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■ The 3D Bubble...(2011年12月28日)■
 ※参考記事は "sortable.com" のウェブサイトから

1つ前のコラムでは日本での3Dブーム終息について書き、その中で、海外では今回のブームはいまだ順調に拡大していることを指摘したが、それらを非常に分かりやすく 数値でまとめ、映画の3D版売り上げが減ってきたことから「3Dバブル弾けそうだね」と分析した記事の存在をTwitterからの情報で知ったので以下にそのまま転載します。
アメリカのボックス・オフィス(映画や劇場のチケット販売窓口から転じて映画産業並びに興行成績などの総称)中心の分析で、 ビデオゲームやネット上の3Dサービスについてはほとんど触れられていないが、いかにここ数年でアメリカでは3Dマーケットが急拡大したかが分かりますし、 これらの数値を見ていると私も「その反動が怖い」気がします。 アメリカでは「3Dブーム30年周期説」のようですが、日本や韓国では10年ごとに小さなブームが訪れて3D技術が進歩してきましたので、最大のマーケットである アメリカでの次の3Dバブルの2040年頃には日本の技術でホログラフィックに近いイメージの3Dが様々なデバイスで実現していることを私は期待していますが、 中国に持っていかれそうな予感もします。






■ 日本の3Dブーム終息を総括し、明日を考える...(2011年12月25日)■

2011年12月、シャープからドコモ及びソフトバンク向けに高画質な1280x720ピクセル・ハイビジョン表示可能な裸眼3Dモニター搭載のスマートフォンが発売され、 ドコモ機は発売から4週連続で全スマートフォン売れ筋ナンバー1となったが、それを3Dのために買った人はほとんど居ないし、シャープの製品紹介サイトを見ても、 3Dについてはお尻の方に数行だけオマケ程度にしか書かれていない。
2chの3Dテレビ関連スレッドはもはや完全に終息し、3Dカメラ関連スレッドも同様。わずかにソニーの3D対応HMDだけが品薄もあってか盛り上がっているが、HMDで初めて 本格的に見える3Dを体験した初心者のカキコミが圧倒的に多いように思われ、その装着の面倒さや重さから、今後は過去のHMD同様に一部のマニアや医療関係者 など以外にはメインの3Dデバイスにはなり得ないと思われる。
ニンテンドー3DSについても、3Dムービーにようやく対応し、鉄板ソフトも順次3D版になって発売され、徐々にかつての栄光を取り戻しつつあるが、3D普及の 起爆剤的役割を求めていた業界の期待に沿う実情ではない。

しかし海外を見ると、粗悪な2D3D変換による3D映画が多いにも関わらず、アメリカ、ヨーロッパ、そして異常に3Dやエロが好きな中国では3D市場は拡大しており、 改良・低価格化された3D関連商品が継続的に開発・販売されている。
昔からリアプロジェクション方式の100インチテレビが中流以上の家庭のステータスシンボルの1つだったアメリカ向けに三菱などは90インチクラスの3D対応テレビを 発売するし、中国では香港のみで上映されている蒼井そらなどが出演しているアダルト3D映画が空前の大ヒットを続け、 当3Dエロス・コムにアクセスしている人の半数近くは中国IPである (ただし中国からの申し込みは不正クレジットカードが多いので全て拒絶しているので裏技を使わない限りはメンバーにはなれない)。
また、経済発展が著しいインドも、既に数年前からアナグリフによる3Dテレビ放送が行われており、映画好きな国民性から、今後はアメリカ・中国に並び インドが最大の3D市場になるかもしれない。

さて2010年の最後に当たり、そんな3D分野でも日本は大きく遅れを取ってしまった現在、その終息の原因を検証し、将来を考えてみたい。

■3Dテレビの功罪

パナソニックを筆頭にテレビメーカーのほぼ全社から大々的に発表された薄型3Dテレビについてまず考えてみたい。
そもそも現在のフレームシーケンシャル+アクティブシャッターメガネ方式は20世紀から存在する古いシステムであることをこのコラムでは指摘し続けてきた。 何も古いからダメといっているわけではない。 たとえそれがフルハイビジョンになった現在でも、フレームシーケンシャル+液晶シャッターメガネ方式の「チラつく」「暗い」「重い」「大きい」「時間軸がズレる」 というデメリット自体がほとんど解消されておらず、それをオプションとしてではなく、あたかも「21世紀のテレビ」といったようなイメージ戦略で高額な価格で 売ろうとしたことで、逆に3D全体に対してネガティブなイメージを与えてしまったことが最大の罪だと思う。
もちろん海外においては日本人のように画質がどうのこうのと言うユーザーは市場のマジョリティーではない。2D時代は画質が悪くても大画面で迫力のある超大型の リアプロ式テレビが受けたし、3Dの場合はそれがアナグリフであろうとSD画質であろうと、楽しければそれだけで十分買う意味があると思う人が多いので、 あとは価格だけが購入を左右する基準となり、結果的に低価格化を進めた韓国メーカーの前に日本メーカーはあえなく敗退したわけである。液晶メガネを通して見る 画質など、そもそも一般ユーザーの審美眼には大きな違いが無いことをもっと早く日本メーカーは認識すべきだったと思う。
さらに日本では、3Dテレビというハードは売り出したものの、それで見られる3Dコンテンツが、テレビ番組を含めて圧倒的に不足したままの状態である。
海外ではスポーツ番組(これについては眼への負担上問題もあるが)やお色気を加味したバラエティー番組、もともとケーブルテレビが一般的なエリアでは有料の アダルト3D番組を数多く流すチャンネルなどが増え(最近もイタリアの企業から3Dエロスの放映権を買いたいとのオファーがあった)、加えて、 昔からパソコン用ゲームが普及し、3Dゲームも市民権を得ていたため、プレステ3やXboxなどで遊べるゲームを含めた「パーソナル需要」があったことから、 日本とはベクトルが違う3Dテレビ普及要因があったと言える。
しかし日本では、従来の2Dテレビ同様に「一家団欒の中心のリビングテレビ」的な発想から抜けずに、一般消費者のニーズには全くそぐわない「異物家電」となってしまった。 上の写真を見てパッとイメージすれば分かると思うが、そもそもこんなメガネを子供も両親も掛けて、夕食を食べながら3Dテレビを見るなんてこと自体があり得ないことを メーカーは事前に想像しなければいけなかったはずだ。
ちなみに、日本の3Dを推進する側の企業・学会団体で最近行われた会合で調査したところ、推進する側の人間でありながら個人的に3Dテレビを持っている人は100人に1人ぐらいしか 居なかったという事実は見逃せない。3D関連のメーカーの人や大学の研究者の99%にとっては、買えないほど高額ではなくなった今も、 現在の方式の3Dテレビは何が何でも欲しいモノではないのである。自分達が欲しいとも思わない・買わないそんな製品を売り出して売れるはずはない。

それでは逆に3Dテレビがもたらした功は何かといえば、少なくとも今まで日陰者・キワモノ・ヘンタイと蔑まれていた3Dに一時(いっとき)とはいえ脚光が当たり、 マスコミにも数多く登場し、民生用の3Dカメラなども発売され、テレビに限らずパソコンやケータイなどのモバイル機器にも3D機能が低価格で盛り込まれたことなどの 波及効果があったことだと思うが、それだけだったとも言えるし、今はその反動に苦しむ結果となったとも言える。


■明日に向けて

3Dテレビの激しい値崩れや低価格で比較的に高画質な3Dデバイスが増え、当面はステレオ出力が比較的簡単に実現可能な3DCGゲームが牽引役となると思われるが、 幅広いニーズを掴むにはいまだに日本では圧倒的に3Dコンテンツが不足していることが大きな問題である。

それを解消するには、一般ユーザーや無数に存在する小規模プロダクションが手軽に3Dコンテンツを撮影・制作をできるような3DカメラやステレオCGソフトと、 それをフルハイビジョンの高画質でブルレイに焼けるオーサリングソフトが必要である。
既に3Dカメラも3Dカメラ内臓のスマホも、ステレオ出力できるCGソフトも発売されているではないかと言われそうだが、カメラについては一部の製品を除いてどれも ステレオベースが狭すぎて一般ユーザーが期待するような「立体感」には撮れず、ペラペラな紙人形を重ねたようなカキワリでしか撮れないし、CGソフトに関しては とても安価で使いやすいと言えるものは存在しないし、3Dブルレイへのオーサリングは数社しかない専門業者に高額なオーサリング料金を払わないと出来ない。 これでは、例えば小規模でもマニア向けに優れたフェチな作品を作るノウハウがあり固定顧客を多数持っているようなプロダクションなどは3Dコンテンツ分野に 参入できないし、マニアが折角すぐれたステレオCG作品を作ったとしても3Dテレビ向けにはサイドバイサイド・ハーフの画質でしか作れない。

そこで必要なのは、このコラムで何度も提言しているように、「見たままのパースペクティブに近い立体感で撮れる3Dカメラ」とCGを含めて手軽にステレオで編集し、 それを3Dブルレイに焼けるオーサリングソフトがまず必要だと思う。
「見たままのパースペクティブに近い立体感で撮れる3Dカメラ」は簡単ではないことは分かっているが、3Dにとっては2Dカメラにおけるフォーカス、アイリスと同じく ステレオベースとコンバージェンスの調整機能は必須の要件である。これが被写体に応じて可変できなければいつまでたっても不完全な3Dカメラのままであるし、事実、 3Dのプロやアマチュアのほとんどが今でも2台のカメラでステレオベースを調整して撮影しており、出来合いの3Dカメラを使っているのは低予算なアダルト作品 ぐらいである。
その解決策としては、日本の精密工作技術を活かせばステレオベースとコンバージェンスをオートとマニュアルの双方で調整可能なものや、 完全ではないが、安くなったフルHDカメラユニットを多眼に並べて被写体までの距離などに応じて切り替えて使い分けるシステムなどで対応可能だと思うし、そのような カメラはあくまでもマニア向けとして、低価格や小型さにこだわる必要も無い。実売価格が現在5万円程度のカメラと同等画質であれば15万円〜20万円程度ならば 世界中の3Dマニアは買うと思うし、逆にパパさんママさん向けを想定したものにはアマチュアといえども3Dマニアの触手は動かない。
パナソニックがハイアマチュア向けに売り出したZ10000は良く出来た3Dムービーカメラで既に海外の3Dテレビ局やコンテンツ制作会社に取材ロケや手持ち近接撮影用 として結構な数が売れているようだが、ステレオベース42mm固定ではやはり不完全としか言えない。せめてステレオベース拡張アダプターなどがオプションで装着できないと スポーツや広い会場での音楽ライブ撮影には使えない。

次に必要なのは3D編集ソフトである。
すでにグラスバレー(旧カノープス)から、3D対応のEDIUSのベータ版が公開されている。しかしながらEDIUS自体が求めるパソコンのスペックがマニア向けレベルと 高いので、もう少し敷居が低く安価なものが必要である。そのような1万円以下の3D編集ソフトの開発をアイオーデータが進めてはいるが使い勝手やレスポンスが悪く、 有料ソフトであるにもかかわらずアイオーのロゴが入るなど問題が多い。
米国ソニーのVegasシリーズは低価格版でも3D編集に対応してはいるが、基本的にソニー機で撮影したMVCフォーマットでなければ編集できないし (現在の新しいAVCHD-3Dフォーマットならばビクターやパナソニック機で撮影したものも編集可能かもしれないが私はまだ検証していない)、3D編集機能はそれほどでもない。 3D編集ソフトに関しては、2D編集ソフトのオマケ機能としての3Dではなく、あくまでも3D編集がメインでオマケとして2Dの編集も出来るといった感じで、 実際に3D編集をメインに行っているプロやアマチュアの意見をもっと取り入れて使いやすく、かつ、安価に仕上げたものが登場することが今後の3D普及には必要不可欠だと思う。

さて、3Dテレビ放送に関しては、現在のサイドバイサイド・ハーフでは2D環境の人は見られないし、3Dテレビを持っている人の場合も画質の劣化が大きい。 特にフレームシーケンシャル+液晶シャッターメガネ方式に代わって売れ始めた偏光インターリーブ+円偏光メガネ方式の3Dテレビでは縦も横も解像度が半分になってしまい、 とてもフルHDとは呼べない(それでもコンテンツによっては十分に楽しめるが)。
現在の放送規格のままで左右フルHD動画を高圧縮にデュアル・ストリーム化し、2DテレビではそのままフルHDな2D映像として再生可能で、3Dテレビの場合は デコードするための特殊なチップを内蔵したセットボックスを繋ぐことでブルレイ同様の左右フルHD(もしくは720p)な3D映像として再生できるシステムによる テスト放送が、既に今年の始めから韓国ソウル市並びに日本ではTBSが赤坂エリアで行っているが、テスト結果を含めた詳細が公開されていない。
このシステムの特許は小さなベンチャー企業が持っており大企業の参入を排除しているらしく、また、その特殊なエンコードとデコード用のチップの性能も安定しないのが 実用化の足かせになっているらしい(情報が不足しているので実態は不明である)。
本来ならば現在の3Dテレビを売り出す前に、放送業界とパナソニックやソニーなどのメーカーが一体となって「2D/3Dコンパチブル」なシステムを開発してから 発売や放送開始を行うべきたったと思うが、現行の放送規格で実現可能ならばこれからでも遅くはないので、特許を買い取るなり使用料を払うなりして開発を進めてもらいたいし、 それなくして3Dテレビも3D放送も普及しないだろう。

色々と制限が多い3D放送・3Dテレビと違い、パソコン、スマートフォン、タブレットは自由度が高いので、3Dマニアやちょっと試してみたい人々向けに インターネットを使った配信を含めて今後急速にHD化が進むと思われるが、あくまでも3Dコンテンツとそれへのニーズが無くては普及は進まないので、 上で述べた3Dカメラと編集ソフトの開発・普及が前提となる。 併せて、YouTube3D以外にも3Dコンテンツを共有して楽しめるサービスを大メーカーなり携帯キャリアが率先して行う必要があるだろう。

また、少し特殊分野ではあるが、早くから3Dが用いられていた外科手術分野では現在、裸眼3Dモニターへのニーズが高まっている。
大病院や大学病院の一部には既に3D内視鏡手術システムが導入され、執刀医はHMDのように直接左右の眼で見られる3Dビューアーを見ながらマニュピレーター を操作して複雑で緻密な手術を行っているが、その補助者やインターンは、執刀医が見ているものと同じ3D映像を日本ビクター製などの高画質な偏光インターリーブ方式 の3Dモニター+円偏光方メガネで見ている。 マシントラブルが許されない外科手術の現場では、シンクロ信号が途絶えたりチラつく液晶シャッターメガネ方式はリスクが大きくて使えず、また、資料を読みながら、メモを取りながら 手術を見るにも液晶シャッターメガネは適さないからだ。 しかし比較的に明るくチラつきの無い円偏光メガネといえども資料確認やメモをとりながらの視聴には不満が上がっており、 明るく数人で同時に見られる、あるいは一人ずつ専用として見られる裸眼3Dモニターの開発を求められており、 明るさと多視差の点からレンチキュラーとリアルタイム多視差化によるシステムが有力となっている。 それらは医療用ということもあり、コンシューマー向けシステムの2桁上の高額なシステム価格でもニーズがあり、手術という臨床がそのまま機能テストにもなり改良が進む。 そこで培われた技術をコンシューマー向けの製品に転用することで、安価で高性能な裸眼3Dシステムの開発が進むことが期待される。

ともあれ「3Dで見られるデバイス」はニンテンドー3DSの300万台を筆頭に、3D対応スマートフォン、3D対応パソコン、3Dモニターや裸眼3Dフォトフレーム などが2011年12月時点で既に世界中で1千万台以上の数が普及していると思われる。 あとはそれを有効に活かすコンテンツとサービスが充実すれば、一定規模の恒常的な3Dユーザーを確保できると思う。

決して私は今後の3Dを悲観的に思っていない。




■ へそ曲がりな私だからあえて「3D VISION 2」に期待する...(2011年10月15日)■
 ※参考記事は "NDIVIA" の製品情報ページから

最近3Dに興味を持った人の中には、このコラムをきちんと読み込まずに、私があたかも「偏光方式」に偏向していて、 アクティブシャッターメガネ方式を完全に否定していると思っている人が多いが、なんとも短絡的で誤った読解力だと思う。
私がアクティブシャッター方式の3Dテレビに批判的なのは、
\里らある古い方式なのにあたかも新技術のように宣伝して高く売ろうとしていること。
▲廛薀坤泙皹嫋修發つてのブラウン管式ハイビジョンテレビを用いたアクティブシャッター方式の3D画質に追いついていないこと。
1嫋愁轡礇奪拭璽瓮ネが10年以上前からほとんど進化していないこと。
からであり、
’型テレビは本来の2D画質を高める過程で必然的に3D性能もアップするから3Dメガネをオプションとした標準機能にすべき。
▲▲ティブシャッター方式の欠点である「暗さ」「緑被り」「チラツキ」を解決すべく、液晶シャッターレンズの改良と液晶に限らず新たな素材を開発すべき。
フィールドシーケンシャルの「左右時間差」を認識レベル以下にするためにモニターの応答速度をさらに高めること。
だと思う。
これらの課題が克服できれば、大画面で観られるメガネを掛ける方式としては現状ではフルHD画質を可能とする民生用のシステムとして最適だと思っているし、 4K2Kモニターが普及すればさらにその高画質を発揮できるシステムだと思う。

もちろん、現在多くの一般の人々は、上記の課題が克服されたとしてもやはり「メガネがウザイ」「いまやパソコンは5万円以下がフツーなのにシステム全体として高すぎる」 ことから普及はしないだろうとは思うが、昔を知っていて、現在の液晶モニター+液晶シャッター方式の3Dに我慢がならない3Dファンをこの方式に呼び戻す可能性はあると思う。

そんな中で、NDIVIAが「明るく」「クロストークを少なく」した『NDIVIA 3D VISION 2』を発表し、日本でも11月からリリースされる。
さて、市場では「どうせメガネを掛けるならば、軽くて明るくてチラツキがなくて費用的にも3万円程度のモニターを買うだけで済む円偏光方式でいいんじゃね」 が主流となり、三菱のiPS採用の円偏光3Dモニターの実売価格がどんどん安くなって普及が進んでいるが (2011年10月現在、価格コムで再びベスト3に返り咲きするというモニター業界では異変が続いている)、ヘソ曲がりな私としてはここであえて『NDIVIA 3D VISION 2』 に期待したい。
私の目的とNDIVIA 3D VISION 2への期待は、多くの一般の方々がゲームや3Dムービーでの明るさと高画質化を望むのとは違い、 『立体写真をフルHDで綺麗に見ながら編集したい』からである。動きのある被写体では無理だが、風の無い日の風景やモデルさんの静止ポーズをHDR撮影したものを最高画質で 見たいからである。銀塩ポジフィルムでの3D撮影と鑑賞は今では極めて贅沢な趣味になってしまっているから、それをデジタルで限りなく近づけたいのである。
実は数年前にIBM製4K2Kモニターの大量の中古がどこかのデザイン会社・印刷製版会社辺りからPC DEPOに出回ったときに、これをどうにかして立体写真の編集用モニターに使えないかと 真剣に考えたことがある。リフレッシュレートが低くて液晶シャッターメガネとの組み合わせではチラツキとクロストークが酷くて使えなかったのだが、 PCでの観賞用に限らず週刊誌などの3D印刷物用の原画編集用には拡大してフル画素で細部までを3Dで確認できるものが欲しいのである。
NDIVIA 3D VISION 2を実際に試したレポーターによる記事では新たな『Light Boost』機能により体感的に2倍ぐらい明るくなり、 クロストークも少なくなっているらしい。ただし、『Light Boost』機能に対応したモニターでなければこの恩恵は得られないから、 キット自体の価格が3年前の198ドルから50ドル安くなったとはいえ、対応モニター、対応グラフィックボード、対応OSと全部を揃えると今時では「高い」 と感じてしまう総コストになってしまうことが気掛かりではある。



■ バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2の「ジョーズ19の飛び出る看板」が現実に...(2011年10月10日)■

1989年制作の大ヒット映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』には2015年の未来に行ったマーティーが、街で3D映画『ジョーズ19』の看板から巨大なサメが飛び出して 襲われそうになって驚くシーンが登場するが、2011年の現在、日本の独立行政法人『情報通信研究機構(National Institute of Information and Communications Technology=NICT)』が CEATEC JAPAN 2011で見せたデモはそれをほぼ現実のものとした。
既に今から3年前のCEATEC JAPAN 2008で、NICTは小さなブースの中で横幅1m程度の空間にCGで描かれた黄色いランボルギーニを立体投影させる実験を公開していたが、 当時の研究員は「動画や実写は難しい」と言っていたし、3Dマニア以外でそのニュースを取り上げたマスコミはほとんど無かった。
それがわずか3年で、200インチの特殊なスクリーンを用いて、フルHDな3DCG動画を裸眼でクッキリと立体に見せられるところまで進化した。
さらに驚くのは、CEATECでは予算とスペースの問題から57台のプロジェクターによるデモだったが、本来プロジェクターは200台であり、 その場合は見ている人が左右に3m以上回り込んで見てもその場所から見えるべき面が見える立体映像が可能となり(分かりやすく他の例で説明すると、 例えば正面からはパンティーが見えない横座りしたミニスカートの女性の映像を横に回り込んで見るとパンティーが見えちゃうのだ)、また、 視差切り替わりの際の「ブラックバンド」もほとんど無くなるという。 (写真はフラッシュ禁止のためブレているが200インチスクリーンからこんなCG動画が裸眼で飛び出して見える。右下の黒いモノは最前列で見ている人の頭。)
1982年に制作された映画『TORON』で初めて大規模に用いられたCG技術を当時の映画人や一般大衆はほとんど評価しなかった。が、その可能性にインスパイアされた わずかな先駆的クリエーター達がその後30年を掛けて「CGが当たり前」な現在の映画やテレビ映像にまで進化させてきたわけだが、2008年のCEATECでのNICTの「動かないランボルギーニ」の デモを見てそれと同じような直観を抱いた人はTORON同様に少なかったと思う。
しかし今回のデモは一般の人にもその可能性をアピールするにはかなりのインパクトがあったし、特に動画で「奥からサメが登場して飛び出した位置でポーズする」シーンは、 明らかにこのコラム冒頭の『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』を意識したものだと思う。NICTはSF映画で描かれた2015年の未来の世界を2011年に実現させているといった意気込みを 感じた。

もちろんこれがそのまま家庭に入るわけではない。
プロジェクターの超小型化と高出力化を両立させ、スクリーンもさらに効率よくして昼間の野外でも見られるようにし、多視差で実写撮影が出来るようなカメラとソフトと 映像圧縮・記録、送受信技術の開発が必要だと思う。
しかしプロジェクターに関しては既にニコンなどのコンパクト・デジカメやハイテク文房具に超小型のプロジェクターは内蔵されているので、三菱のようなレーザー技術との 併用で超小型な200台のプロジェクターアレイを実際に作ることは不可能ではないと思うし、スクリーンも映画館のロビーや地下街といった室内設置ならば 新宿アルタの壁面モニターのように明るくする必要はないし東北大学が3年ほど前に公開した「明るい場所でも綺麗に見える背面投影型スクリーン」で実現できそうだし、 実写の撮影もNHKのようなインテグラル複眼レンズカメラでなくとも4眼ぐらいのカメラで撮影・記録・送信し、それを映写側でリアルタイムにソフトウェアで補完していくことは既に可能だと思うので、 サイネージ目的やカーデザインの現場などですぐにも導入できる技術だと思う。少なくともNHKが進めているインテグラル方式がフルHD画質になるには16K8kモニターでも 難しいと思えるから、NICT方式はそれよりもはるかに現実的だと思う。
なお、「ニュース番組の女子アナや女子校生ドラマを下から覗いてパンツが見える」ような裸眼3D映像は、公序良俗の観点からアダルト以外では絶対に作られないと思うから、 そんなものは期待しないように。

なお、NICTは超臨場感映像技術の研究開発だけを行っているわけではなく、どちらかと言えばそれは「片手間」の仕事であり、レンホウ女史から仕分けされないためにも 本来主眼としている「情報通信技術」分野で優れた研究開発を行っている。そのひとつが、三菱重工や政府機関を狙った最近の「サイバーテロ」に対抗して リアルタイムに監視する「NICTER」である。
従来から存在した「サイバーテロ発信元トレース技術」はビジュアル的にとっつきにくいものだったが、昨年公開されたこの「NICTER」は、 あたかも日本の特定のサーバが様々な国からミサイル攻撃を受けているような「ゲームのような」グラフィックで分かりやすい。さらにミサイルにカーソルを置けば 発信元PCの国名・所在地・IPアドレスなどの情報がこれまた国旗付きの映像で表示される。
やはりシステムの要は、分かりやすいGUIというかグラフィックデザインが重要だと思う。

さてNICTは、今回のCEATEC JAPAN 2011で行った裸眼3Dデモをさらにブラッシュアップして、来年4月にラスベガスで開催される全米放送機器展「NABショー」 に出展するらしい。
私もこの裸眼3D投影システム技術は世界に誇れるレベルのものだと思うし、さらに進んだものへと進化させるための資金集めやスポンサーを獲得するためにも、 色々な場所でアピールして関心を集めて欲しいと願っている。
さらに、可能ならば来年4月までに女性モデルによる「実写」のデモ、それも1シーン5秒程度なのだから安全基準などは無視してとにかく「グワ〜ンと飛び出るデモ映像」 を完成させて、世界の放送・広告関係者の度肝を抜いてもらいたいものである。それまでの期間では実写が無理な場合は、少なくともスクリーンから飛び出て歌い踊るCGの 「初音ミク」(もちろんパンチラと長ネギを前に突き出すポーズあり)と現実の人間とコラボさせるようなデモは行ってもらいたいと思う。




■ エンジニア目線ではなくクリエーター目線の3Dカメラとソフトが必要だ!...(2011年9月23日)■

3Dが普及しない原因として「メガネがウザイ」「高い」「コンテンツが少ない」と言われ続けたまま2年が経過した。
「メガネがウザイ」ことについては、逆に「3Dメガネがウザイからこそ、ようやく日本の先端技術を前面に打ち出せる裸眼3Dを発表できるような環境になった」 と前向きにチャンスと捕らえて裸眼技術のブラッシュアップを進める企業も現れたし、おそらく日本の各メーカーは韓国や台湾との差別化と「日本ブランド」の復活のためにも裸眼3D テレビの高画質化に向けてスピードアップしていくと思われる。
価格も、元々SD画質のテレビでも不満を抱いていなかった一般消費者には安価な偏光インターリーブ方式の3Dテレビの登場で3Dテレビ全体の価格下落が今後も 加速していくというか、少なくともフレームシーケンシャル+液晶シャッターメガネ方式はテレビの基本性能の一つとして「オプションの液晶メガネを買えば3Dテレビになる」 方向に進み「価格問題」は消滅するだろう。
最後に残ったのが「コンテンツ」問題である。
しかし、既に従来型の「テレビ番組」は飽きられ、ニーズはどんどん下がっている現状では、一部の教育用コンテンツを除けば、プロ任せの3Dコンテンツは 「ハリウッド製大規模な3D映画と3Dアニメ」と「ファンの多いアイドルや音楽」と「オカズとして消費されること自体が存在理由のアダルト」だけだと思う。
ではニーズはどこにあるかといえば、既にYouTubeやニコニコ動画やUSTREAMで実証されているように「ユーザー自身が作りユーザー同士が楽しむ」ものなのだが、そのニーズを満たした 3Dカメラと編集ソフトが無いことが問題だと思う。
『民生用3Dカメラは既にパナソニック、ソニー、ビクター、フジフィルムなどから発売されているではないか』と突っ込まれることは分かっているが、実際にそれらを使ってみると 『ユーザー目線で求める機能ではなくエンジニア目線で作られたもの』という感じを強く抱く。
具体的に言えば、その第一は、3D映像撮影のキモの1つであるステレオベースが「フジフィルムのFinePix Real 3D W3以外はステレオベースが狭い」こと。
パナソニックの3Dコンバーターレンズ式カメラに始まった国産3Dムービーカメラは、どれもステレオベースが20mm〜35mmと実際の人間の目幅の平均65mm(子供は50mm〜55mm)より かなり狭い。昔からの3Dマニアにとってはそれは「マクロ撮影用のステレオベース」であり、被写体までの撮影距離が1m以上の一般的な撮影環境ではペラペラなカキワリを 前後に並べたような量感の無い3Dにしかならない。例えば写真のソニー3Dブロギーのステレオベースは20mmだが、それで撮影した3Dは完全にカキワリで、 「飛び出す絵本」ほどの前後感も無い。
3Dマニアや研究者は100年以上も昔から「いかに自然な立体感を再現できるか」を追い求めて様々な実証実験を繰り返し、その結果、撮影距離1、2mから10mぐらいの 一般的撮影条件では人間の目幅と同じ60mm〜80mm程度が最も良く、それをベースにした銀塩カメラがたくさん作られてきたわけである。
ではなぜ現在大メーカーから市販されている3Dカメラのステレオベースが狭くなったかと言うと、ひとつには50インチクラス以上の3Dテレビでも見ることを想定した 3Dコンソーシアムの安全基準ガイドラインに基づき、3D撮影のイロハを知らない一般のパパさんママさんが撮影しても3Dテレビや3Dモニターなどで見る場合の左右映像の横方向のズレ幅が子供の眼幅の50mmを超えないこと (最大許容視差)を優先し、さらに安全基準の上限の50%ぐらいの数値にしておけば、もしも訴訟になったときにも 「当社の製品は安全基準の2倍の安全数値に基づき製品化しました」として裁判で負けないようにしているからだと思う。
もちろんこのような「安全基準」は一般向けには必要だが、一般消費者がわざわざ3Dで撮るのは3Dらしさを求めているからであり、派手な飛び出し感を求めるのが 自然な要望であり、結局は安全基準の範囲を超えて近接撮影を行ってしまうので(3Dブームに乗って最近増えてきた自称プロを名乗る者や3D映像制作会社 でもそのような基本制限を犯したデモ映像が多い)、結局は狭いステレオベースにした意味が無く、単にステレオベースが不足した不完全な3Dカメラでしかない。

では、実際のプロの現場でのステレオベースはどうかというと、YouTube3Dに投稿された以下の「[3D] モーニング娘。 2010秋 "大きい瞳" YT3D 」のショートムービー に映っている3D撮影チームのカメラを見ても分かるように、モー娘メンバー3人のスタンディング全身をフレームに収めて撮影しているメインの3Dカメラは、2台の業務用フルハイビジョンカメラをゲンロックで 繋ぎ横に並べたものらしく、ステレオベースは20cm近くあると思われ、このぐらいの会場の広さとズームを使った撮影距離ではそれが必要なステレオベースであることが分かるし、 コンサート会場全体を上から俯瞰して撮影しているクレーン3Dカメラはもっとステレオベースが広く30cm〜40cmぐらいと思われる。
ではなぜプロの経験や知識が民生機に活かされないのかについては、「高額な業務用機と安価な民生機との差別化のため」や 「プロは最終的な段階で安全基準をクリアできるようにするだけの知識と撮影及び編集技術を持っているが一般人はそれを持っていないから」ということになるだろうが、 それでよいのだろうか?
また、ある3D勉強会の席上、アダルトの最大手ソフト・オン・デマンドのプロデューサーが指摘したように 「クリエーターや3Dマニアは、見えたままのように、球体が正しく球体として再現される3Dカメラと3Dテレビを求めている」 が、各メーカーの3Dカメラ開発チームのエンジニアのほとんどは単に会社からの命令で「我が社は3Dもできる」ことをアピールする製品を作ることを目標にしているだけで、 実際には3Dには興味も無く、3D映画も観ず、まして自分で3Dムービーを撮ることを楽しみとしている人などほとんど居ないので、クリエーター側が3Dに求めている ものの意味すら実際には理解できていない。単に安全基準を上回る自主規制値で製品を作っておけば後々叱責されることもないという後ろ向きな考え方だろうと思う。
要は「運転免許を持っていない人が法律で定められた数値に基づいて自動車を設計している」ようなものである。そこには運転する楽しさや快適性といった 「運転してみないと分からない要素」などは反映しようも無い。
3Dカメラに関してそのひとつの典型的な例として、昨年だったかCEATECでソニーが発表した「単眼レンズによる3Dカメラ」が指摘できるので再掲載する。
これを開発したご高齢のエンジニアは自信満々だが、その原理は、レンズの「ボケ」を左右に分離して「視差」として使うというものだが、ピントが合っている部分は全て2Dでしか再現されない。 つまり、究極の「カキワリ」で、クリエーター側からすれば典型的なダメな3Dなのであるが、その原理を考案して特許を持っているエンジニアは元ソニーの古株らしく、 誰も「こんなのは3Dではない」と言い出せない、裸の王様的状況にあるように見える。 CEATEC会場では人数制限と時間制限でデモ映像を評価できるほどジックリ見ることは出来なかったが、その後、北海道の旭山動物園で撮影されたデモ映像を間近でジックリ 見られる機会に恵まれたが、私を含めて3D映像クリエーター側でそれを評価する者はひとりも居なかったし、もしもこのカメラをタダで貸してくれると言われても私なら 断るだろう。
こんなものがソニーブランドで実際に製品化されたら、それこそソニーの評価は今以上に地に落ちて再起出来なくなるようなシロモノだと思う。

同じように1本でのレンズで3D撮影ができるシステムとしては、ご自身でもたくさん3D作品を撮られているアマチュアの方が考案した「サンデー3Dレンズ」の方が確実に 3Dで撮れるし、考案者は3D普及のためなら特許うんぬんではなく製品化に協力すると言っているから、ソニー以外のメーカーは検討すべきだと思うので再掲載する。 もちろん手作りのレンズゆえに画質などは悪いし、実用化に当たってはレンズのアナモルフィック化などが必要になるが、 その単純な構造・原理からは予想できないほど立体効果は発揮されている、。 YouTube3Dにいくつかこのレンズで撮影されたものが投稿されており「Sunday 3Dcamera test」などのキーワードで検索すればすぐに見つかるから、 各メーカーの3Dカメラ開発者は是非見るべきだと思うし、安価で各種コンバージョンレンズも使えるこの方式を初心者向け3Dコンデジ用途として検討すべきだと思う。

さらには、各メーカーは、ステレオベース固定がどれだけ撮影の幅を狭めているかを認識し、ステレオベース可変なカメラを作るべきである。
昔からの3Dマニアやクリエーターは、どれだけ正確にステレオベースとコンバージェンスを可変に出来るかを知恵を絞って考案し、実際に手作りで使ってきたが、現在ならば 高度に完成された「プリンターヘッド移動制御技術」を使えば安価で小型なものをカメラに組み込むことが出来ると思うし、それがコストと安定性上問題であるならば、 安くなったCMOSユニットを複数組み合わせた「多眼ステレオベース3Dカメラ」を製品化して欲しいものである。

左下のミノックス製3Dカメラは、そんな多眼ステレオベース3Dカメラのコンセプトに近いものであるが、ここでも3Dを身近に楽しんでいないエンジニアの視点から作られた と思われる点として、折角の複数レンズが「縦アングルでしか有効でない」という非常にバカげた仕様になっている。 つまり写真のように構えて撮影し、視差は上下に付く。横に構えた場合は、縦長のアングルのものとしてしか撮れす、折角の複眼レンズの意味が半減どころかほとんど意味が無い。

このミノックス製カメラの各撮影素子のタテヨコ配置を90度回転させて横向きに構えたときに正しく16:9で撮れるように変更すれば、 一番端のレンズを基準に隣のレンズなら撮影距離15cmぐらいまでのマクロ用、3番目のレンズとならば人物ポートレイトやヌードなど、 4番目のレンズとならば集合写真やちょっとした風景といった一番撮影頻度の高い用途に使えると思う。

なお現在、ソフトウェアの視点から、小さなサイズのニンテンドー3DSで見ても劇場用400インチの大きなスクリーンで見ても適切な視差とコンバージェンスになるように 再生時に補正できる(2視点元映像には無い視点をモーフィングなどの技術でリアルタイムに高精度に補完作成する)技術の開発が進んでおり、東芝のようにCELLを使えば今すぐにでも 実現できる。その場合は後からステレオベースを狭くする補完は出来ても、元映像に映っていない陰の部分の補完は出来ないので、「広めのステレオベースで撮影しておく」 ことが前提となる。
この技術が実用化されれば、3Dカメラのステレオベースは基本7cm〜10cmにしておけば常用撮影距離ではオールマイティーとなるはずである。
この技術でカバーしきれないマクロ用は別途1つ装備したとして、3眼あれば全撮影領域(非常な遠景は除く)でオールマイティーな3Dカメラになると思うし、さらに 複数台をシンクロして繋げられるコネクション機能を付ければ、スタジアムや東京スカイツリーから見下ろした東京などの広い範囲の撮影も可能となる。
しかし、それを簡単かつ正確な3D映像として編集できる動画編集ソフトはまだ無い。
3Dエロスは既に米国Sony Creative Softwearのベガス・シリーズを使っているが、3D編集機能はあくまでも2Dのオマケ的なもので非常に使いにくく、従来のように カットごとにフリーソフトでコンバージェンスや位置調整を行ってプルミエなりエディウスで最終編集した方がはるかに作業効率が高い。

要するにクリエーター側は現状の3Dカメラに多くの不満を抱いており、3D編集ソフトに対しても同様であるが、 メーカー側は一部を除いてそれを汲み取る努力を全くしていないのが問題である。
ミノックスのような複眼カメラが横アングル対応となり、さらに1920x1080p/30fps以上のフルHDムービーも撮れて、かつ、フジフィルムW3の実売価格(2万円台前半) と同じような価格で発売され、それを簡単な操作で確実に編集できる3D専用ソフトが1万円以下で登場すれば、ユーザーがどんどん3Dコンテンツを作って共有していく時代になるだろう。




■ 3Dに対する悪評を増やす「インチキ3D商品」には困ったものだ!...(2011年9月23日)■

1960年代初頭、東京オリンピックに向けて高所得者向けにカラーテレビ販売が始まった頃(当時は今の軽自動車1台分ぐらいの値段がしたようだ)、 「白黒テレビの前に置くだけでカラーテレビになるフィルター」というインチキ商品が販売されていた。
記憶は定かではないが、仕組みはブラウン管の明るさに応じて光を7色に分光するプリズム・フルターのようなものだったらしい。 当然に白地に赤い日の丸の旗が白と赤には見えないのだが恥ずかしげも無く週刊誌などに広告を載せて堂々と売られていた。 しかし街の「ナショナル・ショップ」(松下系電気製品店)に本物のカラーテレビが並びだし、街頭テレビもカラーテレビに置き換えられて人々が本物のカラーテレビを 目にするようになってからは当然に雑誌広告も無くなった。
さて、1960年代とは違い、現在は各種の製品情報はネットでかなり詳しく検索できるし、現物を見られる場所も検索できるようになった。 しかし意外にも今の日本人は驚くほど情報に対して「疑ったり自分で確認したり」しない人が増え、声の大きな一部の人の意見や頻繁に流れるCMや周囲の「傾向」 に迎合してしまう人々、いわば知的レベルが低く自主性の無い人々が増えてしまった。いわゆる「情弱」が増えてしまった現状は、1995年頃に先駆者たちが描いていた 「インターネットが世界の知的格差を無くす」という幻想を脆くも崩してしまった感がある。

そんな中、3Dに関しては優れたハリウッド製3D映画を全国各地の映画館で見られるし、量販店でいくらでも3Dテレビや3Dパソコンを見られるのに、こんなとんでもない ものが実際に発売され、展示館などにも出展されている。もちろん3D関係者からは「あの人は3D映画も3Dテレビも見たことがないのではないか。もし見ていたとしたら 金儲けのための確信犯的なのか」といった声が上がっているが、サイトを見ると特許申請のやり取りの中で本人にはこれが3Dに見えているらしいことが伺えるから悪意ある 確信犯ではないようだが、世間一般の3Dに対する印象をさらに悪くしてしまうことに変わりは無い。
映像に単にイフェクトをつけるだけならいくらでも方法はあるがそれは3Dクリエーターが求める「リアル・ステレオスコピック3D」や一般大衆が求めている「3D映像」 とは違うし、多くの研究者が真面目に取り組んでいる2D3D変換とも全く違う。
同様の限りなく「とんでも3D」な製品には今年6月の「3D&バーチャルリアリティ展」や9月の「東京ゲームショー」に出品された「Pic3D」がある。
レンチキュラー方式は昔からあるし、液体レンズによる2D3D兼用のレンチキュラー方式は現在3D分野において最先端技術であるし、簡単なレンチキュラー後付けならば 既にiPodやiPhone向けの製品が2010年から製品化されていてソフトの完成度も高かったがケース一体型レンチキュラーレンズを装着したり 2Dの時は外したりする手間が必要で、システム構造上、3D画質・解像度に問題があったが正しいパースペクティブで3D表示されていた。
ところが私が「3D&バーチャルリアリティ展」で実際に見た「Pic3D」はそれよりもかなり酷く、2D映像の場合は単に画面に斜めの帯状の凹凸が出来るだけだし、サイドバイサイド・ハーフな 3D映像を使ったデモもオリジナルのパースペクティブとはかけ離れたものになってしまっており、これではレンチキュラー方式全体に対して悪い印象を与えてしまい、 真面目にレンチキュラーを研究・開発している人々に対して極めて失礼なものだという印象を受けたが、実際に自分の目で見ることや同様製品について調べることも無く 出展者側からのプレスリリースを検証もせずにそのまま転載したマスコミやそれを拡散している一般ブロガーなどの罪は大きい。 この会社は上記の3Dフィルターと違い、一応、視差バリア方式を含めた3Dディスプレイ製品を扱っている株式会社なのだが、このような低品質なものを大々的に 「世界初」として宣伝する社風には疑いを抱かずにはいられない(確かにシート状の貼り付けタイプで製品化されれいるものは無かったが、 それは2D時に非常に見難くなるからである)。2000年頃にアナログテレビ向けの液晶シャッターメガネによる3D製品などを中心に販売し、その後架空の携帯電話事業への 進出話しで全国から投資を集めて頓挫し刑事事件となった「3dcom」同様のうさん臭さを感じる。

しかし困ったことに、3Dに関しては全く分かっていないとしか言いようが無い人々が大企業の開発部門にもたくさん居るし、過去100年以上に及ぶ先人たちの研究成果を ほとんど勉強せずにただの思いつきで特許を取り大々的に宣伝したりするケースが多いのも事実である。
そのような粗悪な3D製品が市場に出て、現在窮地に置かれている3D製品に対する悪評をさらに高めてしまうことは本当に困ったことである。




■ 3Dは終わったのではない、ようやく始まったのだ!...(2011年9月4日)■
 ※参考記事は "AV-Watch" から

「3D元年」といわれた2010年以降、3Dエロスは「大人の事情」もあって、パナソニックvs.ソニーvs.韓国メーカーを中心に繰り広げられた 「フレームシーケンシャル+液晶シャッターメガネによる3Dテレビ合戦」を好意的に取り上げてきた。
しかし、本音は、このコラムで事あるごとに書いてきたように、「フレームシーケンシャル+液晶シャッターメガネ方式は20世紀の古い技術であり左右時間差という3Dにとって 根本的な欠陥を抱えている」と指摘してきた。
最近になって3Dに興味を抱いた人々は知らないだろうが、実は現在のフレームシーケンシャル+液晶シャッターメガネ方式の3Dテレビの画質は、今から10年も昔に、 3Dマニアがブラウン管式ハイビジョンテレビに5千円程度の液晶シャッターメガネを繋いで見ていた頃の画質にようやく追いついた程度で、 液晶テレビに至っては未だに10年前のブラウン管ハイビジョンテレビ+液晶シャッターメガネの3D品質に追いついていない。
パソコン用モニターも同様で、ブラウン管もしくはトリニトロン管CRTをリフレッシュレート150Hzや160Hzで駆動させてNDIVIAステレオドライバーの「ページフリッピング」モード+ 液晶シャッターメガネ(具体的にはI.O.DATAのPLAY3DPC)で見ていた10年前の方が現在の120Hz駆動の液晶モニター+NDIVIA 3D VISION KITよりも遥かに高画質だったのである。
昔からの3Dマニアの多くは「フレームシーケンシャル+液晶シャッターメガネ方式の3Dテレビ」という20世紀の技術の到達点は、 キヤノン+東芝連合軍が製品化を進めていた「SED(表面伝導型電子放出素子ディスプレイ)」による薄型で大型(50インチ)の 新世代テレビ+液晶シャッターメガネで終点・打ち止めで次の方式に向かうだろうと考えていたわけだが、結局キヤノンはSEDの製品化自体を断念してしまった。
そのため、3Dマニアにとってはパソコン用CRTが無くなってしまったこの10年間、まさに「フル画素3Dが見られない暗黒の時代」を過ごし、その間は仕方なく、 解像度が劣る偏光インターリーブ方式の3Dモニターに甘んじていたわけで、そこに「3D元年」として家電メーカーの巨人たちが参入してきたことに対して 新たな方式の誕生の可能性を含めてエールを送ってきたのである。 しかしその裏では「何でこんな前世紀の古い技術の3Dをあたかも新しい技術のように宣伝して騒いでいるのか、もっと21世紀らしく実現すべき新技術があるだろう」 と思い続けていた。
そして市場も冷静に反応し、映像に違和感があり(左右時間差問題を気付き始めている人も多くなってきた)、さらにはバチバチするメガネを掛けて見る割には価格が 2Dテレビと比べてバカ高い現在の3Dテレビは全く売れずに失速し「3Dは終わった」と言われ始めた。
この2年間の流れはまさに一般消費者をバカにしたような製品コンセプトや売り方が招いた当然の結果だと言えると思う。
そしてようやくメーカーは動き出した。
実は情報を入手した昨年暮れ時点ではヤバ過ぎるので書けなかったが、私はソニーが次世代3Dテレビに「液体レンズ」を使うという噂とその関連特許書類のコピーが 一部の3D関係者や投資家にFAXされたのを覗きみていた。
そして東芝なども現在開催中のIFA2011に「普段は超高画質な2Dテレビであり、3Dの時もメガネ不要なテレビ」の現時点での回答として「液体レンズ」を提示してきた。おそらくパナソニックを 除く他社も「いかにも21世紀らしい夢のある技術」として「液体レンズによる裸眼3Dテレビ」を製品化してくるだろう。
液体レンズ自体は21世紀の発明ではないが2005年ごろから実用化が進められ、当初想定していたカメラ用レンズ(現在主流の小型レンズではなく52mm径ぐらいのレンズ)では 重力に勝てずに理論上の屈折率を保てずお蔵入りになっていたものであるが、ちょうど医薬品で言えば降血圧剤開発の失敗作から生まれたバイアグラのように、液体レンズの 欠点を知り抜いて小型の携帯電話用カメラレンズや医療用メガネなどの製品化が進み、日本ではSII(セイコー・インスツル)などが量産を行っている。 さらに今回は各社が「極細のレンチキュラーレンズ用に使うのならば表面張力も働いて重力に勝てるのではないか」(これは私の推測に過ぎないが)的な考えで、 視差バリア方式に比べて格段に明るく色再現性も良いので、3Dテレビへの応用が一気に進みつつある感がある。
ただし、あくまでもレンチキュラーなので元ファイルが2視点からでは立体に見えるスイートスポットはそのままでは狭いし多視点にすればその分画質が悪くなってしまう。 その問題は、昨年秋に幕張で公開され先月発売された東芝の裸眼3Dダイナブックに搭載されたAUOのモニター同様に、各社は「眼球追尾」でカバーしようとしている。 しかしそのままでは「おひとり様専用」でしかないが、眼球追尾方式は既に5年以上も前に4人ぐらいまでを同時に追尾してそれぞれの視聴位置に最適化して 表示させる技術が公開されているから、パネルの4K2K化と応答速度の高速化並びに顔認識の高精度・高速化で、 今後2名〜3名ぐらいは同時に眼球追尾して最適な表示を行う家庭用裸眼3Dテレビがそう遠くなく発売されると思う。
さらには、よりホログラフに近い空中浮遊裸眼立体映像も実用化が迫っており、日本の情報通信研究機構(NICT)の「三次元映像のフォーラム」は今月もその公開デモを行う。
3Dは終わったのではなく、3Dメガネと左右時間差という20世紀の呪縛から開放されて、ようやく始まったのだと私は感じている。




■ ようやく発売 IO-DATAの裸眼3Dサブモニター『Rock Vision 3D』19,800円!...(2011年8月25日)■
 ※参考記事は "IO-DATAの製品紹介ページ" から

このコラムでも過去に少しだけ製品情報をリークしてきた7インチワイドサイズで19,800円と安価な裸眼3Dサブモニターがアイオー・データからようやく発売された。
実は既に半年以上前から大手のアダルトコンテンツ・フォルダーや3Dグラビア写真家などに対して試作機が貸与されて様々な意見や要望が出され、特にアダルト・コンテンツ の再生に必須な「自然な肌の色の再現性」「明るさ」「ゴースト(クロストーク)の少なさ」の改良が施されて、さらに主要マーケットというか 「ひとりで3D版アダルトDVDや過去のお気に入りの2Dアダルトも3Dで見たい」という要望にマッチした再生ソフトが同梱されることが決まり発売に至ったらしい。

3Dマニアならばこのサイズから連想するのは「3D鑑賞方法」のページで紹介している中国Inlife-Handnet社の裸眼3Dフォトフレーム「SDP818-TEX」(36,000円)だと思うが、 実際に見比べると、上記のとおり「色の再現性」「明るさ」「モアレやクロストークの少なさ」が遥かに進化している。
さらには、SDP818-TEXはバッテリー駆動で持ち運べる半面、動画も静止画も基本的に専用フォーマットに変換しなければならず、また、再生可能なアスペクト比が全て16:9に 限定されるという欠点から、持ち運んで人に見せるのは最初の数週間だけでその後は引き出しの奥に眠らせてしまっている人が多いと思われるのに対して、このRock Vision 3Dは USB接続のサブモニターなので、いちいちファイルを専用フォーマットに変換すること無しに、縦インターレース出力が出来る3Dソフトならパソコンの中の 3Dコンテンツや3D版DVDをそのまま裸眼立体視できることが最大のメリットと言える。
また、YouTube3Dやニフティー3DポータルZ、3Dエロスの作品ごとのサンプルページ上のフラッシュ形式の3Dストリーミング・ムービーや3D写真を ダウンロードせずにそのままウェッブ上で裸眼立体視できるという大きなメリットがあり、ネットカフェなどに置かれれば気軽に裸眼でアダルト3Dを楽しめる環境が整う。

なおアイオー・データでは動作環境を「Windows Vistaまたは7」としているが、それは同梱ソフトを使う場合の制限で、実際にはDisplay Link社のドライバーで動いているので Windows XPでも問題なく機能する。ただし、一部のメーカー製パソコンでDisplay Link社のドライバーと相性が悪い場合があるらしい。が、私が長期間にわたってテストした 結果では、Windows XP Home SP3で問題なく機能している。
さらにはDisplay Link社のマック版ドライバーでマックOS+マック版IEでもYouTube3Dを裸眼立体表示可能だという情報もある。
もちろんこのようなOSでの使用はアイオー・データのサポート外であるが、今までのテスト結果からは特に問題は起こっていない。

3Dに興味はあるけど3Dテレビは高いし大きいしメガネもウザイしという3D初心者にも、既に3Dテレビや3Dモニターを持っている人にとっても、 気軽にメガネ不要で3Dをチョイ見するには非常に重宝する裸眼3Dサブモニターであり、高画質な2Dサブモニターとしても便利に使える無駄の無いものだと思う。
3Dエロスでは、既にシャープ製裸眼3Dスマートフォン向けに配信しているMPO静止画と3Dムービーの解像度を800x450pに高めて、今後このRock Vision 3Dと共用ファイル化 することにしている。

なお、3DエロスはRock Vision 3Dの海外向け販社(アイオー・データではない)とアフィリエイトし、3Dエロスを経由して購入申し込みを行った場合は 「3Dエロス・ウィークリー1ヶ月無料メンバー」の特典を付ける準備をしており、Rock Vision 3Dの詳細なテスト結果と実際にXPでも3Dエロスのコンテンツを見る方法を 詳しく解説した記事と共に近々その特典申し込み案内を掲載するので、1日も早く欲しい人以外はそれまで待った方が35ドル分お得になりますのでお待ちください。



■ やはり東芝裸眼3Dダイナブックは台湾AUO製モニター採用だった...(2011年7月30日)■
 ※参考記事は "台湾通信" から

私はこのコラムの2010年11月30日付け記事で、「FPD International 2010」に参考出展された台湾AUO社の「眼球追尾型裸眼3Dモニター」の優秀性を報告し、併せて、その前月の 「CEATEC 2010」に参考出品された東芝の裸眼3Dダイナブックのプロトタイプには眼球追尾システムが搭載されていないために視聴角度が狭く、ダイナブックのブランド維持のためには 製品化段階で眼球追尾システムを搭載する必要があるだろうと提言してきたが、実際に全くそのとおりになった。

台湾通信によると、今回の東芝裸眼3Dダイナブックにとどまらず、他社のタブレットPCへの搭載のオファーもきているらしい。実際、「FPD International 2010」でも女性の 説明員は「あくまでも参考出品で製品化についてはノー・コメント」と言っていたが、別の男性説明員は「既に製品化が決まっているよ」と教えてくれていた。 それが台湾や韓国のブランドからなのかアッと驚くような企業からなのかまでは教えてくれなかったが。

さて、AUO社の眼球追尾型裸眼3Dモニターを簡単に説明すると、使われている3D方式は「明るい高精細レンチキュラーレンズ方式」であり、 使われる視差数は通常のレンチキュラー方式が5視差以上が多いのに対して画質の劣化が最小で済む左右2視差のみである。
そのままでは立体視できる視聴角度が非常に狭く、顔の位置を2センチずらしただけでも破綻してしまうが、AUOはモニター上部に設置した小型カメラで視聴者の顔の 位置を捕らえ、特に眉毛と鼻筋を目印とした「T字」で眼の位置を追尾し、その移動に合わせて3D表示する映像の位置をミリセカンド単位の速さで1ドット単位で調整して、 どこから見ても3Dに見えるようにしたものである。
また、3D表示エリアと2D表示エリアとをソフトと連動して無段階にピクセル単位で変えられるため、例えばYouTube3Dを見ている時など、映像部分は3Dで見られ、 細かな文字部分は見やすい2Dで表示されるので、価格が安くなりさえすれば、この方式がひとりで見ることを前提としたノートPCやタブレットPCの3Dのデファクト・スタンダードとして 今後10年ぐらいは定着するのではないかと私は感じている。 2D表示の際のレンチキュラーによるデメリットを極力抑えられれば、ひとりで見る24インチクラスのPCモニターにも波及するのではないだろうか (少なくとも富士通が現在発売している後付けレンチキュラー方式の最悪な3Dモニターよりは遥かに良いものになるはず)。

なおこの方式自体は、既に2005年ごろの3D関連技術展示会などで日韓の企業から実験レベルではあるが複数の視聴者の眼を追尾して同時に最適位置で見せられるものが 参考展示されており、AUO独自開発というわけではないし、小型カメラユニットや顔認識プログラムの技術は日本が進化させてきたものであるから、 本来ならば日本企業が世界に先駆けて製品化すべきものであったが、ここでも中華圏に抜かれてしまったのが非常に残念である。

ともあれ、東芝ダイナブックのブランドで発売されるわけで、その価格は25万円前後とやはり高く、2Dと3Dとが混在したネットをメガネ不要でそのまま裸眼で見られるという 革命的な意義のある製品なのだが、その価格の高さが災いして今の日本では普及は難しいのではないかと危惧している。
3DエロスのようなアダルトサイトやYouTube3Dに限らず、今後ネット上に3D映像を多用したサイトが増えて、それをいちいちメガネを掛けなくとも裸眼で立体視しながら、 細かな文字のコメントやメールも読み書きできる環境が広がることを願っているが、そのためには「価格を安くすること」と「メーカーが率先してユーザー参加型の3Dサイトを運営すること」が 必要不可欠だと思う。その実現可能性が高いものとしては、やはりiPadかアンドロイド陣営やマイクロソフト陣営が10万円以下のタブレットPCにこの技術を載せたバージョンを 製品化してからだろうと思う。そうなれば我々が今までSF映画の中で見てきたような誰もが3D映像を持ち歩く世界がまさに現実のものとなると言える。
ちなみに3Dエロスの最近の作品別サンプルページには、サンプル静止画がフラッシュとJavaでそのまま3D表示されており、メニューで表示形式を「縦インターレース」モードを選べば、 この東芝裸眼3Dダイナブックや8月末にアイオーデータから19,800円で発売予定の裸眼3Dサブモニターでそのままメガネ不要で立体視できるはずである。



■ 韓国嫌いな人もLGシネマ3Dテレビの心臓部は大日本印刷の技術だということに気付こう...(2011年7月29日)■

価格コムでは、普通の2Dモニターを差し置いて全PCモニターの中で三菱の偏光方式3Dモニターが売れ筋・注目度共に第一位を2ヶ月以上にわたってキープするという 「異変」が続いていたが、ようやく落ち着いてきた感がある。
しかしながら一般的にはまだ3Dコンテンツも少なく、まともに動作するPCゲームも限られている現状でのこの異変は、ももいろクローバーZ効果と、少ないながらも ゲーマー需要というものがPCモニター市場では無視できない存在であることの裏付けとも思える。
この不景気の中で、3D機能を除けば同性能の2Dモニターよりも2万円以上も高い偏光方式の3Dモニターが売れたという事実を、各社はもっと真面目に分析して今後の 製品開発に活かしてもらいたい。同様に、ゲームソフトメーカーや3Dコンテンツ制作者も、テレビはダメでもPCやネットを媒体とした3Dが十分マーケットバリューの あるものであるということを認識して、より良い3Dゲームやコンテンツを制作してもらいたいし、我々3Dエロスも3D普及のためにまだまだ頑張ろうと思っている。
現在の状況は2年前の「卵(3Dコンテンツ)が先かニワトリ(3Dテレビや3Dモニター)が先か」といった状況ではないし、ゲームのCGに視差を付けて3D化することは 昔から行われてきたし、実写についても民生用も業務用も安価でフルHDな3Dカメラが発売され、安価な3D編集ソフトも発売されているのだから、 出来るだけ3Dで撮影して2Dと同じ価格もしくは2Dよりも安い価格で市場に出して普及させるべきだと思う。特にアダルト業界は、堅い朝日新聞のコラムにも取り上げられるくらいに 斜陽産業となってしまっているのだから、そのテコ入れのためにも、3D化が最も相応しいジャンルの筆頭として頑張ってもらいたいものである。

さて、現在日本のテレビでは、LGの「シネマ3Dテレビ」のCMがガンガン流れているし、実際に店頭で、先入観無しにシネマ3Dと従来の液晶シャッターメガネ方式の3Dテレビを 見比べた人々の反応は、アメリカでの調査結果同様、「メガネが軽くて明るいシネマ3Dテレビ」が優勢であり、多くの一般人は縦の解像度が半分であることなど気にしていない。 これは音楽CDの再生音域が下は50Hz、上は2万Hzでカットされていてアナログ・レコードよりもはるかに音質が悪いにもかかわらず一般の人々にはその違いが分からず、 アナログレコードが駆逐されてCDが普及したのと同じような傾向に思える。
が、いまだにネット上では、偏光方式のデメリットである「縦解像度が半分」「上下方向の視聴範囲の狭さ」を挙げてダメ出しする人々や、単にLGが韓国企業だから という理由でダメだと言っている人々も多いが、その心臓部といえる3Dフィルターの製造技術は日本の大日本印刷が受けもっているということを知らないのだろうか...
3D歴が半世紀に近い私から見れば、フレームシーケンシャル+液晶シャッターメガネ方式は、そもそも左右の時間軸がズレているという3Dにとっては解像度問題以上に深刻で根本的な 問題を抱えたままの前世紀(20世紀)の古い3Dだと結論している。
去る5月14日に日本デジタルゲーム学会(DigraJ)が主催し、Ustreamで生中継された「3DC安全ガイドラインに基づく、快適な立体視ゲームの作り方」の パネルディスカッションの中でパネラーの一人もこのフレームシーケンシャル+液晶シャッターメガネ方式による左右時間差問題を例を挙げて指摘していたので私一人の独断ではない (このパネルディスカッションのダイジェストは「INSIDE for All Games」に掲載されているが、 記事を書いたライターは左右時間差問題を理解しておらず、残念ながらそのことには触れていない)。
いくら120Hzや240Hzに表示速度を高めても、人間の眼力はすぐに時間的なズレを認識するようになってしまう。多分それは、動体に対する視覚は自己の生存に関わる重大な 機能だからだと思う。捕食にしても敵から身を守るにしても、他の視覚以上に動体に対する脳の対応は高度だと思う。だから、次世代の3DテレビとしてRealD社とサムスンが 製品化を進めている「フレームシーケンシャル+円偏光フィルターメガネ方式=RDZ方式」であっても、この左右の時間軸のズレが人間が認識できるレベル以下までに 解消されなければ不完全な3Dだと私は考えている。
逆に、この左右の時間軸のズレを認識できていないような人は、偏光方式が悪いとか液晶シャッターメガネ方式が優れているとか言う資格はないと思っている。 音楽で言えばバイオリンやピアノの2万ヘルツを越える倍音域を聞き分けられない人や、明らかに音色が違うスタインウェイとヤマハとベーゼンドルファーを聞き分けられない 人がオーディオに関してとやかく言っているようなものだと思う。
もちろん、フレームシーケンシャル+液晶シャッター方式には「従来のテレビを最も低コストで3D化できる」というメリットがあり、本来はその点をアピールすべきだと 思うが、逆に「高価格」「新しい技術だと思い込ませた」ことが消費者に失望感を与え、失敗した原因の一つだったと思う。

3D元年といわれた2010年から1年半以上が過ぎても3Dテレビは全く売れなかったし、最終兵器として発売されたニンテンドー3DSも失速して早くも1万円値下げするという 現状とは裏腹に、5万円近い三菱の3Dモニターが売れたという事実(=色々なゲームで遊べるしYouTube3Dを見たり、リビングの大画面テレビでは見られないような アダルト3Dや18禁ゲームをひとりでこっそり楽しめるから)を、業界はしっかり分析して、「誰のための3Dなのか」「何を見るための3Dなのか」を明確にする必要があるだろう。



(コラム中、意見の部分はあくまでもWebmaster 藤山土門の個人的見解です)