと大げさに宣伝して期待値を大きくしすぎたこととテレビとしての放送コンテンツ不足ではないだろうか)で、 ハリウッド映画以外では3Dへの一般消費者のニーズと関心がほとんど無くなってしまったにもかかわらずであり、その牽引役は3Dに拘らないバーチャルリアリティ(VR)派や オーギュメンントリアリティ(AR)派の若者たちのようである。
そんな"Oculus RIFT"が、 高精細なフル・ハイビジョン有機ELパネルとスムーズなモーションキャプチャーに進化した2014年プロトタイプ(開発コード名『Crystal Cove』)の詳細については、上掲のリンク先のレポートを読んでいただきたい。

そもそもHMD(ヘッドマウントディスプレイ)型のデバイスは、多人数でも見ることを想定した「テレビ」や「モニター」とは真逆の『完全おひとり様専用デバイス』であり、 没入感を求めるマニアや軍事や医療などの特定分野では液晶ディスプレイパネルの登場とほぼ同時に製品化されてきたものであり、それ自体は現在の3Dテレビ同様に新しいものではないし、 例えば90年代にはソニーのグラストロンやオリンパスのアイトレックといった民生向け国産製品もあった。が、クロストークの無い完全な3D視聴ができても 「視野が狭い」「装着感が悪く面倒」「画質が悪い」「拡張性がほとんど無い」「その割には値段が高い」ものであった。
HMDは没入感においては他のデバイスを遥かに凌駕していたが、そのためには広い視野と精細性が必要であり、究極は眼球を動かして見える範囲全てをカバーする必要があるが、 それを実現するには従来は頭全体を覆うような大げさなシステムが必要で、民生機としての製品化は無理だと思われていたのである。
その後も少数ではあるが主にゲーマー向けにアメリカ・韓国・台湾・中国等の企業からHMDは製造販売され続け、当3Dエロス開設当初の2006年には米国「Vuzix社」のHMDで実際に3Dエロス等の3Dコンテンツを見る手順を解説したりもした。 2010年に3Dが再び話題となったことから、ソニーから第2世代グラストロンというべき有機ELパネルを採用したHMD「HMZ-T1」が発売され現在の「T3」に至っているが、 「狭い視野」という課題をクリアするには至っていなかった。
そこに登場したのが、2012年当時若干20歳のカリフォルニア州立大学でジャーナリズムを専攻する学生"Palmer Luckey"が、安い既存のタブレット用液晶モニターを軸に、 広い視野を作り出すために元映像をソフトウェアで歪ませ再生視聴時に光学系でそれを補正するというアイデアで3万円台という安価な価格で試験的に売り出したのがゲームなどの開発者向け初代"Oculus RIFT"だった。

この初代"Oculus RIFT"は、その視野の広さと拡張性の自由度の高さから、 世界中のゲームマニア・ゲーム開発者やVR・AR開発者たちの関心を集め次々と"Oculus RIFT"向けのアプリや拡張デバイスが試作・公開されてきたのである。
中には当然に「究極のエロ・リアリティー(ゼロ・グラビティに引っ掛けてみた)を楽しむアプリ」も登場し、精細な3Dキャプチャーにより三次元データ化された全裸の女性を360度自由なアングルから寄ったり引いたりして見られる専用アダルト・サイトが登場したりしているし、 "Oculus RIFT"と電動でシコシコ動く男性用オナニー器具の「テンガ」を組み合わせた試作機も公開されている。
日本においてはMMDとモーションキャプチャーの技術を組み入れて現実の人間とその動きを初音ミクの3D映像にリアルタイムに置き換えて会話や握手が出来るアプリも登場しているので、 近い将来、アダルトチャットでは素人のサクラ女性やサクラ男性が、3DスキャンされたAV女優の立体映像になって、 "Oculus RIFT"を通して見たあなたの部屋やネットカフェの個室にAR合成されて出現し、 テンガと連動してあなたとバーチャル・セックスをするようになるかもしれない。
まじめな話、世界的に増えている男性不妊症の検査や人工授精のための精子を採集する場合などで、そのようなシステムが医療器具として登場するかもしれない。

さて、1990年代からいくつかのHMDを実際に使ってきた私としては、有機ELかつフルハイビジョン画質で視野も広い"Oculus RIFT"は非常に魅力的だし、 シューティングゲームやレーシングゲーム用に1台欲しいが、上掲の装着写真を見てのとおり、一般人にとっては、この姿を自分的に受け入れられるかどうかがまずチョイスするかどうかの分かれ目になるであろうし、 選択した場合も、外光を遮断するゴーグル形状から生じる「湿気」(ゲームやアダルトでエキサイトすればするほど湿気で曇る)を今後どのようなアイデアで無音のままで解決するかが結構大きな問題だと思う。
何はともあれ、製品版の発売は2014年から15年の予定らしいので、楽しみではある。





■ 2014年は若者たちによる古き良き時代に回帰する3Dも出現(2014年1月2日)■
 ※参考記事は"キックスターターのPOPPY 3D"の紹介ページから

ハリウッド映画では年末から3D大作『ゼロ・グラビティ』(日本以外では、 苦難を乗り越えて地球に生還して立ち上がろうとするサンドラ・ブロックのフラフラな足元が重力=地球に生きて戻れたことを象徴する原題の「GRAVITY」で上演されている)がヒットしている。
この作品は2Dで撮影されたものからの非常に高度な3D変換と3DCGを巧みに用いる方法で、従来の2眼ステレオ3Dカメラでは不可能な広大な宇宙という3D空間を作り出すことに成功しているし、 特にハーフミラーを用いた2眼カメラの場合の「左右色ズレや反射光ズレ」「微妙な縦ズレ」などの弱点もなく、また、例えば「ピラニア3D」など初期の2D3D変換のような距離の前後関係が メチャクチャな酷さも無く、今後の大作3D映画制作方法のデファクトになるかもしれない。
もちろん、実写3DのIMAX版『ハッブル宇宙望遠鏡』や国際宇宙ステーションの記録映画を見てきた3Dマニアなら若干の違和感を感じるかもしれないが、 エンターテイメントとしては『アバター』上映からわずか3年でハリウッドの3D映画制作技術がここまで進化したことは驚異的なことだと思う。
さて、巨費を投じて制作されるハリウッド映画とは違い、「個人が楽しめる3D」に関しては、その撮影デバイス(3Dカメラなど)を作るべき日本企業が3Dから撤退してしまったことや、 放送が2D3D互換でないために普及しない3Dテレビが逆に3Dの普及を邪魔しているために、個人レベルでの3D普及はなかなか進まない状況だが、2013年には、若者が中心となって開発した 「個人で楽しむ3D」のためのデバイスがいくつか登場している。
その代表的なものは既に本コラムで紹介しているヘッドマウントディスプレイの『Oculus RIFT』であり、そして2013年末に登場した今回紹介する『POPPY 3D』である。
この2つに共通することは、『過去の3Dデバイスの良い部分を活かしつつデジタル化し安価で使いやすくしたこと』にあると思う。
つまり、『Oculus RIFT』も『POPPY 3D』も、その原型は150年以上も昔のステレオ・ビューアそのものである。
もちろん、単にデジタル化しただけではなく、デジタル化によって得られるARや通信機能などの付加価値を盛り込んでコンテンツを無限大に増やしている。
今回紹介する『POPPY 3D』は、キックスターターで資金を募って製品化を進めているもので、普及率の高いiPhoneを昔のステレオビューアのフィルム代わりにし (その方法によるステレオビューアは他にもいくつか製品化されている)、かつ、 昔のミラー式ステレオアダプターをiPhoneのカメラの前面に付けることで、これ1台で3D撮影(静止画もムービーも)ができてしまうという非常にアイデアに富んだものであり、 価格も日本円で5千円程度と非常に安価である(例えばペンタックスのステレオアダプターはそれだけで1万円ほどする)。
ただし、これで撮影されたステレオ映像は縦横比が8以下:9であり、現在主流の16:9と互換性は無いが、 逆に言うと昔の120フィルムで撮影された66(ロクロク)版ステレオスライドや35mmステレオスライドと同じような画角で立体感を楽しめる。 そして何よりも重要なことは、ビューア側はもちろんだがカメラ側もステレオベースが「ほぼ眼幅」なことである。もちろん「眼幅」では近寄ったマクロ撮影はできないが、 日常の光景を写すには「眼幅」が最も自然なことは100年以上を掛けて先人たちが結論付けてきたことである。 ソニーやビクターやパナソニックの3Dカメラや3D交換レンズが採用した20mm〜30mm台のステレオベースは、1m以下の近接撮影には向いているが、 日常撮影領域では全くステレオベースが足りずにペッタンコな書割りな3Dになってしまい3Dの意味がなくなってしまう。
もちろん、『Oculus RIFT』も『POPPY 3D』も万人に受け入れられるものではないし、3Dを広く普及させるものにはならないが、 ビューアを覗き込んだ時に目の前に広がる無限の3D空間という非日常性をひとりで楽しむという、3Dが持つ本来の楽しさを現在の技術で蘇らせたと言えるもので、 今後さらにiPhoneなり小型のタブレットの画質が上がれば昔のステレオ3Dビューアの画質に近づき、 銀塩フィルムではコストと手間の問題から普及が難しかったコンテンツもデジタルなら簡単に共有できるから新たなコミュニティーが世界に繋がっていくかもしれない。
ハリウッド大作やPCゲームとは別の「個人ベースの3D」にも大いに期待したい。





(コラム中、意見の部分はあくまでもWebmaster 藤山土門の個人的見解です)