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■ あなたは3Dを何で観る派?(2010年12月23日)■

「3D元年」と言われた2010年もあと数日で終わる。
既にビジネス誌などでは総括的に「3Dテレビの売り上げが予想以下の不調に終わった」と報じられている。
3Dコンテンツがほとんど無く、3DエロスやAdult4Dといった無修正でリアル3Dなサイトがあることも知られていない現状では、 「3Dテレビがあってもただの2Dテレビと同じ」なわけで売れないのは当然だし、逆にエコポイント制度も無く、地デジへの切替が既に終わっている国で 約半年間で数百万台も売れた事の方が私には驚きが大きい。

また、何度も書いてきたように、3Dテレビが売れない理由にはコンテンツ不足よりも「3Dメガネがウザい」「価格が高すぎる」といった原因がある。
ハッキリ言って、現在3Dテレビで主流の「フレームシーケンシャル+液晶シャッターメガネ方式」は30年以上も昔からある「20世紀の3Dテレビ」なわけで、 チラチラ感が減ったりフルハイビジョン画質になったとは言え、基本的には2Dテレビの高速・高画質版でしかなく、昔ながらのメガネを掛ける必要が あるのに2Dテレビの倍の値段がすることに対してコンシューマーが受け入れなかったと言える。

もちろん、現在の技術では「メガネ不要で、大人数で、広い角度から、フルハイビジョン画質で見られる3Dテレビ」は作れないのだが、情報弱者である一般大衆は そんなことは分からず、数年後にはそれが商品となって現れると信じている感じもある。

また、現在の製品でも、ネットを見渡せば綺麗に観られる3Dコンテンツはたくさんあるし、高いコストを掛けなくとも必要充分な画質と大きさで3Dを楽しむことが できるZALMANのような3Dモニターもあるし、現在主流の「フレームシーケンシャル+液晶シャッターメガネ方式」に対抗して、LGやAUOなどが 偏光インターリーブ式なのに飛躍的に高画質になった3Dテレビを2011年から発売するらしいが、そのような情報は、足しげく展示会や業界人が集まる集団に顔を出していないと現物を 見たり情報を入手したりすることは難しく、なかなか一般大衆には伝わらない。

で、現在並びに来年には商品化されるものも含めて、3Dを見るための道具としてのテレビやモニターや携帯電話やゲーム機をザクっと並べてコメントしてみようと思う。

なお、3Dマニアには「部屋で実物大のイルカや裸の女性の立体映像を見たいからプロジェクターじゃないと意味が無いよ」とか 「いつでもどこでも一人で3Dを見たいからHMDじゃなければダメよ」といったマイナーな人々もいるが、それらは除外した。

■プラズマ式3Dテレビ
■液晶式3Dテレビ
1980年代からこの方式で3Dを見てきた私としては、どちらも左右時間差の問題はあるし、ブラウン管時代のハイビジョンテレビで見る3Dよりもまだ画質が悪いので、 タダでくれれば欲しいが、現在の価格では今更自分でお金を出して買おうとは思わない。同サイズの2Dテレビと+2万円程度の価格差になったら購入したい。

■グラスレス3Dテレビ
現状では画質が悪すぎるのに価格が高すぎるが、タダでくれれば欲しいし、シティーホテルやラブホテルなどにサブテレビとして置かれてホテル向け3D専用チャンネルから 多数のジャンルの3Dコンテンツが見られるようになって欲しいと願ってはいる。

■nDIVIA 3D Vision対応の3Dノートパソコン
■偏光インターリーブ式一体型3Dパソコン
どちらもフルハイビジョンではないのに日本では高すぎる。何故、ただでさえ不況でこの手の商品に手を出す人が少ないのに、欧米の2倍以上もする価格で売っているのかが理解できない。
もちろん、有沢製作所のXpolフィルターは手貼りなのでコストが掛かることは分かるが、私が使っているAcer製3Dノートパソコンはアメリカで700ドルもしない (日本円で約6万円で買えてしまう)し、nDIVIA 3D Vision対応の120Hzモニターモジュールは既に量産効果で安くなっているはずなのだから、 2Dパソコンの+2万円以内の価格にしないと普及しないと思う。
しかしながら、3Dテレビとしても使えるチューナー付きモデルは「コアiプロセッサとブルーレイドライブ搭載のWindows 7 パソコンと3Dテレビの両方を買うよりも はるかに安い」ので、最安値価格がもう少し安くなったらサブマシンとして1台欲しいと思う。

■nVIDIA 3D Vision Kit
対応モニターの画質が良くなったので、2年前のようなチラツキ感も少なくなったが、「パソコンのOSはVistaか7(現在まだXPユーザーが全体の70%も居るのに)」 「グラボも指定のもの」「対応モニターが3万円台後半の価格」「メガネキットが約2万円」と、毎日10時間以上も3Dゲームをするようなゲーマーでもなければ、 一般大衆には初期費用が高すぎる。

■偏光インターリーブ式3Dモニター
ノートPCも含めてほとんどのパソコンにそのまま繋がり、単に3Dムービーや3D写真を見るだけならOSやグラボも指定はないので、 現在最も安価な3万数千円の費用で20インチクラスの3D環境を作れる。別にZALMANから1円も貰っていないが、過去5年間、色々な3Dモニターを実際に試し、 中には中期間使用してみた結果、現時点でもなおZALMANもしくは日本ビクターなどの偏光インターリーブ式3Dモニターが最も使いやすく経済的であると思う。
「偏光インターリーブ式は解像度が半分でダメ」という意見も多いが、実際に毎日数時間以上3Dを楽しむのなら、縦の解像度よりも、チラツキ、メガネの重さ、 左右時間差の違和感といったフレームシーケンシャル式+液晶シャッターメガネ方式の方が、はるかにデメリットが大きいと断言できる。
「FPD International 2010」でLGが発表した偏光インターリーブ式3Dテレビとモニターは、縦解像度が半分ということを忘れるくらいに綺麗だった(デモ映像も 良かったけど)ので、偏光フィルターが改善されてまだまだ画質が良くなっていく余地がある方式だと言える。

■メガネ不要の3Dフォトフレーム、3Dサブモニター
この方式は既にフジフィルムが先代の3Dデジカメ「W1」を発売したときにその専用ビューアーとして8インチ4:3画角の「V1」を発売しているが、ネットとは 繋がらず、ほぼフジ3Dデジカメ専用のため汎用性が無かった。
3Dエロスで詳細な製品解説を行っている中国製で充電式バッテリーによる持ち運びも可能な7インチワイドのSDP-818は、外出先でのプレゼンには向いているが、 コンテンツをいちいち専用フォーマットに変換しなければ見ることができず、動画は全て16:9に広がって再生され、画質も圧縮しなければならないなど 使い勝手と画質が悪く、現在では私は全く使っていない。
最近ではニコンが会員向けにレンタルを始めるものやニューサイトジャパンが7インチワイドから8インチで2万円台のものを発売すると発表しているが、 ネットとの接続性やパソコンとの親和性は全く不明で、ダウンロードコンテンツや3D版DVD・ブルーレイをそのまま再生できたり、 YouTube3DやUstream3Dを直接3Dで見られないので、ほとんど利便性はないように思う。
それに対して現在数社が来年発売を宣言しているUSB接続のサブモニター式は、単体では持ち運んで再生できないものがほとんどだが、 パソコンのモニター上で表示可能なものはほぼ全て3Dで表示できるという利便性がある。 横浜で開催された「3D Expo 2010」で私が実際に見た7インチワイドのものは、ダウンロードコンテンツや3D版DVDはもちろん、YouTube3Dをリアルタイムにそのまま立体で見られ、 価格も19,800円の予定とのことだった。さらにステレオウェッブカメラを繋げてメガネ無しの3Dチャットに対応する予定だと言っていたので、ようやく汎用的に 「使える裸眼3Dモニター」が出てきたと感じた。

■3Dスマートフォン
■ニンテンドー3DS
共にメガネ不要の視差バリア方式の3D液晶モニターパネルはシャープ製の3.8インチ。画面サイズが小さいので、40〜50センチ離れて見るには視聴角度もそこそこ 実用範囲。この手の小型の3Dデバイスが普及するかどうかは全てコンテンツ(メーカ制作のものも個人が自分で撮ったものも)が無数に出てくるかどうかに掛かっている。 ニンテンドー3DSはニンテンドー自身が鉄板のゲームを3D化して配信するし、3Dカメラも内蔵しているし、ネットとも繋がるのでコンテンツは無限に増える 可能性がある。ソフトバンクの3Dスマートフォンは、傘下のUstreamを3D対応として、それを見たり3D生放送をアップできるシステムを稼動させている (3Dスマートフォンを持っていない人でもパソコンで見られるようにしないと普及しないと思うが)。
しかしながら、やはり3.8インチの画面では3Dには小さ過ぎて物足りなさを感じてしまうので、あくまでもモバイルで3Dを楽しみ、3Dでコミュニケーションする ための限定的なものだと思うが、それが市場投入されることは3Dの普及にとって大きな意味があると思う。

さて、私の結論としては、2011年は「3Dブルーレイなどのハリウッド映画はリビングルームに置いた50インチ以上の3Dテレビでジックリ観る」 「部屋ではパソコンにダウンロードしたエロいコンテンツや3D版DVDをZALMAN3Dモニターや3Dモニター一体型パソコンで観る」 「3Dサイト、YouTube3D、Ustream3Dは裸眼3Dサブモニターでチョイ見して気に入ったものはダウンロードして後でZALMAN3Dモニターで大きくして観る」 「同じくDMM.comなどのアダルト・チャットが3D対応になったらメガネ不要の裸眼3Dサブモニターで観る」 「外出先ではニンテンドー3DSや3Dスマートフォンで仲間とコミュニケーションする」といったスタイルになると思う。



■ 2D3D変換の限界と技術者vs.クリエーターの求めるものの違い(2010年12月22日)■

2010年12月、メガネ不要の裸眼3Dテレビが東芝から発売された。
今から15年ぐらい前まではパソコン用の低画質な液晶モニターが1インチ当たり1万円したことを考えると、12インチモデルが12万円という価格も高くはないと私には 思えるし、なによりもメガネ不要な3Dテレビの製品化そのものに大きな意義があり画質ウンヌンではないことは既にこのコラムで述べてきた。
しかし家電紹介のテレビ番組に登場するグラスレス3Dレグザの開発者は「2D映像から9視差の3D映像にリアルタイムに変換しています、凄いでしょ」的な説明をしているが、 いかにCELLプロセッサを使おうと、スパコンを使おうと、現在の2D3D変換は、2万円以下のトイカメラ級の3Dカメラで撮影したリアル3Dにすら及ばないし、 3Dの魅力は単に画面から出たり引っ込んだりだけではなく、被写体の本来の量感や質感が2Dの数倍も脳に認識されることにあると思う。それが2Dとは全然違う 「3Dによるリアル感」だと私は思うのだが、2D3D変換では量感や質感の再現性はクリエーター目線からは全く満足できるものではない。

その具体例というか、上の交差法配置のステレオ写真はアメリカでは15,000円程度で買える安価な台湾製3Dカメラ「Aiptek i2」で撮影した藤崎美紀さんの フェラ顔(クリックするとオリジナルサイズ:1440x1080ピクセルが開きます)。元々のAiptek i2 の解像度が良くないのだが、それでも額の乱れた1本1本の 髪の毛の高低差や付けまつ毛の1本1本の方向、マスカラを塗った下まつ毛のZ軸上(前後)の位置、そして何よりも、眼球が「球体」に見えるし、 よく見ると眼球の球体も白目の部分よりも黒目の部分が少し盛り上がって見えるし、さらによく見ると黒目の上に少し盛り上がってコンタクトレンズ が乗っていることが分かる。白目・黒目・コンタクトレンズの高低差は1mm以下だと思うが、それがリアル3D撮影ではきちんと再現される。
対する下のサンプルは、1位の「アバター」に続き2010年日本での映画興行成績第2位になったティム・バートン/ジョニー・デップのコンビによる2D3D変換で 作られた3D映画「アリス・イン・ワンダーランド」の3D版トレーラーからキャプチャーしたものだが、CGで描かれた部分や前後位置関係が大きな部分は 3Dになっているが、顔の部分は平坦でジョニー・デップの鼻もぺちゃんこだし、眼球などは全く球体には見えない。
もちろんこの作品は短い制作期間で作られたために3D効果はCGに依存した経緯があるが、同じティム・バートン監督の「ナイトメア・ビフォー・クリスマス」の 3D版は、オリジナル2D映像を左目用として、対応する右目用の1コマ1コマを4年の歳月を掛けて撮影・編集したと言われており、3D映画としてのデキが全く違う。
3D映像、特に映画のような大画面で観るムービーはスクリーン全体として立体感を楽しめればそれで充分エンターテイメントとして成立するわけだが、それとて あくまでも「嘘っこ3D」だと私は思う。
技術者は皆「昔の2D映画でもテレビ番組でも簡単に3Dにできます、凄いでしょう」レベルで、クリエーターがわざわざ3Dで撮ることに求めている量感・質感・ 空気感といったリアル感の要素を再現できるかどうかのレベルとは大きな隔たりがあると思う。
そんなカキワリ的な2D3D変換技術で過去の無修正AV作品を3Dブルーレイ化して発売している米国サイトも登場しているが、そんな程度のものはわざわざ買わずとも、 パワーDVDのようなソフトの擬似3Dモードで見ても同じなのに、まだまだ一般の人々は騙されてしまっているのが実態だと思う。
3Dエロスは、あくまでも2台以上のカメラで撮影した2視差以上の「リアル3D」でなければ意味が無いとの考えから開設当初から2台のカメラでの撮影にこだわり、 特に人体の量感や質感が重要なエロ分野はフルカラーのリアル3Dでなければ全く意味が無いと思っている。



■ 3インチクラスの裸眼3Dデバイスは本当に3D普及の切り札なのか?(2010年12月22日)■

内外の裸眼3Dモニターと3Dゲーム関連企業は、来年2月発売の「ニンテンドー3DS」にあやかろうと、現在必死にデバイスやコンテンツを準備している。 また、ニンテンドー3DSに搭載される視差バリア型3Dパネルは、開発元のシャープだけでは2月発売に間に合わず、国内の他社でも生産を行って間に合わせる 意気込みのようだ。
特に3Dコンテンツ制作企業は、期待していた3Dテレビが「メガネがウザい」「価格が高い」ことから日本では全然売れておらず、3Dコンテンツ制作コストの回収も出来ない 状況なので、「メガネ不要で立体に見えて」「価格が2万円台」のニンテンドー3DSやドコモやソフトバンクの3Dスマートフォン、さらには7インチから 8インチクラスの裸眼3Dフォトフレームやサブモニターに大きな期待を寄せている。
しかし、ニンテンドー3DSやドコモとソフトバンクの3Dスマートフォンに搭載されたシャープ製3.8インチ視差バリア裸眼3Dパネルの実力は本当に3D普及の 救世主となるのだろうか?
このクラスの裸眼3Dモニターを搭載した携帯電話は、2009年春モデルとしてau-KDDI向けに開発された「日立Wooo H001」があった。このWooo H001は、その3D機能を 活かすコンテンツ戦略が全く無く、フォーマットも公開されないままに「日立という重厚長大イメージの企業が犯した携帯電話ビジネスの失敗例」となったが、 単にコンテンツ戦略やフォーマット非公開が3D携帯電話の失敗の原因だったのだろうか?
で、先日、久しぶりに電車に1時間ほど乗って移動する機会があり、その間、自分の「Wooo H001」でワンセグテレビや、それを擬似3Dにして見たり、 マイクロSDカードに入れてあった3Dムービーを観ながら考えたが、2Dの動画の場合はそうでもないが、3Dの場合はやはり物足りなさを感じた。もちろん普段は 22インチの3Dモニターを40〜50センチの距離から見ているので、それに慣れているので3インチクラスの3Dモニターでは大きさの点でダメで、さらに20インチ〜50インチ 前後のサイズのモニターで適切な立体感を得られるような視差で撮影・編集されたコンテンツを、3インチクラスのモニターで見た場合には明らかに視差が足りないために 立体感が感じにくくなってしまう。しかし携帯電話やニンテンドー3DS用の小さなモニターでも充分な立体感が得られるように撮影・編集されたコンテンツは逆に 3Dパソコンや3Dテレビでは視差が大きすぎてパースペクティブのおかしな、非常に疲れる3D映像になってしまう危険性がある。
つまり、小型3Dモニター搭載のニンテンドー3DSや3Dスマートフォン用のコンテンツと大きな3Dモニターの3Dパソコンや3Dテレビ用のコンテンツとは 厳密には正しい3D映像としての互換性が乏しいのだ。

高い3Dテレビや3Dパソコンは買えないし、ニンテンドー3DSや3Dスマートフォンでは物足りないし、その間を埋める大きさで2万円以下の安価な裸眼3Dモニターや、 そんな裸眼3Dモニターを内臓したパッドPC、ネットブック、DVDプレーヤーが実際には最も売れ、3Dの普及を支えるものになる可能性があるように思える。
週刊誌の綴じ込み付録の小向美奈子の3DトレカやAKB48の3Dカードを撮影した3D写真家・清水清太郎氏もそのことについてはブログ『一か八か』で力説している。



■ 2011年の裸眼3Dの方向性(2010年11月30日)■
 ※参考記事は "+D PC User" のホームページ他から

現在、メチャクチャ忙しくて、このコラムを書く時間すら無かったが、11月の「FPD International 2010」には今後の3Dの行方に大きな方向性を示した 展示物がいくつかあったので、忘れないうちに書きとめておくことにしたい。
さて、『3Dテレビが売れない理由は1にメガネがウザイこと、2に観られるコンテンツが少ないこと、3に価格が高いこと』であることは 各メディアが行っている調査結果から明らかであるが、10月の「CEATEC 2010」では、そんなアンチ3D要因への回答として、東芝の裸眼3Dテレビ (及び裸眼3DノートPC)と、ニンテンドー3DSに搭載されるシャープの視差バリア裸眼3Dモニター並びにスマートフォン型 ハイビジョン720pサイドバイサイド・ハーフな3Dカメラが出展され注目を集めたことは既に書いた。
しかし東芝の裸眼3Dレグザは高い価格と低画質なことから普及には乗り越えるべき課題が多いし、シャープの視差バリアモニターは縦位置では色ズレが起こるし 3Dカメラはサイドバイサイド・ハーフのため画質が悪く、結婚式なり子供の成長記録なり、できるだけ高画質で残しておきたいシーンの撮影には全く向いていない。
どうも日本のメーカーというか技術者が考えていることとマーケットが潜在的に求めているものとのズレが全然縮まらないように思える。

それと、パナソニックやソニーから睨まれると仕事がもらえなくて困るマスメディアや3Dクリエイター達が、実際には感じていても書けない根本的な問題として、 「現在のフレームシーケンシャル方式の3Dテレビの最大の欠点は左右の眼に時間差のある映像が届いてしまうこと」という問題がある。 これは、たとえパネルの応答速度が480Hzになっても人間が両目で観る時の「動きに対する精度の高さ」を誤魔化すことはできない。 3Dテレビを見慣れてくれば分かると思うが、左右の時間的なズレはサッカーのシュート・シーンや、カメラが大きくパンした時などに大きな違和感のある 映像として脳は認識して気持ち悪さに繋がっていく。
液晶シャッターメガネとフレームシーケンシャルの組み合わせによる3Dは、映像ソース自体がフルHDに綺麗になったりモニターのチューニングが3D向けに 最適化されたことで見やすくはなったが、やはり30年ぐらい昔からの古い技術に過ぎず、この左右の時間差の問題が解決されないままでは21世紀に相応しい技術とは言い難いのだが、 声を上げてそれを指摘する人は殆ど居ない。
メガネ不要で立体に見えるモニターも、フジフィルムの3Dデジカメの前モデル「W1」が採用していた「ライトディレクション・コントロール方式」は左右映像が 時間差で表示されるため、フレームシーケンシャル方式と同じような違和感やパラパラ感を感じた人も多い。
しかし、左右の映像が時間差無しに同時に表示されている偏光フィルター方式や視差バリア方式の裸眼モニターには解像度が半減してしまうことと立体視できる視聴角度が狭いと言う欠点があり、 レンチキュラー方式には人工的に作らなければならない多視差分の映像に無理があるという欠点がある。
つまり、2010年の3D表示デバイスは、ハッキリ言って「完成型には至っていない」のだが、それを言い出したら「パソコンは永遠の未完成製品」と同じになってしまい、 話が前に進まない。
そこで今回の私が「FPD International 2010」で最も注目したものは、台湾の「AUO社」が参考出品した15インチぐらいと10インチの 「眼球追尾型・レンチキュラー式・3D表示エリア自動切換え式・裸眼3D液晶モニター」(こんな呼び方はしていなかったが)で、2視差の裸眼3Dモニターの最も 大きな欠点である「視聴角度の狭さ」を眼球の位置を検出・追尾して、見ている人の頭が動いても約0.2〜0.3秒で最適な位置に3D映像をズラしていく機能と、 3D表示エリアを「映像の部分のみ」に自動切換えして、細かな文字部分などは2Dで見せることが「安価な製品」として具体化させてきたことです。
これらの機能は共に5年以上前から実験的・ラフな試作品的なものは3D Fairなどで発表されてきましたが、今回のAUOのものは、既に完成度が非常に高く、 そのままノートPCやiPadなどのタブレットPCに組み込めるレベルのものでした。
分かりやすい例を挙げると、手持ちのiPad状のパソコンでYouTube3Dを見ているとして、手元や頭が動いても3D映像が逆視になったりゴーストがでたりせず、かつ、 文字分はヘッダーはもちろん、投稿情報やコメントなどの細かな文字部分は2Dでクッキリ・ハッキリ見えるというもの。
東芝も3D表示エリアの自動切換えはCEATEC 2010 に出展した3DノートPC試作機で実装してはいるが、眼球追尾機能がないので立体視できる視聴角度が非常に狭かった。
左右2視差の場合の「3D表示画面の中は横方向の解像度が半分になってしまう」という問題は解決されていないが、メガネ不要の3D表示方法としては、 今後10年以上はAUO方式で良いと私は思う。AUOは2011年にこの裸眼3Dモニターをモジュールとして出荷すると言っているので、それがiPadなり、 グループ企業のAcerやBenQからパッド型3Dパソコンや3Dネットブックパソコンとして量産・販売されれば、現在の同様性能の2D版と3万円程度の価格差で 実現できるのではないかと思うし、それが実現すれば「文字は読みやすい2Dで、映像は訴求力のある3Dで、広い角度から見られる」といった2Dと3Dが 共存した世界が実現する。あくまでも「お一人様用」ではあるが、迫力のある3D映画はリビングの大型3Dテレビや3Dプロジェクターでメガネを掛けて観て、 部屋やモバイル環境では小型でメガネ不要な裸眼3Dモニターで観るという棲み分けが一番良いと思う。



■ シャープの3Dスマートフォンは1280x720x30fpsのハーフらしい(2010年10月16日)■
 ※参考記事は "excite.ニュース" のホームページ他から

今回のCEATEC JAPAN 2010の私のお目当ては『ハイビジョン720p3Dムービー撮影可能なシャープ製スマートフォン』です。
現在3Dエロスで作品撮影用に使い始めたフジフィルムのFinePix REAL 3D W3の720pムービー画質が非常に低品質なため、それに代わる少しでも高画質に720pで 3Dムービーを撮影・記録できるカメラを追い求めているからです。
で、今年の春にシャープから今回の3Dスマートフォン試作機に搭載されている3Dカメラモジュールが発表されて以来、その画質やフォーマットに関する情報を追ってきましたが、 ようやくCEATECで現物を手に取ることが出来ました。
しかし結論から言って、
・試作機の画質は「1280x720x30fpsのサイドバイサイド・ハーフ」です。残念ながらフルではありません。
ハーフサイズでは、よほど高画質な1920x1080x30fpsでなければ作品撮りの最低スペックを満たしません。720pのハーフでは、3Dテレビや3Dモニターで再生時に横幅と縦幅が拡大される時に、 斜め線や人物の輪郭部分がギザギザになってしまいます。物体の輪郭は、3Dにとって極めて重要なポイントで、そこが綺麗に裏側に回り込むように再現できることが自然な 立体感で見せることにとって重要であることに、新参者の3Dメーカーは気付いていないようです。
この輪郭部分にギザギザや色収差があると、回り込むはずの曲面がそこで途切れてしまい、浮いたように見え、カキワリっぽい3Dになってしまいます。
ま、この3Dスマートフォンは、あくまでも3Dカメラ付き携帯電話であり、3D専用カメラではないので、そこまで3D画質に拘っていないと言ってしまえばそれまでですが、 1280x720px30fps以上で撮れる民生用3Dカメラが無い(フジW3は24fpsだしノイズが多い低画質、パナソニックのTM-750/650は縮小サイド・バイ・サイドで縦の 解像度は実際には500ピクセルも無い)現状では、3Dマニアは皆、このシャープの3Dカメラモジュールに期待していたのです。
会場の説明員の話では、まだフォーマットも決まっていないと言っていましたが、サイドバイサイド・フルで発売される可能性は低いような印象でした。
3Dテレビが売れないのは「3Dメガネと高い価格」の問題に加えて、「3Dコンテンツ不足」が前々から言われています。この秋から3D対応のPS3用ゲームが多数発売されることで、 ゲームの面からは3Dコンテンツ不足は解消されていきますが、フルハイな3Dブルーレイは現状ではパナソニックとソニーの子会社しかオーサリング・サービスを行っておらず、 2Dのように弱小制作会社から直に3Dブルーレイが発売されてコンテンツがどんどん増えるといった可能性は今のところありません。 だからこそ、「子供やペットや旅行の思い出を末永く見られる綺麗な3D画質で残したい」という多くのコンシューマーの希望を満たす「フルHDな3Dカメラ」が必要なのに、 老舗のカメラメーカーからも新興メーカーからも発売されないことが不思議と言うか、現在の日本のメーカーの弱さを痛感してしまいます。
海外では、安価で高画質が評判の「GoPro HD」を2台組み込んだ3Dバージョン(単に2台を並べてセットできる防水ケースとシンクロ用の専用コードだけなので100ドル程度の オプション設定となる模様)の開発が報じられていますが、既に完成度が高くて価格が1台1万2千円と安いコダックのフルハイビジョン・ポケットHDムービーカメラの ようなパンフォーカスの2台のカメラユニットをシンクロさせれば良いだけのこと。その方がよっぽどマトモで使いやすい3Dムービーカメラになると私は思います。
2つのカメラモジュールのフレームシンクロについては、海外では約1万5千円とトイカメラ並みの価格のAiptek i2ですら実現している技術ですので(そのかわり左右の色の違いや ピクセル位置のズレはあるが)、簡単にできるように思うのですが...ニコン、キヤノン、オリンパス、ペンタックス、リコー、カシオ、ヤシカ(既に日本ブランドではないですが) 等、どこでも良いですから、下手に凝る必要はありませんから、『サイドバイサイド・フルHDで30fpsでパンフォーカス』な民生用ポケット3Dムービーカメラを発売して欲しいものです。



■ 画質がどうのこうのといった問題ではない、東芝の裸眼3Dテレビを見た!(2010年10月15日)■
 ※参考記事は "AV Watch" のホームページ他から

当3Dエロスも1280x720や2D/3Dコンパチのデュアル・ストリーミングWMV対応と言った大仕事に追われて、3D関連情報がテンコ盛り状態の9月・10月だが、 それらをフォローして紹介する時間が無かった。
それでも幕張で開催された「CEATEC JAPAN 2010」には、実は私も関係者の一人であることから参加し、各社の3Dへの意気込みや問題点を実際に見てきた。
圧巻はソニーの円偏光方式の超巨大な3Dモニターによるデモと、開催前からマスコミで話題となっていた東芝のメガネ不要の裸眼3Dテレビだった。
既にフルハイビジョンに見慣れた人々には、今年の12月に実際に発売される東芝の裸眼3Dレグザは「画質がダメだ」といった意見が2ちゃんをはじめ数多く の掲示板に書き込まれているが、実際に私が見たそれは、『アナログテレビ時代末期に高画質な素材を放送していたNHKの地上波アナログ放送画質並み』といった感じで、 例えばリビングルームなら彼女と2人掛けのラブソファーで3D映画をのんびりと観たり、ベッドルームに置いて寝ながら3Dアダルトを観るのには 充分な視聴角度と画質だと感じた。
もちろん、3Dエロス開設時から私が主張しているように、2Dフルハイビジョン並みの画質の裸眼3Dテレビが出来上がるまでには、よほどの天才が出現しなければ今後50年は 無理であることに変わりは無いが、画質の良いブラウン管CRTよりも低画質でも置き場所に困らない液晶モニターが普及したように、 SD画質並みでもメガネを掛ける煩わしさが無い裸眼3Dテレビやモニターを一般コンシューマーが選べば話は変わってくる。
特にアダルトの場合、3Dエロスと同じDTI系某サイトで最近「新作」として配信されている「芹澤涼子」なんかは実は私が10年前に彼女を撮った時と全く同じ時期に 某プロダクションが家庭用ホームビデオカメラで撮ったものであることからも、エロを画質を最優先して観ている人なんか少数派で、エロの商品価値と画質とは相関性が薄いと言える。
だから、各調査で出ている『3Dテレビが売れない理由はメガネが嫌だし価格が高いこと』のうちのメガネ問題は画質を割り切ることで今後解決されていくわけで、それがどんなに意味のあることかを 実感している人はまだ少ない。
ちょっとイメージして欲しいが、例えば裸眼3Dレグザがベッドルームに置いてあり、3Dアダルトブルーレイや3Dエロスなどのネットからダウンロードした無修正3Dコンテンツ をすぐに観られる状態になっていて、「寝る前に3Dで観て抜くか」といった時に、いちいち液晶シャッターメガネを掛けるまでも無く、そのままリモコンのスイッチを入れれば リアルでエロい立体映像を見ることができ、オナニーし終えればそのまま気持ちよく眠ってしまえるという鑑賞スタイルは革命的と言っても過言ではないはず。
女性も、単体のエロ(男性器とか)には興味が無い人がほとんどだが、逆に「カラミ」に対してはほとんどの女性は見るのも好きだし興奮もするから、 液晶シャッターメガネ無しでカレシと3DのAVを見ながらそのまま自分たちもセックスプレイへと入っていけるラブホテル辺りからベッドの正面に 裸眼3Dレグザを置いておくのは非常に効果的だと思う。 もちろん3Dコンテンツの双璧ともいえる「ゲーム」も、液晶シャッターメガネを掛けてするかメガネ無しでも立体視でプレイできるかの違いは桁違いに大きいし、 2D表示時は4Kパネルとしての超高画質も期待できる(2D表示状態は私も見ていないので推測しかできないが)。
今後裸眼3Dテレビやモニターのパネル解像度が4Kからさらに倍になり(それは2Dにとっても有益だが4Kや8Kで撮ったり記録したりできる民生用ビデオカメラは安くは出来ないから 4K・8Kパネルは裸眼3Dのためにあると言っても良いだろう)、2視点コンテンツから9視点やそれ以上の視点をリアルタイムに擬似的に作り出すための複数のCell CPU を使ったり多視点生成ソフトウェアが今より進化すれば、かなり一般受けする充分な画質レベルになるように思う。 もちろん、いかにも銀行やホテルのラウンジに置くような前時代的なデザインではなく、フツーにテレビボードやラックに置けるデザインであることは必要だと思うし、 厚さ1cm以下を競うよりも、裸眼3Dのために厚さが10cmになったとしても問題ではない。
なお東芝ブースに参考出品されていた50インチ超の大型の裸眼3Dテレビは、以前から製品化されているオランダ・フィリプス社のWoWテレビではないかとの噂で、 カキワリのような3D画質かつ立体視できる視聴角度も狭くゴーストも多くて日本では受け入れられないと感じた。
何はともあれ、2011年は「メガネ不要の裸眼3D時代」への幕開けであり、2月発売のニンテンドー3DSは圧倒的なコンテンツ戦略とオンライン戦略を準備しているし、 同じくメガネ不要のシャープの3DスマートフォンやI.O.DATAの裸眼3Dサブモニターなど、「メガネ不要で立体映像を楽しむパーソナルなデバイスとコンテンツ」が 3Dを一時のブームではない大きな潮流へと変えていくと思う。



■ シャープ、3D携帯電話のプロトタイプをIFAで公開!(2010年9月3日)■
 ※元記事は "Ubergizmo" のホームページ他から

今回のIFAには、3Dの普及に不可欠な『ハイビジョン画質の3D撮影もできる裸眼3Dデバイス』もいくつか発表されています。
そんな中でも、「使う使わないは別としてもハイビジョン3D撮影機能がある裸眼3D携帯電話機の普及は、3Dカメラ・モジュールや裸眼3Dモニターの進化とコストの低減と 関連ソフトの充実に大きく繋がる」ので、今年の年末までに発売予定のこのスマートフォン型のシャープの3D携帯電話も大いに期待できます。

既に3Dカメラ内臓で裸眼3Dモニター搭載の携帯電話は、韓国や中国から2年も前に製品化されて発売されていましたが、SD画質、コンテンツの少なさ、活用方法の 積極的なPRの無さから全く売れずに終息していました。

しかし状況はこの1年で大きく変わり、3Dコンテンツがどんどん増えるにしたがって、「大画面で楽しむなら3Dテレビや3Dパソコン」と、 「ひとりで楽しむなら小型の裸眼3Dモニター、ニンテンドー3DS、3D携帯電話」といったように「裸眼3D」をキーワードにしたものとの3Dの二極化が2011年には 進むと思います。

特に音楽、映像、ゲームなどのコンテンツがCDやネット版よりも「携帯向け」の方が売り上げが大きくなって久しい現在、3Dの普及にとっても 「ハイビジョンで撮ってYouTubeに投稿できて、メガネ無しで立体に見える裸眼3Dケータイ」は無くてはならない存在だと思います。
もちろん、ハリウッドの実写3D映画などは大画面の3Dテレビで観なければその良さを実感できませんが、3D音楽PV、3Dアニメ、3Dアダルト、3Dゲーム、 YouTube3Dなんかは3.5インチの小さな画面でもそこそこに楽しめると思います(本当は7インチ以上が望ましいが...)。
あとは、かつてAU-KDDIの3D携帯電話「日立Wooo H001」が犯した過ち(3Dコンテンツ不在、3Dフォーマットの非公開、3D静止画に未対応)を繰り返さずに、 積極的な3Dコンテンツの発信やネットとの繋がりを重視していけば充分普及する、と言うか、同じシャープの裸眼視差バリア3Dモニターを搭載したニンテンドー3DS の最大のライバルとして競合もしくはそれを上回る台数が普及する可能性を秘めていると思います。 ともあれ、個人的にはこのシャープ製3Dカメラモ・ジュール(1280x720x30fps)を搭載したポケット3Dカメラをどこかが開発・発売することを願っていますが、 ま、この3D携帯電話が16GB以上のマイクロSDHCカードに対応していて、かつ、H264/MPEG4/AVCで記録できるならば、それでも良いですけど...
【補足】2010.09.03
3Dケータイを普及させるひとつのアイデアとして、既存のシステムでも実行可能な『待ち受け3D美人時計』があります。 既に2D版美人時計は、ペット版やイケメン版など数多くのバージョンが登場していますが、2D版同様に、その3D版は企業とのタイアップなども簡単かつ 宣伝効果も大きいと思います。シャープ3D携帯電話発売に合わせて『待ち受け3D美人時計』とか『3DAV女優時計』とか、あるいはアダルト以外の分野でも、 企業様からご一報いただければ、当3Dエロスの6年間に及ぶノウハウを活かしつつ驚くほど安い制作費で1日分1440枚の高品位な3D映像を制作いたします。



■ 新しい3Dノート続々登場、本命はソニー3Dテレビと互換性のある「バイオ」のフルHD240Hz液晶モデルか!(2010年9月3日)■
 ※元記事は "PC Watch" のホームページ他から

昨年のIFA(毎年ドイツ・ベルリンで開催されるヨーロッパ最大の家電・パソコン見本市)はパナソニック、ソニー、サムスン、LGなどが大々的に「3Dテレビ」を 発表して「2010年は3D元年だ!」とアピールしたが、それから1年経ち、米国市場での3Dテレビは案の定サムスンが85%のシェアを確保する状況となっているが、 今年のIFAでは、3Dをよりパーソナルに楽しむデバイスが多く現れてきたようだ。
当3Dエロスが前々から主張しているように、3Dの普及は、ソフト制作やオーサリングに時間と手間が掛かる3Dブルーレイよりも、日本や韓国などのエロ規制に 制限されること無く、高画質なままで配信可能なネットから普及し、個人が手軽に3D撮影できるカメラとの相乗効果で、YouTube3Dや既に個人による実験が始まっている Ustreamを使った3Dライブ放送などからも加速度的に普及が進むと予測されます。
その段階では、大画面・高画質に拘るよりも、「ひとりで、お手軽に、様々な3Dメディアを楽しめる」デバイスが必要になり、その可能性が最も高いデバイスが 『3Dノートパソコン』だと思います。
テレビはなかなか買い替えが難しいし、地上波での3D放送が難しい現状ではそのまま3Dで見られるコンテンツはどうしても限られてしまうのに対して、 3Dノートパソコンはネットとの親和性もブルーレイとの親和性もあり、既に3Dゲームも豊富でテレビ用ゲームからの移植も簡単だし 「飽きたり新型が出たらヤフオクで処分して買い換える」などを気軽に行えるデバイスだと思います。
そんな中、今回ソニーがIFA向けに発表した「3Dバイオ・ノート」試作機は、同社の3Dテレビとの互換性も重視し、パソコン用モニターでは最高の240Hz駆動の フルHD液晶モニターを、NDIVIA 3D Visionではなく、ソニーの3Dテレビと共用可能な独自方式の液晶シャッターメガネで見る方式を提言してきました。
実際に発売される2011年春までには色々なスペック変更があると思いますし、YouTube3DやUstreamなどのFLASHムービーをそのままリアルタイムにフィールドシーケンシャルに 変換して液晶シャッターシステムで立体視できるようなソフトが必須だと思いますが、「パソコン用のシャッターメガネ方式はチラつくから嫌だ」という否定派をも納得させる ポテンシャルのある3Dノートに仕上がりそうで期待します。もちろんその場合、付属させる液晶シャッターメガネは折りたためるようにしないと意味ないと思います。

3Dテレビと同様に、モニターの高画質化に伴って必然的に3Dも可能となるノートパソコンでは、この1年間ではNDIVIA 3D Visionの一人勝ち状態が続いていましたが、 ATI-RADEONなどの他のグラフィック・ボード会社も黙って見ているわけも無く、ようやく「非NDIVIAグラボの3Dノート」がHPから今年のクリスマス商戦に向けて発売されます。
ザクっとした情報は、Bloodyさんの『3D VISION BLOG』の"HP ENVY 17 3D a 3D-capable Multimedia Laptop by the End of the Year" に書かれていますが、Core i7搭載でもちろんブルーレイ3D対応で、米国での販売価格予想は1600ドル〜1800ドル(現在の円高85円計算だと136000円〜153000円程度)となっています。 邪魔な後付け赤外線エミッターは不要で、液晶メガネへのコントロール信号はノートパソコン本体から発信させるスマートなスタイルになっています。

過去の経済アナリストからのレポートでは、NDIVIA方式なりRADEONなどの他方式なり、使われるノート用120Hz液晶パネルというかパソコン完成製品自体を台湾メーカーが OEMで作っているらしく、その中身には日本の高品質なパーツが多く使われているとはいえ、ここでもあまり日本経済には大きなメリットはないままに中華勢の存在感が 大きくなってきています。
ま、過去においては東芝がIBMのThinkPad等をOEM生産していたわけですから「製品」として表に出るかどうかよりも、OEMによる技術の流出や ノウハウの蓄積がどんどん中華系に移転してしまって、日本から新しい技術が誕生する可能性が小さくなってしまうことが問題だと思います。

また、NDIVIA 3D Vision対応ノートパソコンとして世界初の製品を発売したASUSは、不評だったピラミッド型の赤外線エミッターをノートパソコン本体に組み込んだ ニューモデルを発表しました。
こちらもザクっとした情報は「3D VISION BLOG」の"Asus G51JX-3DE Laptop With Integrated IR Transmitter for 3D Vision" に書かれていますが、価格情報は無し。おそらくHPなどとの競争上、1686.99米ドルよりも安く1500ドル台で市場に出すのではないかと思われます。

問題は、NDIVIAの液晶メガネが今までは競争相手が居なかったために既に2年以上もモデルチェンジが行われていないため、暗さ、重さ、携帯性の悪さといったウィークポイント が他社の参入によって表面化してきたことです。
液晶シャッター陣営にとっては、2011年は「裸眼3D」との戦いに加えて、このような液晶シャッターメガネのウィークポイントの克服が大きな課題であると思います。

ともあれ、比較的に買い換えしやすいノート・パソコンで「3D対応モデル」が増えて選択肢が広がり、それに伴ってネットの3D対応や、幅広いジャンルで3Dコンテンツが 増えてくることは3Dファンにとっては嬉しいことです。

2011年は3D対応PCゲームの規格の統一・互換性の拡大や、3Dテレビと同様に液晶モニターの240Hz駆動への進化が期待されます。



■ えっ、富士通の3Dパソコンが99,700円!(2010年8月25日)■
 ※元記事は "PC DEPO" のホームページから

フジフィルムのREAL 3D W3で使う16GBのSDHCカード(クラス6以上)が近所のショップではおいくらかを調べるためにPCデポのサイトを見ていたら、富士通の3Dデスクトップパソコンが 99,700円で売っているのを発見(8月27日までみたい)。
ちなみに価格コム限定モデルはCPUがCore i5搭載で134,240円、対する全国限定150台のPC DEPOモデルはCPUはCore i3で99,700円。
メモリ4GB、ハードディスク1TB、ブルーレイ・ドライブ、地デジWチューナー等の装備は同じ。

2年前にZALMAN ZM-M220Wが日本でも売り出されたときの価格が98,000円(22インチワイドの3Dモニターだけの価格ですよ)だったことを考えると、CPUがCore iで、 ブルーレイも地デジも見られて録画もできるオールインワンの3Dパソコンが99,700円で買えちゃうのは驚異的。

昔からの3Dマニアにはそのコスト・パフォーマンスの高さは分かるのですが、今まで3Dに興味の無かった人々には、この驚異的な低価格でも「高い」と 感じるのでしょうか?
ともあれ、富士通やNECが採用している有沢製作所のエクスポール・フィルターを貼った「偏光インターリーブ方式」の3Dモニターは、縦方向の解像度が半分になってしまう 欠点がある反面、液晶シャッターメガネ方式のようなチラツキが全く無く、他の光源からの干渉でシンクロ信号が狂うこともなく、メガネが軽くて明るいことから、 長時間3Dで見ても眼と脳の疲労が少ないというメリットがあり、これからインターネット上にどんどん3Dコンテンツが増えてきて3Dで見る時間が長くなることや、 ご自分でも3Dカメラで撮ったものを時間をかけて編集したりする人にとっては「偏光インターリーブ方式」の方が向いています。
特にYouTube3Dは、3D映画の増大に伴う3D版のスペシャル・トレーラーや、3D版のミュージックPVも出始めていますし、低価格な3Dデジカメの普及に伴って、 一般やセミプロからの3Dムービーの投稿も増えてきていますが、「偏光インターリーブ方式」の3Dモニターなら、それらをダウンロードすることなく直接立体で 見ることができるという大きなメリットがあります。 液晶シャッター方式の3Dモニターでは現在のところは直接立体で観ることは出来ません。
ともあれ、3Dを楽しめる方が150台分増えて、その中から優れた3Dクリエーターが生まれてくるかもしれません。事実、ほんの2年前までは素人だった人が、1から 3Dを勉強して、今や「アバター」などの特殊映像効果を担当したニュージーランドの「WETA」(Wikiはコチラを参照)で 働いているのですから、映像クリエーター志望の人々にとっては、3Dの世界は2Dのような徒弟制度に縛られずにいきなりトップに行ける可能性のある世界なのです。 (ま、「外国に行くの嫌〜」な内向きで安定志向ばかり強いような若者には、どんな世界にも可能性は無いけど...)
【補足】
PDFチラシなので拡大してよく見たら「NTT光加入」とセット販売のようです。テレビ受信環境などもネットにしたい人や、これから親元を離れてマンションやアパートなどに 独立して自分のPCを持つ人などには向いているかもしれません。




■ 各社の3Dムービーカメラをザクッとまとめ(2010年8月24日)■

3Dテレビやパソコン用20インチ以上の3Dモニターでの鑑賞を想定した3Dムービーも撮影可能な「3Dデジタルカメラ」が2010年下半期になって相次いで発表されている。 しかしながら、銀塩フィルムカメラ時代からノウハウを積んだメーカーからではなく、いずれも新規参入のため、その性能差は価格以上にバラバラのようです。
そこで、現在既に発売されているもの、これから発売予定のものについて、ザクッとまとめてみたいと思います。
なお、図中の録画サイズは3D撮影時の片側のサイズ。また文中意見にわたる部分は、私が製品スペックやサンプル映像などから得たあくまでも個人的なものです。

|羚顱Inlife-handnet社製「3D DV&Player」
フジフィルムが当初「世界初」をうたっていた初代FinePix REAL 3D W1を発売する数ヶ月前にアメリカ市場で発売された民生用3Dデジタルカメラで、 画質はSD(640x480)に左右2画面を押し込んだサイドバイサイド・ハーフだったと思う(現在既にサンプル映像が見つからないので断言できず...)。
特徴的な双眼鏡のようなスタイルのコンセプト自体は理にかなったもので、ボディー上部の「視差バリア3Dモニター」に加えて接眼部に左右それぞれ2枚の液晶パネルが 内蔵されていて、ちょうどヘッドマウントディスプレイで見るような感じでゴーストの無い3D映像を撮影時も再生時も見ることができる。
ある意味、軍事用ビンチキュラー型3Dカメラを民生用にしたような雰囲気で、現在も米国の3Dショップ「Berezin」で695ドルで購入できるが、 私的にはSD画質でかつサイドバイサイド・ハーフという低画質なこのカメラには歴史的価値しか見出せない。
 ・スペック情報はコチラ:http://www.3dinlife.com/en/product2.html#
 ・米国「Berezin」の商品説明ページはコチラ:
          http://www.berezin.com/3d/3Dvidviewer.htm

台湾:AIPTEK社製「3D HD 720P Camcorder DDD11X」
数週間前までは「AIPTEK i2」の名称だったのが急遽この名称に変更され、日本では輸入販売代理店の「レッツコーポレーション」のロゴが入った 「3D Sunday Pocket HD Camera(サンデー・サンデー・ポケット・HDカメラ)」として29,800円(予備バッテリー1個付き)で8月下旬から発売予定。
ステレオベースは40mmぐらいで、センサー及びレンズのサイズに対して丁度良い感じの立体効果で撮影できるが、カタログ上は「30fps」と明記してあるが実際には 「10fpsの各コマを3倍にコピーして30枚に並べたもの」で、非常にカクカクとした動画になってしまう。また、記録サイズは 「1280x720に左右2画面を圧縮したサイドバイサイド・ハーフ」であり、左右のホワイトバランスが明らかに狂っていたり、ピクセル位置が上下に10ピクセル以上も狂っていたりする 個体があるなど、当たり外れが大きい。米国では200ドルしないが、そんな超低価格相応の「デジタル3Dトイカメラ」と思っていた方が失望しないと思う。
小型・軽量・パンフォーカス・低価格を活かして、車載やヘルメットに装着したり、防水ポーチに入れて簡易水中撮影をするなどの「最悪壊れてもいいや」みたいな撮影には 重宝すると思う。
 ・日本語によるスペック情報はコチラ:
          http://www.lets-co.jp/3dhp/3dsunday/index.html

F本:パナソニック製「HDC-TM750/650+VW-CLT1」
イメージセンサーに3CMOSを使った高画質フルHDムービーに専用の3Dコンバージョンレンズを装着することで片側960x1080x30fpsの3Dムービーを記録できる。
3Dレンズの装着は、光軸の微調整を含めて取り付けやすい工夫が施されている。
ただし、小さな2個の対物レンズと映像の横幅を50%に圧縮するアナモルフィックレンズのを電子的に横幅を50%に圧縮し、縦方向を200%に拡大しているため、 周辺部の画質劣化がかなり大きく、また、上下左右に「黒枠」が付いてしまうために実質的な録画可能サイズは960x1080ピクセルよりも2まわりぐらい小さくなってしまう等の 「急ごしらえ」感が否めない問題がある。(以上2010.09.03訂正)
レンズ間隔が12mmと非常に狭いため、YouTube3Dに投稿された一般ユーザーが撮影した3D映像ではカキワリ感が酷く、大人の全身像では人体の厚みや丸みに殆ど立体効果が 見られない。⇒ http://www.youtube.com/watch?v=bnnB4M4i_Ic
黒枠付きのサイドバイサイド・ハーフ画質、ホワイトバランス以外マニュアル設定が出来ない、撮影中のズームが出来ない、立体感が弱い、3D静止画の撮影が出来ない、 撮影結果をその場で3Dで確認できない等のウィークポイントがある割には価格が高く、民生用3Dカメラとしてベストとは程遠いものと言わざるを得ない。
パナソニックの場合は、200万円の業務用機と民生機との差別化を図る上で、当面は左右共にフルHDで記録できる2眼式の民生用3Dカメラは発売されないと思えるので、 パパさんママさんがお子さんやペットを、あるいは彼女とのHな思い出をお手軽に「なんちゃって3D」で残す目的に限定した3Dカメラだと思う。
 ・日本語によるスペック情報はコチラ:
          http://panasonic.jp/dvc/tm750/spec.html

て本:フジフィルム製「FinePix REAL 3D W3」
レンズやセンサーは初代W1と全く同じスペックではあるが、1年を経て映像処理エンジンが強化され、ようやく3Dムービーが1280x720のスタンダード・ハイビジョン サイズとなり、ステレオベースもW1の77mmに対して75mmと僅かながら近接撮影での極端な視差を少しだけ回避する方向に修正され、モニターもコストが掛かる割には 評判が良くなかったライト・ディレクション・コントロール方式から大型で高精細で見やすい新世代レンチキュラーに変更し、実売価格も本日現在で最安値が3万円台になるなど、 「本格的な普及」を狙った企業努力が伺えるが、1280x720ムービーのコマ数は24fpsである。
PAL方式の24コマに慣れているヨーロッパ人や、そもそもあまりフレーム数に拘らないアメリカ人たちには24fpsは全く問題視されず、1280x720ムービーへの進化が非常に 好意的に受け止められている。
既に本日現在までに10本ほどのテスト撮影映像がYouTube3Dにアップされており、映画と同じ24fpsも見慣れてしまえば私には十分許容範囲であり、パナソニックのステレオベース 12mmと違い、少しハイパーステレオベースのW3は遠景や望遠側でもそこそこの立体感がキープされている。ただし撮影中のズームは出来ない。
3Dムービーのフォーマットはmotion-JPEGベースの独自フォーマットのため、10分間で4GBを必要とする割には画質は低い、が、映像サイズは左右の横幅が圧縮されない オリジナル・アスペクト比のままなので、静止画もムービーも2D版と3D版の両方を作らなければならない当「3Dエロス」にとっては貴重な1台である。
もちろん、パパさんママさんがお子さんやペットを、あるいは彼女とのHな思い出をコンデジサイズのカメラでお手軽に3Dで残す目的にも現在のところベストな1台だと思う。
 ・日本語によるスペック情報はコチラ:
          http://fujifilm.jp/personal/3d/camera/finepix_real3dw3/specifications/

今後発売が予定?されている3Dカメラ

ヂ耋僉В庁悖納卆宗DXG-5D7V」
これまたAIPTEK社と同じく台湾製の3Dカメラで、DXG社は三洋Xactiの生産なども行っていたらしく、外観はXactiをそのまんまパクっている。
ステレオベースが極端に狭く、画質も今どきSD画質でおそらくサイドバイサイド・ハーフなので、折角開発しても「AIPTEK以下のトイカメラ」扱いのものに終わってしまうと思われる。
なお、極端に狭いステレオベースは「画像処理で立体視効果を得られた」としているが、つまりは人工的な視差強調のようであり、3D撮影時における処理としては適切なものとは 言い難い。
その割には価格に関しては「開発費がかさんだので正直,あまり安くできないかもしれない」とのことである。
狭いステレオベースを逆手に活かした「3Dマクロ」が撮れればSD画質でもそこそこ存在意味があるが、おそらくマクロは撮れないと思われるので、私的には製品化する 意味が全く無いモデルだと思う。

γ羚顱Inlie-handnet社製「HDC-820」
今年になってから急に概要が発表され、当初7月〜8月に2万円台で発売すると告知されていたコンパクト・デジカメ型で1280x720x30fpsの3Dムービーが撮れるモデル。
ボディーカラーも5色準備され、マジに普及を狙っているものと思われる。
ムービーの実サイズはサイドバイサイド・フルなのかハーフなのかは不明だが、仕様書ではSD画質では60fpsでの記録もできるような記載になっている。
フジフィルムのW3のような「殆ど使わないであろう無駄な機能」とも言えるような多彩な機能は一切無く、レンズも固定焦点のシンプルなもの。ステレオベースも写真で見る限り60mm前後あるようなので、 3D効果はかなりありそう。1280x720x30fpsが真実で2万円台ならば、台湾のAIPTEK製3Dカメラよりもコストパフォーマンスが高く有用性が高いと思う。
しかしながら後述のHDC-810同様に、未だに発売される様子が無い。
 ・英語によるスペック情報はコチラ:
          http://www.3dinlife.com/en/product4_2.html

中国:Inlie-handnet社製「HDC-810」
今から1年前の2009年夏に、フジフィルムのW1に対抗する形で製品企画とCGが発表され、直後にモックアップが、秋には実際に撮影可能なプロトタイプが公開され、 当初は2009年12月までに発売と告知されていたが、その後、延期に延期を重ね、 ドイツでは4月から具体的な価格(フジフィルムのW1よりも20ユーロ安い)と発売日(5月15日)まで明示して先行予約まで行っていながら本日現在全く発売される気配が無い。
信頼できる情報筋によると、5月の時点で「予定のコストに収まるズームレンズ・ユニットが調達できない」という何とも情け無い事情がプロダクト・モデルの生産に 着手できない原因らしい。
スペック的には事前情報では「1280x720x30fpsxサイドバイサイド・フル」で3Dムービーが撮影可能で、フォーマットは汎用性の高いH.264-mpeg4/AVIで、外部ストロボや 有線式リモコンが使えるなど、価格以上のプロっぽい仕様が魅力的なモデルだが、上記のような理由でいつ発売されるのか、あるいは本当に発売されるのかすら見えない状況 である。
Inlife-handnet社は「視差バリア式裸眼3Dフォトフレーム」の自社及びOEMによる出荷が順調なようだが、HDC-810及び820の発売遅延によって、今後その信用は大きく 失墜してしまう可能性がある。
          http://www.3dinlife.com/en/product4.html

3Dムービーデジカメは今まさに黎明期と言える。そこには銀塩フィルム式ステレオカメラの100年近くに及ぶノウハウを持ったメーカーは登場せず、 かつて電卓のカシオがデジタルカメラという新ジャンルを創り出したように、アジアの新興企業や比較的最近になって3Dに参入してきたばかりの企業のみが製品を 発表してきている状況で、どれも「完成形」には程遠い。
3D研究の実績が長い「日本ビクター」「オリンパス」「三洋」や3Dアダプターを30年以上販売している「ペンタックス」が、ノウハウに基づいた完成度の高いものを 引っ下げて3Dデジカメ市場に参入してくることを期待したいが、三洋は親会社であるパナソニックとの関係から競合する3Dデジカメを独自に発売するのは無理かもしれないし、 ペンタックスには3Dデジカメを作る資金的な体力が無いかもしれないが、どこでも良いから発売して我々の選択肢が増え、メーカー間競争による3Dデジカメの総合的な品質の 向上・進化が図られることを望む。
さてその場合、「2眼レンズ方式で、ステレオベース可変(アダプター方式も可)で、左右フルハイビジョン画質で、できれば60fpsで、動画はH.264-mpeg4/AVCで長時間録画可能で、 5万円以下の価格」のものを市場投入できた企業が、頭2つ分、世界をリードできると思う。
【補足及び訂正】2010.09.03
本日「AV Watch」の「本田雅一のAVTrends」に『パナソニック3Dカメラの"意外な高画質"の秘密 〜 パーソナル機器での3D撮影の今 〜』と題する記事が掲載され、 パナソニックのHDC-TM750/650での3D記録の仕組みと専用3Dコンバーコンバージョンレンズ「VW-CLT1」の構造がようやく明らかになったことから、関連する部分を訂正しました。 要するに「パパさんママさんが撮っても安全な3Dになるようなステレオベース」で「左右2画面を電子的に横は圧縮・縦は拡大」しているのがポイントのようです。 「電子的な圧縮と拡大」って、Aiptekが10fpsを3倍にコピーして並べて30fpsと言い張ったり、明らかに720pの解像度がないのを拡大して720pにしているのと同じような レベルの処理方法で、カメラ本体と3Dレンズのセットで10万円を超えるものとしてはコスト・パフォーマンスの観点からは私的には厳しい評価しか付けられません。



■ 台湾Aiptek製3Dカメラに重大問題発覚(2010年8月14日)■
 ※元記事は "A. Aronsson's WeBOLLog" 他から

米国アマゾン等に先行予約した人への発送が始まった台湾Aiptek製3Dムービーカメラについて、ユーザーから重大なテスト結果が公開されました。
そのポイントは、『広告に掲載されていた仕様書の30fpsを満たしていない』ことです。

私も、YouTube3Dにアップされていたデモ映像の左右の色違いや上下及び傾きの数ピクセルのズレは「カメラが安いから編集で補正すれば我慢できる」と思っていたし、 Aiptek社の英語サイトの仕様書にはup to 30fpsと明記してあるし、日本でレッツコーポレーションが配った説明チラシにも30fpsと明記してあったので、 YouTube上のデモ映像が明らかに30fpsのフレームレートを出ていないのは付属のアップロードソフトの制約なり不具合で間引きされているのではないかと思っていましたが、 アップロードソフトの問題ではなく、撮影された動画ファイル自体が、
「1つのフレームを連続2回コピーして並べ(つまり同じコマが3枚続く)、次のフレームも同様に3枚同じものが続き、 実質10fpsしかキャプチャーできていないものを3倍にして1秒30コマにしている」
ことが判明しました。
PAL規格の24〜25fpsぐらいに落ちてしまう範囲ならばまだ我慢も出来ますが、実質10fpsでは話になりません。

このブログのAndreas Aronssonさんは、この点が広告と違うとクレームして返金されたそうですが、日本で購入を検討していらっしゃる方は、 「実質10fpsのムービー」であることを事前了解してから購入すべきだと思います。

しかし、日本でのメディア向け発表でも、「AV Watch」7月29日付けの紹介記事では 『1/2.5型、約500万画素のCMOSを搭載。フォーマットは動画がMPEG-4 AVC/H.264(音声はAAC)で、静止画がJPEG。記録解像度は動画が1,280×720ドット/30p(16:9)、静止画が2,592×1,944ドット(4:3)だが、サイドバイサイドのため、3D映像の場合は横方向の解像度が半分(動画は640×720ドット)となる。』 と、あくまでも30fpsであると説明されています。
ところがレッツコーポレーションから同日公開された日本語版のウェッブ・パンフレットの仕様書には、 Aiptek社の英語版オリジナルに明記されているフレームレートに関する項目が一切無いので、意図的に触れないようにした印象さえ抱いてしまいます。

「安価で誰にでもHD画質の3Dムービーが撮れる」というコンセプトの製品を世に出したいという姿勢は大いに歓迎できますが、このフレームレート問題は、 期待していた多くの人々を欺くことになるし、折角の3D普及のための努力が水の泡どころか逆効果になってしまうかもしれませんし、 消費者からのクレームを受けて製造業者や販売業者に対して非常に厳しい処置を課すアメリカで、これから実際に商品発送が進んで現物を手にする人が増えるに従って 「30fpsではない」といったクレームが増え、「誇大広告」として大きな問題になるかもしれません。
おそらく台湾人は「1秒間に30コマあることには違いない」と言い張るかもしれませんが、それでは米国市場をはじめ世界の市場から信用を失うと思います。
もしも仮に今後のファームアップで「up to 30fps」になるのだとしたら、当然販売する前にそれを告知すべきですが、本日現在、何ら「up to 30fps」に関する情報は開示されていません。

そこで再び輝きを増したのが、日本のシャープが既に7月からサンプル出荷を始めたらしい小型でハイビジョン(720p)画質の3Dカメラ・モジュールです。

このニュース・リリース(http://www.sharp.co.jp/corporate/news/100512-a.html)にも説明されているとおり、 3D映像のキモとなるフレーム同期や色の同一性などについても
『左右2つのカメラが出力する映像に対して、色・明るさを調整する「カラーシンクロ処理」、映像信号のタイミングを同期化する「タイミングシンクロ処理」、位置ずれを調整する「光軸調整処理」の機能を搭載しました。また、イメージセンサーから信号を迅速に読み取る高速読出技術により、高画質なハイビジョンモードによる立体映像の撮影を可能としました』
としています。

おそらく、同社の視差バリア3Dパネルを搭載するニンテンドー3DS(搭載される3DカメラはSD画質)の発売の前後に、このハイビジョン画質の3Dカメラ・モジュールを 搭載した3D携帯電話をシャープは発売すると思いますが、残念ながらシャープは現在、自社ブランドのデジカメやムービーカメラは製造していませんので、このモジュールを 使った小型3Dムービーデジカメの実現は、どこかの企業に委ねられることになります。

3Dの老舗でありながらブランドの存続も怪しいペンタックスとか、3Dで地道に頑張って製品やアプリを出しているオリンパスとか、 パナソニックの完全子会社になったサンヨーが「Xacti」のブランドを存続させるための「Xacti 3D」にするとか、 YouTubeCamの分野に早くから製品を投入しているビクターなら「ポケット・エブリオ3D」にするとか、まともな3Dカメラを出していないソニーとか、 どこでもよいですからジャパン・ブランドとして世界にアピールできる 製品に仕上げてもらいたいと私自身は願っていますが、日本のメーカーでは、3Dテレビやフジフィルムの3Dデジカメの例を見れば分かるとおり非常に高価な製品となってしまい、その結果、 普及しない可能性も高いと思いますので、サムスンなどの韓国企業などがこのモジュールを使って安価に製品化してくれた方が結果的に良いかもしれません。

ともあれ、どこのメーカーが作るにせよ、製品化の際には、是非とも「マクロとワイドにステレオベースを変化させる簡易アダプター」をオプションに加えて欲しいと思います。 表面鏡を使って手作りで入射・反射角度を正確に自作するのはとても難しいですから。
【補足】2010.08.15
シャープと言えば、今から10年近く昔に、NECと共に、当時オーストラリア辺りに会社があったDDD社(だったと思う)の視差バリア技術をライセンスしたメガネ不要の パソコン用3D液晶モニター「LL-151D」などを 製品化していたが、当時のNECの3Dノートパソコン同様に「ゴーストが酷く、眼の疲労もハンパなく大きかった」ため、マニアにもほとんど売れずに消えてしまいましたが、 今回の3DブームでNECは有沢製作所のエクス・ポールフィルターを使った偏光インターリーブ方式の3Dモニター一体型パソコンで3D復活を果たし、 富士通も同様な3Dモニターに+低画質なウェッブ3Dカメラを搭載して発売したので、シャープも現在の技術で「3Dメビウス」なりを開発し、その周辺機器として、
USBでパソコンに接続可能でウェッブ3Dカメラにもなり、取り外せば単体でハイビジョン画質の3Dムービーデジカメとして使える 『シャープ・ビューカム・ポケット3D』として、シャープ・ビューカムのブランドを10年ぶりに復活させれば面白いと思うし、 画質やブランドにこだわる日本のユーザーやシャープのクアトロン3Dテレビを買ったユーザーに歓迎されるのではないでしょうか。




■ 民生用3Dカメラとレンズを考える(2010年8月13日)■

カリフォルニアではHD720pの3Dムービーが撮れる超安価な台湾製「Aiptek i2」が今週月曜日からデリバリーが始まったらしく、 それで撮影された3DムービーがポツポツとYouTubeに投稿され始めた。
問題は、プロトタイプの時よりも酷い左右の色違い・明るさ違いのものがあること。固体によって品質の良し・悪しの差が非常に大きいようで、 カメラ等の光学精密デバイスでは台湾というかAiptek社はまだまだといった印象を受ける。
そんな今こそ、3Dデバイス分野は、日本の生産技術を再び世界にアピールできるチャンスなのに、カメラ・メーカーや光学メーカーの動きは鈍い。 新参者のパナソニックが不完全ながらも民生用3Dレンズを実際に発売してしまうことに、30年以上も3Dの研究をしてきたはずの老舗のカメラ&レンズメーカーは 「これってヤバイかも」と状況を認識しているのだろうか?
既にデジカメ市場は飽和し、デジタル一眼もフルハイ動画が全ての機種に搭載されれば後は価格競争だし、 しぼむ一方の分野のみにしがみついても将来性は見えないと思うのだけれども...

3Dカメラや3Dレンズは、他社と差別化できる要素と自社製品の中でも機能差別化によるグレード化がしやすく、今後10年位は「進化しつづける」余地のある分野のように 思える。そこで思いつくままに、当面の民生用3Dカメラと3Dレンズについて提案してみたい。

その前提として、家庭での自家製3Dコンテンツの視聴ではお手軽な「サイド・バイ・サイド・ハーフ」がスタンダードとなるのか、 あるいは「ハーフ」はあくまでも暫定的な一時しのぎなもので、銀塩カメラの時のように「ハーフサイズ」はやがてフルHD3D専用カメラの普及やフルHDなデュアル・ストリーミング 3D放送・ネット配信の普及が予想以上に早く進めば、ハーフは短命で消滅してしまうのか、という大きな問題があるが、 現状では今後5年位はフルハイな自家製3Dコンテンツはそう多くは作られず、そこが「ハイアマチュア」と「パパさんママさん中心のアマチュア」 の境界線になるように思います。また、ハイアマチュア向けと言っても、あくまでもハンディーなものを前提に提言することとしたい。 肩に乗せたりクレーンに乗せなければならないようなヘビーで大きなものは対象外とします。

■「パパさんママさん中心のアマチュア向け3Dカメラ」に求められるもの

.▲泪船絅向けとはいえ画質は最低でも「1280x720xサイド・バイ・サイド・ハーフ」が必須
    3D立体視には脳内合成による「解像度改善効果」がある反面、「画質の悪さもより強調されて」見えてしまいます。 試してみれば分かると思いますが、ノイズなどが2Dの数倍も目立って見えてしまうようになります。昔のようにモニターやテレビ自体の解像度が 640x480ピクセルならばSD画質でもOKでしょうが、テレビもパソコン・モニターもフルハイ表示がスタンダードとなった現在では、少なくとも720p記録でないと 「画質の悪さ」の方が目立ってしまい、3Dを楽しむどころではなくなってしまいます。
特に、パソコン用3Dモニターでの視聴では、液晶シャッター方式のチラツキに我慢できないユーザーが徐々に偏光インターリーブ方式に乗り換えてきている状況では、 縦方向の解像度が重要になるので、720pが必須になると思います。
その点では、現在の3D版アダルトDVD(720x480pなので片側の横幅は360ピクセルしかない)をハイビジョン解像度のPC用3Dモニターやハイビジョン3Dテレビで 再生した時の画質の酷さは、3Dの普及にとっては逆効果だと私は思います。

▲好謄譽ベースは35mm〜50mmぐらいが適当
    レンズの画角にもよりますが、35ミリフィルムカメラ換算で35mm〜50mm程度の標準的なレンズの場合、ステレオベース固定であるならば、 経験上、撮影距離1m〜5mぐらいまででは、ステレオベース35mm〜50mmが3D効果もそこそこ分かりやすく、かつ、よほど接近した撮影をしない限りは異常な視差も付かない、 もしくは後から補正可能な3Dで撮れると思います。
なお、これからの3Dカメラには、撮影距離と連動して視差の安全基準値をオーバーして寄った場合は画面に赤い「寄り過ぎ警告マーク」が出るような機能も必須だと思います。

フォーカスはパンフォーカスでOK
    背景をボカしたり任意の位置にフォーカスを合わせて撮るのを何よりも優先する人が居ますが(それはそれで結構なことですが)、黒澤 明のように 「映像自体はどの部分を観るかはお客の自由だから全てにフォーカスが来るように撮る」とパンフォーカスに拘った巨匠も居るわけで、特に3Dは「絵」ではなく 「空間を映し込む」わけなので、自然界と同じように、立体効果が生じる撮影範囲内はパンフォーカスで撮る方が自然に近いし、フォーカス機構が不要なことから 低コストで3Dカメラを作れると思います。
その際、安価なパンフォーカスレンズの性能には大きな差があるので、開発者は「最短撮影距離30センチ〜無限、F値2.8以下の明るさ」を目標に安くても高性能なレンズを 開発して欲しいものです。

て眤.好肇蹈椶篭力なディフューザータイプで
    3D撮影では、瞳とかイヤリングやネックレスや腕時計などに光が当たったときに、少しのステレオベースでも左右に全然違う反射光が映ってしまう場合が多いです。
そのため、ストロボを内蔵する場合は、ストロボ光到達距離よりも「拡散」を優先した強度のディフューザーを組み込んだストロボにした方が良いと思います。

ゥ泪ロとワイドはアダプターで対応
    3Dに慣れてくると、パパさんママさんも子供やペットの顔のアップを3Dで撮りたいと願うだろうし、逆に、旅行や鉄道好き、飛行機好き、 野球やサッカー好き、競馬やクルマや競艇などのレース好き、工場や廃墟好きといった比較的に広いエリアを映し込むのが好きな人には風景全体がカキワリのように映ってしまっては3Dの意味が無いわけだが、ステレオベース固定では そんなニーズに応えられないので、ミラー式またはプリズム式のアダプターでステレオベースを狭くしたり広くしたり出来るオプションが必要だと思います。 その場合、「台形ゆがみ」が生じると思うので、添付またはカメラ内臓ソフトで自動補正できるようにする必要があると思います。
なお、いくらアダプターでステレオベースを変化させてもその程度のステレオベースでは「学芸会や運動会で我が子を3Dで望遠でアップで撮る」 ことはできないことぐらいの基礎知識はパパさんママさんにも購入前に知ってもらうように説明する義務がメーカーにはあると思います。


■「ちょっとこだわったハイアマチュア向けの3Dカメラと3Dレンズ」に求められるもの

_莠舛1920x1080x30fps以上の左右サイド・バイ・サイド・フルで記録可能なこと
    2Dへのコンバートで画質劣化がはなはだしいハーフ画質ではハイアマチュアは納得しないと思います。 最終的にハリウッドの3D映画と同じようにフルハイビジョンx左右2画面でブルーレイに残せる記録画質が必須。
できればこの記録サイズで、120fps程度のハイスピード録画を5秒程度行える「なめらかスローモード」用のバッファ機能があると、3Dを非常に効果的に見せるシーンの撮影が 可能となると思います。

▲好謄譽ベース可変なこと
    3D撮影にとって「ステレオベース」は、2Dにおける「ピント」「露出」と同じ重要度があると私は思います。
ハイアマチュア向けの3Dカメラでは、被写体に応じて、または撮影意図に応じて「ステレオベースが変えられる」ことが必須と思います。
その際、数百万円以上の完全な業務用カメラではなく、あくまでもハイアマチュア向けとして価格を抑えるために「手動式ステレオベース可変機構」で良いと思いますし、 レンズの光軸を内向きに変えるコンバージェンス調整機能(トゥーイン調整機構)もコストアップになってしまうのならハイアマチュア向けには不要だと思います。
また、上下のズレや傾きの狂いなくステレオベースを可変させるメカニズムが構造的にコストアップになるようであれば、安くなったフルハイビジョンセンサー&レンズユニット 自体を1cm、3cm、6cm、12cmと4つぐらいのステレオベースで基盤に固定配置した「5眼レンズ」方式(それ以上でも可)として、撮影距離に応じて切り替える方式なども 有効だと思います。
ステレオベース可変型は必然的に躯体の横幅が大きくなってしまうが(蛇腹で横に伸びる方式なども考えられるが)、グリップ部を含めてカメラの横幅20センチ以内ならば 3Dマニアなハイアマチュアの購入意欲には全く影響は与えないと思います。

K豹絅院璽港着を最初から念頭に置いたデザインであること
    3Dは水中撮影でも絶大な効果を発揮しますので、ハイアマチュア向けの3Dカメラは、開発時点から防水ケースに入れて使うことも配慮したデザインにして欲しいと思います。

ぅ皀縫拭悉侘呂氾吐伴位祇リモコンが使えること
    経験上、昆虫、野鳥、野生動物などの撮影やモデルと1対1のAVハメ撮りではリモコン、それも赤外線ではなく電波式のリモコンが使えるか、 3Dカメラ側に無線リモコンユニットを接続できるマルチコントロール端子があることが望ましい。 同様に中型の撮影用裸眼3Dモニターなどに出力してリアルタイムにフレーミングと最適ステレオベースを確認できるような端子または無線リモコンユニットから映像信号も 飛ばして手元のモニターで確認できる機能がオプション設定されることが望ましい。


■ 後付け3Dアナモルフィックレンズならば...

さて、「既にハイビジョン・ビデオカメラやハイビジョン・ムービーを撮れるデジタル一眼カメラを持ってるけど、それで何とか綺麗な3Dを撮れないか」 というニーズは今後増えてくると思います。
銀塩フィルム時代からお手軽な3D写真撮影用として定番のペンタックス・ステレオアダプターでは現在の3D鑑賞環境には合わない。静止画もムービーも縦アングルのみだし、 ミラーによる台形ゆがみも大きく、何よりも3D撮影可能な撮影距離が限定されてしまうからです。
香港のLoreo社が発売している各社デジタル一眼用の3Dレンズはプラスチックレンズで色収差も画質も悪く、絞りなどもカメラ本体と連動しないためほとんど使い物に ならない。
そこで、今月発売のパナソニックのムービー用3Dコンバージョンレンズが採用した「お手軽にサイド・バイ・サイド・ハーフの3D映像を撮れる3Dアナモルフィックレンズ」と いう製品コンセプトが市民権を得られるのであれば、他のカメラメーカーや交換レンズメーカーから各社のカメラに装着してサイド・バイ・サイド・ハーフで静止画もムービーも 撮影できる後付け3Dアナモルフィックレンズが発売されることを期待したい。

現在、携帯電話カメラ用から高級デジタル一眼カメラ向けまで数ある交換レンズやコンバージョン・レンズも、キヤノンの白レンズのようなプロ向け以外は 「よほど周辺ゆがみや色収差が目立たない限りは選択理由の第一は価格」みたいな価格競争の状況だと思いますが、3Dレンズは、3Dカメラ同様に色々とメーカーの独自色 を出して差別化や価格差を付けられる要素が残っていると思います。

最も単純にして低コストで発売できそうなものとしては、上掲の香港Loreo社のような小型の3Dレンズを、きちんと光学レンズで構成し、パナソニック同様の 小型アナモルフィックレンズで横アングルのサイド・バイ・サイド・ハーフで撮れるようにし、絞りやフォーカスも2Dの交換レンズ同様にカメラ本体と 連動するようなものなら、その利便性から3〜5万円ぐらいでもかなり売れると思います。

特に3Dに対しては沈黙中のキヤノンには、安価なデジタル一眼「EOS Kiss x4」でも、パナソニックやオリンパスのフォーサーズ規格のデジタル一眼にはまだ搭載されていない 「フルハイビジョン動画(1920x1080x30fpsのMPEG4-H264/AVC)」モードがあり、プロが撮ったサンプル・ムービーを見る限りでは、レンズとライティングが良いためか、 一般的な民生用ハイビジョンビデオカメラよりも美しい映画チックな画質だと思います。
このフルハイ動画モードを最大に生かしながらサイド・バイ・サイド・ハーフに収められる3Dレンズを開発すれば、ベースとなるカメラもレンズも共にかなり 売れると思いますので、キヤノンなりサードメーカーなり、是非とも開発・発売して欲しいと思います。

●キヤノン「EOS Kiss x4」でフルハイビジョン動画を撮影したサンプルムービーを掲載したページはコチラ。
http://cweb.canon.jp/camera/eosd/kissx4/samples/index.html
特に、Sample Movie 2 [book of days]がこの画質で3Dになったときのことを想像するとワクワクする。

ちなみに今回のコラム冒頭のEOS Kiss x4ボディーにフェイクしたキヤノン製3D白レンズの写真は、キヤノンが同社製レンズ交換式ビデオカメラ用に2000年に試作したもので、 オートフォーカスに連動してレンズの光軸をミラーで変化させる「オート・コンバージェンス機能」などが組み込まれた高級3Dレンズ。
本コラムの■ 2000年にキヤノンが試作した幻の3Dレンズがコレダ!(2010年3月28日)で紹介。

現在のEOS Kiss用としては、もっと単純・簡素な仕組みの安価で小型なもので良いと思います。



以上、あくまでも「1台のカメラで3D撮影・記録すること」を前提に書いてきましたが、ステレオベースを数ミリから数十メートルまで可変に出来る従来方式の 「2台のカメラを使った3D撮影・記録」する方法は、今後もハイアマチュアの間では残っていくと思います。

しかしその場合、3Dムービーで最も重要な要素は「左右2台のカメラのフィレーム完全同期」なのです。色や明るさの若干の狂いは編集で補正可能ですが、撮影時の フレーム内の時間的なズレは編集では補正できず、また、人間の眼では1/240秒程度のズレでも気になって違和感のある3Dムービーになってしまいます。

今までプロたちは、複数のビデオカメラをフレーム単位で完全同期させられる「ゲンロック」機構を実装した業務用の大きなビデオカメラを2台で3D撮影してきましたし、 アマチュアたちはソニーのビデオカメラとハイエンドなデジタルカメラに付いていた、パソコンのRS232をベースとしたコントロール端子「LANC」(その後「AVR」に名称変更)を 使って2台のカメラの同期を1/1000秒レベルでコントロールする『LANC Shepherd (Pro)』 (日本でもSTEREOeYeオンラインショップで購入可能)などを使って2台のカメラで3D撮影を行ってきましたが、実際の同期精度は1/100秒レベルまで 低下してしまうこともあり完全な同期とは言い難いものでしたし、一般人でこの端子を使う人が少ないためか、現在はソニー製品からもほとんど無くなってしまいました。

しかし、このLANC端子を使って、2台のカメラの同期を「マイクロセカンド単位=1/1000000秒」でほぼ完璧にコントロールするプログラムと実際の設計図を東欧スロベニアの研究機関が 発表しています。
http://www.docstoc.com/docs/38304784/3D-Camcoder
http://dsc.ijs.si/3dlancmaster/default.htm
まだいくつかの問題点が残っているようですが、量産すれば数千円で製品化できそうな構造だと思います。

このような2台のカメラをほぼ完全に同期させることができるシステムのための端子や規格を、今後の民生用ビデオカメラやデジタルカメラが実装すれば、 フルハイビジョンな2D/3Dコンパチブル映像を手軽に撮れるようになるわけですが、時代の流れとしてはやはり「2台買うのもな〜」といったことから、 1台でも高額なモデルでは具体化は難しいように思えます。が、実売価格が2万円を割っているソニーの非常に安価でそこそこ高画質なフルハイビジョン・ハンディーカム「MHS-CM5」や、 パナソニックの完全子会社となってしまった三洋の売れ筋のムービーデジカメ「Xacti」シリーズの今後のモデルでAVR端子や民生用フレーム同期端子が復活し、 安価で完璧な同期コントロール・ユニットをメーカーとして正式にオプション設定すれば、「ステレオベース固定で不完全かつハーフで低画質な3Dカメラ」しか市場に登場していない現在、 より自由なステレオベースで高画質な完成度の高い3D作品を制作したい世界中の3Dマニアやアバター以降に新規に3Dマニアになった人々に2台ずつ売れると思いますので、 そんなにコストアップにならないのであれば、今後の縦型のハイビジョン・ムービーカメラには「3D同期撮影可能モデル」として標準装備して欲しいくらいだと私は願っています。
特に、「α NEX」にごまかしの3D機能を搭載してその場しのぎ的なソニーには、今後の3Dを牽引したい意識があるのならば、 きちんとした3D映像を撮れるものとして「LANC=AVR」端子の復活とソニー製同期ユニットの開発・発売を期待しています。




■ 当面の3Dフォーマットを考える(2010年8月8日)■

2ちゃんねる等の3Dテレビ関連スレッドを見ていて『BS11やスカパ3Dなどの3D放送、3D版DVDはサイド・バイ・サイドだから画質が良くない』 といった書き込みに出くわすが、なんで「サイド・バイ・サイド=画質が良くない」といった都市伝説的なイメージが広がっているのか気になっていた。

そもそも「サイド・バイ・サイド」とは、左右2視点で撮影された2つの映像の「配置方法」「記録方法」「表示方法」を意味するもので、画質をどうのこうのいじくる ものではない。

「サイド・バイ・サイド」は「左右横並び形式」といった呼び名で昔からの3Dファン、特に銀塩フィルムで撮影された立体写真時代からの3Dファンには一番なじみの深い形式で、 リアリストのような左右ニ眼のステレオカメラで「平行法サイド・バイ・サイド」で撮影し、 フィルムもプリントも同様、それを鑑賞するときも裸眼並行法や平行法立体視用のビューアーで見るというものだった。
そこではタテヨコのアスペクト比率を変えたり解像度を変えたりと言った概念は無く、赤青メガネで見る「アナグリフ」に対して「フルカラーで見られる方式」的な 意味が強かったと思う。

それがどうして最近になって「サイド・バイ・サイド」と「3D画質」の話が1つのものとしてネット上で語られるようになってしまったかを調べていくと、どうも、 2010年になって具体的に3Dテレビが話題となってきた頃から、にわか評論家や不勉強な解説者が、BS11などの3D放送で使われている3D放送用の 「Half Horizontal Resolution - Squashed(あるいはSqueezed)Side by Side Format」(水平方向の解像度が半分の圧縮サイド・バイ・サイド)を、よく理解しないままに「サイド・バイ・サイド」と略して 書いて来た事から始まり、各社の3Dテレビの再生フォーマットの説明にも単に「サイド・バイ・サイドとトップ・アンド・ボトム形式に対応」といったような書き方で、 3Dエロスのようなフル・アスペクト比率のサイド・バイ・サイドとの区別が分からないし、最も最近の例では、パナソニックが今回の民生用3D対応ビデオカメラの説明で、 「記録は左右2画面を1920x1080のフルハイビジョンサイズに横幅を圧縮して収めたサイド・バイ・サイド方式です」みたいな書き方をしていて、 これでは今までは3Dに関心が無かった人が読めば「サイド・バイ・サイド=横を半分に圧縮した低画質な3D」と誤解してしまうのもやむを得ないと思う。

BS11やスカパなどのテレビ放送での3D形式は、放送規格に合わせるために無理矢理に横方向の解像度を半分にして圧縮したものであり、 パナソニックの民生用3Dビデオカメラもデジタルビデオの記録方式規格に合わせるために横方向を半分に圧縮したもの。 正しくは「水平方向の解像度を半分に圧縮したサイド・バイ・サイド」と呼ぶべきですが、とても長くなってしまうので、3Dエロスでは3D対応となったHDMIバージョン1.4 を策定した「HDMI Licensing,LLC」プレジデントのスティーブ・ベネティ(Steve Venuti)氏にインタビューした「ASCIIjpxデジタル」の記事で使われていた 「サイド・バイ・サイド・ハーフ」が分かりやすいと思うので、今後は「サイド・バイ・サイド・ハーフ」を使うことにする。

さて、この「サイド・バイ・サイドの定義誤認問題」は既に身近で起きていて、先月開催された「3D&バーチャルリアリティー展」で私も2台も先行予約した 「レッツコーポレーション版Aiptek 3D HDカム」について、2レンズ・2CMOS方式なので「記録はサイド・バイ・サイドってことですが片側1280x720x30fpsで記録できるの?」と現場の担当者に確認した時に、 「ハイ」と答えていたが、その後公開された製品仕様を見ると、どうも「サイド・バイ・サイド・ハーフ」でしか記録できないような感じがする。 これでは3Dコンテンツと合わせて姉妹サイトの「JP-EXPRESS」から1280x720x30fpsの2D版ハイビジョンコンテンツも配信している我々には使えない。

そこで改めてここで3Dコンテンツの記録形式と再生形式について整理してまとめてみることにしたい。
なお、ここに掲載した以外にも3Dの記録方式と再生方式にはいろいろあるが、あくまでも民生レベルで現在実際に広く使われている方式のみに限定しているので、 「他にもあるじゃないか」といったツッコミをしないようにお願いします。


■3Dコンテンツの記録および配信方式について

1.左右セパレート記録方式

今まではデジタルで3D撮影時に、左右の映像を1つに纏めて記録してくれるカメラも無く、2台のカメラを使って左右別々のファイルとして記録していました。 また、今までは3D上映する際にも2台のプロジェクターを使って投影することが一般的で、左右の色やフレームのシンクロや視差を編集・調整して完成したファイルを 再び左右2つのファイルに分けて保存するのが一般的で、そのために用いられている方式です。また、3D版と2D版を作る必要がある場合などにも使われる方式です。
最近では1台のプロジェクターで3D投影できるものが安価に発売され、撮影も3D専用カメラが増えてくると思われるので、ファイル管理が面倒な左右セパレート方式は 徐々に減っていくと思われます。

2.サイド・バイ・サイド方式

昔から立体写真では定番の記録および表示方式で、左右をそのままの位置関係で配置した「平行法配置」と、左右を逆にした「交差法配置」があり、平行法配置は専用の ビューアーで大きなサイズでも立体視でき、交差法配置は裸眼交差法ができる人なら何も使わずに大きなサイズのものも立体視できます。
縦横のアスペクト比は元映像そのままで、フル・ハイビジョンの場合は1920x1080x左右2画面の「3840x1080ピクセル」になります。

3.サイド・バイ・サイド・ハーフ方式

デジタルテレビ放送の規格では最大解像度はフル・ハイビジョンの1920x1080ピクセルまでですので、上記の3840x1080ピクセルは送信も受信も出来ません。 そこで、1920x1080(ノーマル・ハイビジョンの場合は1280x720ピクセル)の枠にサイド・バイ・サイド映像を収めるために、横方向の解像度を半分に圧縮して記録・送信 し、受信した3Dテレビがそれを横方向を倍に拡大して元のアスペクト比に戻して表示するのがこの方式です。
民生用3DカメラもAVCHD規格などで最大記録解像度が1920x1080ピクセルまでに制限されているので、3Dテレビ放送と同じく、横方向を圧縮して1920x1080ピクセルの枠に 左右の映像を納めています。
当然に横方向の解像度は半分に低下してしまい、ZALMAN、NEC、富士通などの偏光インターリーブ式3Dモニターで見る場合はさらに縦方向の解像度も半分に低下して 合計ではオリジナルの4分の1の解像度となってしまいます。
このことから「サイド・バイ・サイドは画質が悪い」と言われる原因となっています。
逆に、ファイルサイズが小さく出来るので、インターネットで配信する場合には転送負荷が小さく、再生するパソコンも通常の2Dコンテンツが再生できるスペックならば 同じように3Dコンテンツも再生できるといったメリットもあります。

4.トップ・アンド・ボトム方式と同ハーフ方式

左右の映像を上下に並べた方式で、従来の4:3画角のモニターで横長なシネスコ版3D映画やハイビジョン・コンテンツを並べて表示する場合には、サイド・バイ・サイド では細長くなって上下に幅の広い無駄な黒帯が入ってしまいますが、トップ・アンド・ボトム方式ならば4:3画角のモニターに無駄なく表示できますが、それを裸眼で 立体視するには特殊なビューアーが必要なため、現在ではほとんど使われなくなった形式です。
その縦方向の解像度を半分に圧縮して放送規格の枠に収めたのが「トップ・アンド・ボトム・ハーフ方式」ですが、裸眼でチェックできないことなどから最近では あまり見かけなくなった方式です。

5.横インターリーブ方式

テレビがアナログだった頃に3D映画や3DコンテンツのVHSビデオやDVDに多く使われていた方式で、現在も欧米ではこの方式のDVDが多数販売されています。
元画像を横方向の1ラインずつにスライスして、偶数ラインは「左目用」、奇数ラインは「右目用」(またはその逆)に交互に並べて1枚の映像にして記録や送信を行い、 再生時にをれを左右に分離する方法です。
パソコン用としてもつい最近までヘッドマウントディスプレイのVuzixなどでは使われていましたが、サイド・バイ・サイド方式に押されて現在ではほとんど無くなってきました。
上の説明図ではスライスの状況を分かりやすくするために太く切っていますが、実際は1ラインの幅で、再生表示時に「ページフリッピング(現在の3Dテレビ同様に 左右映像を素早く切替える方式)」ができるモニターとグラフィックボードならば横縞はほとんど見えませんでしたが、通常のテレビ(インターレース)では横縞が 見えてしまっていました。

6.デュアル・ストリーミング・ウィンドウズ・メディア方式

現在、インターネット上で最も普及している動画ファイル形式である「ウィンドウズ・メディア・ビデオ(拡張子が.wmvの動画ファイル)」に左右2画面をフル解像度のまま レイヤー状に収めた新しい方式で、3Dエロスとお友達関係のドイツの3Dアダルトサイト「Adult4D.com」等が採用しています。
拡張子も.wmvそのままなので、ウィンドウズ標準装備の「ウィンドウズ・メディア・プレーヤー」やその他定番の動画プレーヤーではそのまま2Dとして片側映像のみが再生され、 StereoscopicPlayerをインストールしてある3D対応パソコンではフル画素表示の3Dとして再生される優れものです。 当然ファイル容量は倍になりますので、知らない人が見れば「なんでこのムービーはファイル容量がデカイんだ?」と思うはずです。
3Dエロスと姉妹サイトの「JP-EXPRESS」のように「3D版は3Dエロスで」「2D版はJP-EXPRESSで」といったように3D版と2D版を作る必要も無く、1つのファイルで フル・ハイビジョン画質のままで2D/3Dコンパチとなります。 ただし、現時点では「StereoscopicPlayer」しかこの方式に対応していませんが、ZALMANモニターにもNDIVIA 3D VISIONにも StereoscopicPlayerが同梱されているので、今後、2D/3D版両方のニーズに応える必要のあるアダルトサイト等から普及していく可能性もあります。
通常のサイド・バイ・サイドやトップ・アンド・ボトム形式の3Dファイルからの変換方法については、「3dtv.at」の以下のページに詳しく説明されています。
Stereoscopic Encoding Guide for Windows Media (http://www.3dtv.at/Knowhow/EncodingWmv_en.aspx)
【補足】2010.08.13
このデュアル・ストリーミング方式はウィンドウズ・メディアに限らず、3D放送にも転用可能な技術で、各国のデジタルテレビ放送局と3Dテレビ製造メーカーが少しその気になれば、 現在のような2Dテレビとの互換性がなく画質が劣化する「サイド・バイ・サイド・ハーフ」から、2DテレビではそのままフルHD画質で、3DテレビならフルHD画質の 3Dで観られる理想的な3Dテレビ放送環境を実現することが出来る。
また、フジフィルムが採用している独自の「3D-AVI」フォーマットも同じような考え方で、1つのAVIコンテナに、左右2つのmotion-JPEGファイルを2つのストリームとして 記録しており、通常のメディア・プレーヤーで開くと片側映像のみが再生される。

7.メディアとハードを繋ぐフレームパッキング方式

フレームパッキング方式自体は、現在の3Dテレビに採用されたHDMI 1.4で対応が図られた左右の映像をセットでHDMI伝送する方式のことで、それ自体が3Dコンテンツの 記録形式のことではないのだが、ブルーレイ3Dに収められる3DコンテンツはフルHD解像度でこの方式で伝送される形にオーサリングされるらしいが、 通常のサイド・バイ・サイドやトップ・アンド・ボトム(共にフルアスペクト及びハーフ)との違いの分かりやすい説明が無いので正直なところ私はよく分からない。
映画館などで本編上映前に流される3Dによるコマーシャルなどを以前から制作しているIMAGICAの 「五反田ルネッサンス」によれば、ブルーレイ規格の中の「マルチビュー・ビデオ・コーディング(MVC)」として記録するらしいが、 規格策定前のパナソニックの話では、通常のフル解像度のサイド・バイ・サイドやトップ・アンド・ボトムのように単純に2Dの倍のファイル容量が必要になるのではなく、 片側2D版と異なる視差分のみを追加的に記録してファイル容量を減らして記録されるらしいが、それを個人ができるようなオーサリング・ソフトが出るのか、既に出ているのか も私は知らない。
HDMI 1.4に外部から入力する場合はサイド・バイ・サイドとトップ・アンド・ボトムで良いらしいが、その場合の解像度とフレーム・レートは 「1080P/24fpsと、720P/50fpsもしくは60fps」となるらしく、また、その場合は「解像度が半分のハーフでなければダメなのか」も私には分からない。
個人が「ブルーレイ3D」として記録、またはそのフォーマットでネット配信できるのかなど不明な点が多くて馴染みやすく無いのは問題だが、今後、インターネットと 3Dテレビの互換が求められていくのだから、もっと分かりやすい情報を開示して欲しい。



■3Dコンテンツの表示方式について

3Dの表示方法も裸眼用から映画館用、3Dヘッドマウント・ディスプレイや3Dプロジェクター、3Dモニターも日本ではマイナーな方式のis3D製モニター、 液晶モニター2枚とハーフミラーを使って偏光方式なのにフル・ハイビジョン画質な3Dモニターなど種類が豊富だが、ここでは現在既に普及しているものと 今後1年以内に一般化して普及すると思われるものに限定して説明します。


1.フレーム・シーケンシャル方式

パナソニック、ソニー、東芝、シャープ、三菱、サムスン、LGといったテレビメーカー各社が採用している3D表示方式。
左右の映像をフル画素のまま高速で切替ながら表示し、それに同期した液晶シャッターメガネで観ることで脳内で立体映像に合成されて見える。
単純と言ってしまえば単純な方式でその原理は100年ほど昔からある方式。
現在の3Dの良さは、プラズマパネルなり4倍速液晶パネルなり、発光と消える速度とタイミングをコントロールする技術が20世紀までと比べて格段に進化したことで 「観やすい3D」になったこと。フル・ハイビジョン画質のままで3Dで観られるが、速くなったとはいえ、まだまだチラツキ感、暗さ、色の変化の問題が残っている。

2.横インターリーブ方式または横ライン・バイ・ライン方式

左右の映像をそれぞれ横方向に1ラインずつスライスして間引きし、それをマイクロポールやエクスポールの商品名で呼ばれている特殊なフィルターを貼った モニターに上下に1ラインずつ交互に並べて1枚の映像として同時に表示し、それを偏光メガネで見ることで右目には右側映像のみが、左目には左側映像のみが見えて脳内で立体映像に 合成されて見える。
3Dテレビでは先行していたHyndai ITやZALMAN3Dモニター、NECと富士通の3D対応デスクトップ・パソコン、パナソニック、日本ビクターなどの業務用3Dモニターに 採用されている方式で、フレーム・シーケンシャル方式のようなチラツキや暗さが無いが、縦方向の解像度が半分になってしまうと言う最大の欠点がある。
YouTube3Dの表示モードにも「Row Interleave 1, 2」として設定されていて、最近では「Pop outモード」で直接フルスクリーンで立体視できるようになったので、 今後パソコンで3Dを楽しむ人が数億人規模で広まる可能性がある。

3.縦インターリーブ方式または縦ライン・バイ・ライン方式

左右の映像をそれぞれ縦方向に1ラインずつスライスして間引きし、それを「視差バリア」という極小の「ついたて」機能を持った液晶パネルを貼ったメガネ不要で立体に見える 「視差バリア方式モニター」で観る方式。
2009年春に発売されたau-KDDIの3D携帯電話「Wooo H001」、フジフィルムの3Dフォトフレーム、これから発売されるニンテンドー3DS、シャープ製3D携帯電話、 国内大手パソコン周辺機器メーカー製3Dサブモニター等に採用されている。 メガネ不要で立体に見えるというメリットは大きいが、現在の技術では10インチぐらいが限界で大型化が難しく、横方向の解像度が半分になってしまう欠点があるが、 3D表示時のみ横方向のモニター解像度を倍密にして克服する技術をNECが既に開発している。
今後、おそらくニンテンドー3DS発売に合わせてYouTube3Dに、「Row Interleave 1, 2」モードに加えて「縦インターリーブ」モードも追加され、「ネットはメガネ不要の 裸眼3D」が標準になるかもしれない。

4.ライト・ディレクション・コントロール方式

イメージ図は無いが、フレーム・シーケンシャル方式同様に左右の映像を交互に超高速で表示し、それに連動した右と左に方向性の違うLEDバックライトで 右目には右側映像が、左目には左側映像が直接届くようにし、脳内で立体映像に合成されてフル解像度のままメガネ不要で立体に見える
立体視可能な視聴角度を超えるとゴーストの無いフツーの2D映像になるだけなので眼の疲れが少ないというメリットもある。
既にフジフィルムの3Dデジカメ「FinePix Real3D W1」の背面モニターで採用されているが製造コストが非常に高く、大型化が難しいという問題がある。


■3Dエロスの今後の配信フォーマットについて

3Dエロスは現在まで撮影時と同じ縦横アスペクト比率の「サイド・バイ・サイド交差法配置」で、立体写真は1920x1080x左右2画面で、立体ムービーは 汎用性は高いが横幅制限が2000ピクセルまでのウィンドウズ・メディア・ビデオに無理矢理1024x576x左右2画面=2048x576ピクセルで保存した 規格外フォーマットで配信していますが、既にWindows Vista以降+ウィンドウズ・メディアプレーヤー11での視聴環境では再生できないという問題が あること、さらに、今後の撮影ではAiptekやパナソニックの3D対応カメラによる「サイド・バイ・サイド・ハーフ」による元ファイルが増えていくため、 民生機でフル・ハイビジョン2画面記録が出来る3Dカメラが発売されるまでの間は、SDカードにコピーして3Dテレビに挿せばそのまま3Dで観られると言う利便性も考慮して、 「サイド・バイ・サイド・ハーフ」による1080pと720pを加える、もしくはそれを主流にしていくことを予定しています。
フル・ハイビジョンのままで配信できる「デュアル・ストリーミング・ウィンドウズ・メディア方式」は、 2D版が不正コピーされると3D版も同時に不正流出されてしまうと言うリスクがあるので、当面は採用しない予定で、民生機でもフル・ハイビジョン3Dの撮影が 出来るようになった時点で採用します。
つまり、当面は立体ムービーの配信フォーマットは次のような複数フォーマットにする予定です。
    1.部分的に撮影元映像の横幅を若干拡大して従来同様の1024x576x左右2画面の「フルアスペクト比サイド・バイ・サイド方式(裸眼立体視可能な交差法配置)」のWMV
    2.Aiptek製3Dカメラで撮影した部分が多い作品は640x720x左右2画面の「720pサイド・バイ・サイド・ハーフ方式」で3Dテレビ用のH264/AVC/MPEG4とパソコン用のWMV
    3.パナソニックなどの民生用フル・ハイビジョンカメラで撮影した部分が多い作品は960x1080x左右2画面の「1080pサイド・バイ・サイド・ハーフ方式」 で3Dテレビ用のH264/AVC/MPEG4とパソコン用のWMV
ただし、H264/AVC/MPEG4もK-Liteのようなコーデックパックをパソコンにインストールすればウィンドウズ・メディア・プレーヤーやStereoscopicPlayer、フリーの「ステレオ・スライドショー(SSS)」などで 再生できるので、将来的にはWMV版は必要なくなるかもしれません。



■ パナソニック民生用3Dカムコーダー情報つづき(2010年8月4日)■
 ※元記事は "comcorderinfo.com"のホームページ 他から

Bloodyさんの『3D VISION BLOG』にパナソニックの3D対応民生用カムコーダーHDC-TM750(海外では3Dコンバージョンレンズとのセット販売のみなので型番がSTD-750と なっている)を「comcorderinfo.com」がザクッとレビューした記事のことが紹介された。
そして、Bloodyさんも「コレで撮った3D映像がまだ見つからない。見つけた人は情報を皆とシェアしようよ」と呼びかけているが、私も毎日YouTubeで検索しているがまだ アップされたものは無い。

「comcorderinfo.com」のレビュー記事を斜め読みすると(私にとってはコレが3Dエロスの現場で使えるか否かだけが関心事なので...)、
  1.3Dレンズ装着時の画角は35mmフィルム換算で58mm相当
  2.3Dレンズ装着時の明るさはF3.2
  3.3D時のフォーカスはオート
  4.マニュアルが利くのはホワイトバランスの設定のみ
  5.3D時の最大録画ビットレートは17Mbps
  6.10月の米国発売時の予想小売価格は1399ドル(現在の1ドル=85円換算で約119,000円 安い!!)

Bloodyさんはパナの既存機種にも使えるのではないかと期待していますが、今までの国内情報からするとダメそうだけど、液晶モニターに左右圧縮されたサイドバイサイドで 映っていて、光軸調整もその画面で行うことでよければ使えそうにも思えてくるが、どうなんでしょうか?
ともかく、広角寄りではなく少しポートレート向きな58mmという画角とステレオベース12mmで本当に3D効果が出るのか、またまた疑いたくなってしまう。
昨日紹介した「Tokyo Walker」の記事では、撮影デモが「ブランコ」や「シャボン玉」という3D定番の素材で、それらは通常前後の動きが1m以上あるので3D効果が 分かりやすいが、実際に2mの位置に居る女性のカラダの各部の丸みがカキワリにならずに3D再現できるのでしょうか???

と、再びYouTubeで検索したら、スウェーデンで行われた発表会での様子が2Dで投稿されていた。


三脚にセットされたTM-750の前で男女が踊っているシーンではモニター画面にはほとんど「視差」が出ておらず、まるで2Dみたいな感じ。

女性モデルがカメラ前1mぐらいに立った状態での「顔アップ」でようやく左図のキャプチャー映像のような「視差」が生じているが、何故かレンズ前に伸ばした指先が、 何度見ても視差が無いのが不思議...
先月ビックサイトで開催された「3D&バーチャルリアリティー展」で公開されたステレオベース4cmの安価な台湾Aiptek製ポケット3Dカムコーダーでは、 この撮影距離だとかなりの視差が付いた映像がモニターに映し出されていたのだが...

パナのTM-750/650は日本では8月20日発売らしいし、私としては今月の撮影分から使いたいのだが、実際にTM-750+VW-CLT1で撮影されたデモ映像が本日時点で 全く無い状況では、やはり現物を見るまでは購入はためらってしまう。


さて、発表から既に1年以上も経つのに発売が延び延びになっている中国「Inlife-handenet社」のステレオベース約6〜7センチ(らしい)の後付け3Dアナモルフィックレンズ 「SLN-828」(ソニーのフィルター径30mmのハンディカムに最適化されているらしい)は、 同社は「ズームもバッチリで凄く迫力のある3D映像が撮れるぞ」と昨年の中国国内での展示会リポートに書いていたが、
  1.カメラへの取り付け方法と光軸調整方法はどうなのか?
  2.パナと違い左右2本の光軸も曲げているが台形ゆがみはどうなのか?
といった疑問がある。

ま、この後付け3Dアナモルフィックレンズ同様に既に発表から1年以上も経つデジタル一眼風の3Dデジカメ「HDC-820」や、 2万円台と言われているコンデジ風「HDC-830」には世界中のバイヤーから問い合わせがあるし、早々と4月からプレオーダーを募ったドイツの3Dサイトなども あったのに、8月になった今もまだ発売されていない。
中国の新興企業はビジネスパートナーとしての信頼性が低すぎるという根本的な問題の方が重大ではある。





■ パナソニック民生用3Dレンズはアダルト撮影に最適か?(2010年8月3日)■
 ※元記事は "パナソニック"のホームページ 他から

先月7月28日にパナソニックから民生用デジタルムービーカメラとしては初の水平圧縮サイドバイサイド3D形式( Side by Side format, 1080p with half horizontal resolution (squashed)) で1920x1080x30fpsのAVCHDフォーマットによる録画が出来るTM-750(内臓メモリー96GB)及びTM-650(同64GB)が発表され、 デジカメやムービーカムを扱っている各サイトに情報が掲載されたが、発表会での実際の「3Dとしての映り」に関する情報は、意外や 『Tokyo Walker』(7月29日付け)ぐらいにしか載っておらず、 3Dファンから観ればいくらでもツッコミどころがあるのに、 単にパナソニック側からのプレス・リリースをそのまま書き写したに過ぎないものばかりで、ここでもマスコミの不勉強さが目立つ。
逆に、上記の『Tokyo Walker』の記者は3D素人なのか、実際に発表会場でのデモ撮影の様子を素直な驚きを持って伝えてくれている。
それによると、3Dマニアが心配している「ステレオベース=12mm」で一体どれほどの3D効果のある絵が撮れるのかについては、 『先ほど撮った映像内のブランコが、画面の外に"ブワッ"と飛び出してくるではないか! 画面の手前に映っていた木も飛び出して見えるため、 テレビの前に置かれた観葉植物のよう。シャボン玉に至っては、フワフワと目の前に飛んでくるため、思わず手を前に出してつかもうとする(!)人も出るほど。』 と表現している。視差12mmでそんなに3D効果が出るのか???

標準小売価格38,000円の後付け3Dレンズ「VW-CLT1」(汎用性はなく現在のところはパナソニックのTM-750・TM-650専用)は明らかに 光学的に片側のアスペクト比16:9を8:9に圧縮する「3Dアナモルフィック・レンズ」なのだが、このレンズをパナソニックは「ウェッジプリズム偏向方式」と呼んでいる。 私は光学レンズについて全く詳しくないが、調べてみると「ウェッジプリズム」自体は単に光軸を曲げる働きを持ったものらしく、天体望遠鏡などに多く使われていて、 それ自体にはアナモルフィックのようなアスペクト比を変化させる意味合いは無いようなので、パナソニックの呼び名が相応しいのか疑問が残る。
ともかく、7月28日の発表直後から3Dマニアの間では「パナの民生機ってハメ撮りなどのAV向け」といったことが囁かれていた。 その後、パナソニックの製品ページに掲載された図のような説明を見ても、「子供の運動会や学芸会を撮る」には明らかに不向き。 運動会や学芸会の撮影距離は近距離でも5mぐらい、通常は数十メートル離れた距離からのズームを使った撮影が多いはずで、大人が直立した全身を映しこむにも 4mは超えてしまうはずなので、その撮影距離では3D効果はほとんど(全く?)出ないらしいし、そもそもが3D撮影時はズームは使えない。
逆に室内やお庭で、ハイハイやヨチヨチ歩きの赤ちゃんや犬や猫といったペットを撮るには推奨撮影距離1.2m〜4mというのは最適なのかもしれない。

さて、この「推奨撮影距離1.2m〜4m」って、最もアダルトビデオで使われる撮影距離のように思う。もちろんAVでは「寄り」ではズームを使うかマクロを使って 「どアップ」も必要だが、単体なりカラミで一番多いシーンはほとんどがこの撮影距離の範囲だと思う。
3Dに関しては実際に量販店に並んで「子供撮りしたいパパさんママさん」たちの反応がどうなのかに興味はあるが、 2Dムービーカムとしてもパナソニック自身が「パナ民生機で最高画質」とうたっているので、当3Dエロスのような「3D専門アダルトサイト」ではない通常の 「2Dアダルトサイト」(ハイビジョン化で先鞭をつけた「一本道」あたりから?)が将来に向けた練習と実験を兼ねて「2Dメイン+オマケコンテンツとして短い3Dシーンを付ける」 ための撮影カメラとして売れるのではないでしょうか。
もちろん、カノジョやセフレや「ヌードモデルします系掲示板」の素人女性とのハメ撮りは、撮った本人にとっては体温やネチョネチョ感などの実際の記憶が蘇ることもあって 2Dでも市販AV以上のリアル感がありますが、私の体験上、3Dはその100倍ぐらいリアル感があると思うので、そのようなニーズから売れていくかもしれませんね。
もちろん、3Dエロスも「左右完全同期」というメリットだけでもとりあえずTM-650+3Dレンズを導入する予定で、アップ撮りはクローズアップレンズが使えるかどうか、 ダメな場合は他の方法を考えますが、その時点からいよいよAdult4D.comと同じく3Dテレビでもそのまま観られ、3D対応パソコンでもコマ落ちなく観られる 「スカッシュド・サイドバイサイドによる1080p配信」を開始する予定です。



(コラム中、意見の部分はあくまでもWebmasterの個人的見解です)